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第9話 頼もしい味方の来訪と、正体の発覚 リナ視点 (1)
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「関係者全員の処遇が決まり、これから身柄を拘束する事となった。リナ・サーハル、君も一緒に来るか?」
パーティーの翌日、午後の2時過ぎでした。家の前に馬車が複数台停まったのでお父様と共に急いで出てみると、髭を蓄えた威厳のある男性が降りてきました。
一番豪華な馬車から出てこられたこの方は、マティス・グエールズ大公。現国王マスラズ様の、弟にあたる御方です。
「一番の被害者である君には、見届ける権利がある。どうかな?」
「…………。…………」
「うむ? 目を白黒させてどうしたのだ? わたしの顔に、何かついているか?」
「閣下、そうではございません。あの方の御意向で協力者の素性を明かしていなかった為、サーハル様は驚いてしまわれているのですよ」
同じ馬車から出てきた従者の男性が、こちらにお辞儀をしつつ微苦笑を浮かべた。
協力者……。
グエールズ大公が、協力者様……!?
「おお、そうだったな。リナ・サーハルよ、ここにいる男が件の協力者だ。ユーゴからの依頼を受けたのは、わたしなのだよ」
「閣下は十二年前の視察で葡萄畑とワインを気に入ってくださり、それ以降懇意にして頂いていたんだよ。あの頃のことは、リナも覚えているだろう?」
「は、はい、よく覚えています。あの時は、色々とやってしまいましたから……」
閣下はあの日、3人の御子息を――。私より7歳年上の長男・アルク様、5歳年上の次男・サイズ様、同い年の三男・レオ様を連れていらっしゃっていて、葡萄畑と製造所をご覧になっている間、私はレオ様と一緒にいた。
レオ様は移動中に酔ってしまっていて、我が家で私が看病をしている――涼しい場所で、お話しをしていることになったのでした。
『レオ様っ、私とお喋りしてよーねっ。すっごく面白いお話があるから、これからしますねーっ』
『えっ? あ、う、うん。お願い、します』
レオ様は内気な子で、あの頃の私は活発な子。
その正反対さが上手く働いたみたいで、最初は戸惑っていた――遠慮気味だったレオ様も、段々と心を許してくれるようになる。私達の距離はあっという間に縮まっていて、皆さんが視察を終えて帰ってきた頃にはお友達になっていました。
『ほぅ、あのレオが笑っているではないか。君は…………リナ、だったか。レオの相手をしてくれてありがとう』
『私のほーも、ありがとーございますっ。レオ様は楽しそーにお話を聞いてくれて、楽しそーな笑顔を見れて私も楽しかったですーっ!』
『………………なるほど、レオがそうなるのは至当だな。……これからわたしは、君のお父さんともう少しお話をする。あとちょっとだけ、この子の相手をしてくれるかい?』
『はーいっ! レオ様、新しいお話をするねーっ』
そうして私達は再びお喋りを始めて、間もなくでした。手持無沙汰になったアルク様とサイズ様がやってきて、私はちょっとした騒動を起こしてしまうのです。
パーティーの翌日、午後の2時過ぎでした。家の前に馬車が複数台停まったのでお父様と共に急いで出てみると、髭を蓄えた威厳のある男性が降りてきました。
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「一番の被害者である君には、見届ける権利がある。どうかな?」
「…………。…………」
「うむ? 目を白黒させてどうしたのだ? わたしの顔に、何かついているか?」
「閣下、そうではございません。あの方の御意向で協力者の素性を明かしていなかった為、サーハル様は驚いてしまわれているのですよ」
同じ馬車から出てきた従者の男性が、こちらにお辞儀をしつつ微苦笑を浮かべた。
協力者……。
グエールズ大公が、協力者様……!?
「おお、そうだったな。リナ・サーハルよ、ここにいる男が件の協力者だ。ユーゴからの依頼を受けたのは、わたしなのだよ」
「閣下は十二年前の視察で葡萄畑とワインを気に入ってくださり、それ以降懇意にして頂いていたんだよ。あの頃のことは、リナも覚えているだろう?」
「は、はい、よく覚えています。あの時は、色々とやってしまいましたから……」
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『レオ様っ、私とお喋りしてよーねっ。すっごく面白いお話があるから、これからしますねーっ』
『えっ? あ、う、うん。お願い、します』
レオ様は内気な子で、あの頃の私は活発な子。
その正反対さが上手く働いたみたいで、最初は戸惑っていた――遠慮気味だったレオ様も、段々と心を許してくれるようになる。私達の距離はあっという間に縮まっていて、皆さんが視察を終えて帰ってきた頃にはお友達になっていました。
『ほぅ、あのレオが笑っているではないか。君は…………リナ、だったか。レオの相手をしてくれてありがとう』
『私のほーも、ありがとーございますっ。レオ様は楽しそーにお話を聞いてくれて、楽しそーな笑顔を見れて私も楽しかったですーっ!』
『………………なるほど、レオがそうなるのは至当だな。……これからわたしは、君のお父さんともう少しお話をする。あとちょっとだけ、この子の相手をしてくれるかい?』
『はーいっ! レオ様、新しいお話をするねーっ』
そうして私達は再びお喋りを始めて、間もなくでした。手持無沙汰になったアルク様とサイズ様がやってきて、私はちょっとした騒動を起こしてしまうのです。
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