私を利用するための婚約だと気付いたので、別れるまでチクチク攻撃することにしました

柚木ゆず

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第9話 頼もしい味方の来訪と、正体の発覚 リナ視点 (3)

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「わたしとしては、あの行為は大歓迎。是非ともそうあり続けて欲しいものだが、貴族には腐った輩が多いからな。今後の君の人生を考えると、あの場ではそう言えなかったのだよ」

 閣下も思い返してくださっていたようで、改めて頭を下げてくださいました。

「あとで『あやつ』からも、謝罪がある。それを含め、色々と聞いてやってくれ」
「しょ、承知致しました。……あ、あの。その方とは、もしかして……」
「ああ。我が息子の、レオだ」

 やっぱり、そうなのですね。
 レオ様はあのあと急に表舞台に出なくなり、あれから一度もお会いできていません。御兄弟の関係性など気になることが沢山あったので、この機会にお尋ねしてみましょうっ。

「とある事情で伝えることができなかったのだが、あやつは元気に生きている。今日は間が悪く、レオは代わりに我が家(いえ)の仕事をしてから来るのだよ。その笑い顔を、その時にも見せてやってくれると嬉しい」
「きっと、自然に出ると思いますっ。待ち遠しくなっていますのでっ」
「そうか、それはよかった。あの者は――おっと、随分と脱線してしまったな。そろそろ話を戻し、協力した事由を詳しく語るとしよう」

 大きく頷かれていた閣下は、小さく笑ってお父様を一瞥しました。

「わたしはあの日ユーゴが作るワインに惚れ、君を気に入った。そこでその時に、何かあれば喜んで手を貸すと約束していたのだよ」
「閣下は国内外で多忙で、お会いになったのはその時のみ。にも関わらず覚えてくださっていて、快諾してくださったんだよ」
「あの日の出来事はわたしにとっても印象深く、サーハル家のワインは今でも愛飲しているからな。あの葡萄畑の、そしてリナ・サーハルのファンとしては、動かずにはおれんよ」

 閣下は、南の方向――畑と私を交互に見て目を細め、今度はお父様ではなく馬車を一瞥しました。

「これから、此度の騒動の仕上げに向かう。無論、共に来るだろう?」
「はい。お供させていただきます」

 エリックさん達が泣き叫ぶ姿を見て、嘲笑いたいのではありません。
 宣告の際にはどうしても、様々かつ大きな負の感情が表れます。閣下をはじめとした現地に赴く方全員が、そういう不快なものを見て聞く羽目になります。
 この事件の元凶でもある私だけが見も聞きもしないのは、不公平。ズルいことですから。もしお誘いがなくてもお願いをする予定でした。

「……リナ・サーハルらしい目だな。では、ゆくとしよう」
「はいっ。よろしくお願い致します」

 こうして私は馬車に乗り込み、まずはリウさんのお屋敷を目指します。そして身柄を拘束すると罪状は伝えず次の目的地を目指し、エリックさんの家に乗り込んだのでした。

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