9年ぶりに再会した幼馴染に「幸せに暮らしています」と伝えたら、突然怒り出しました

柚木ゆず

文字の大きさ
28 / 28

エピローグ その後のアリアン アリアン視点(2)

しおりを挟む
《アリアン、この間はごめんなさい。貴方に嫌な思いをさせてしまいましたね。
 恥ずかしいことだけど……。このままでは大切な幼馴染に勘違いをさせたままになってしまうから、正直に話しますわ。

 あの時のわたくしは夢の一つが叶わなくなってしまい、イライラしてしまっていましたの。
 そう、あれは八つ当たりなんです。
 自分が上手くいかないから自分の環境を自慢して、『叶わなくてもこんなに幸せなんだぞ』と自分自身に言い聞かせようとしていたんですの。

 ……今思うと、本当に情けない。貴方はなにも悪くないのにせっかくの再会をあんな風にしてしまって、反省していますわ。

 改めて言わせてください。
 ごめんなさい。

 貴方を嫌っているから、あんな風に振る舞ったのではありません。今でもアリアンは、わたくしの唯一無二の存在。血の繋がらない家族だと思っていますわ。
 またいつか会った時は、楽しくお喋りをさせてくださいね。

 また、で不思議に思っているでしょう?
 実はわたくしにはもう一つ夢があって、その夢を叶えるべく外国に行きますの。
 だからすぐには会えないでしょうけど、夢を叶えたら戻ってきますわ。
 貴方の声を聞いたり貴方が書いた文字を見たら、甘えてしまうと分かっているから。昔そうしてしまったように、連絡先は書きませんわ。

 でもね。孤児院を出た時からずっと、わたくし達は絆の糸で繋がっている。
 あの言動のせいで嘘っぽく聞こえてしまうと思うけれど……。どんなに月日が流れても、わたくし達の友情は変わりませんわ。

 アリアン。その時まで、元気で過ごしていて頂戴ね。
 わたくしもずっと、貴方の幸せを願っていますわ。            》


 ソリーヌからの手紙を開封してみると……。そこには、そんな文字が並んでいました……!

「よかった。どうやら、良い内容が記されていたみたいですね?」
「はい。はいっ。はいっ! とても幸せなことが、書かれてありました……!」

 知らず知らずソリーヌに酷い真似をしてしまっていたのではなく、ソリ―ヌは今でもわたしを想ってくれていた。
 あの日からずっと両肩と心になった『重さ』が、一瞬にして消えてしまいました。

「そうでしたか。ゾーズさんが急がれたのは納得でした」

 お父さんもずっと、ソリ―ヌの件を心配してくれていました。

 ――薄いブルーは、この国では『永遠の友情』を表す色――。

 封筒のカラーと宛名で内容を察し、少しでも早く安心できるように運んでくれたんですね。

「本当に、本当に、よかったです。……ソリ―ヌ、わざわざありがとうございます」

 わたしもここで、目標へと向かって走り続けています。
 お互い、頑張っていきましょうね。
 わたしもずっと、貴方を見守っていますから……!!


 〇〇


((アリシアさんが笑顔になって、よかった))

 その手紙は僕が強制させたもので、捏造された情報を真実だと認識されるのは心が痛む。
 ただそれでも、ずっと辛い思いをし続けるよりはマシ。
 久しぶりに心からの笑みを見ることができて、ホッとした。

((……アリアンさん。これからも、約束は守りますからね))

 プロポーズをする際に、生涯貴方を守るとお伝えしましたよね?
 どんなことが起きても、どんな相手だろうと、僕は貴方の心と身体を守る盾であり剣となります。

 だから――。安心して、隣を歩いてくださいね。
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

夫が勇者に選ばれました

プラネットプラント
恋愛
勇者に選ばれた夫は「必ず帰って来る」と言って、戻ってこない。風の噂では、王女様と結婚するらしい。そして、私は殺される。 ※なろうでも投稿しています。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

私を裁いたその口で、今さら赦しを乞うのですか?

榛乃
恋愛
「貴様には、王都からの追放を命ずる」 “偽物の聖女”と断じられ、神の声を騙った“魔女”として断罪されたリディア。 地位も居場所も、婚約者さえも奪われ、更には信じていた神にすら見放された彼女に、人々は罵声と憎悪を浴びせる。 終わりのない逃避の果て、彼女は廃墟同然と化した礼拝堂へ辿り着く。 そこにいたのは、嘗て病から自分を救ってくれた、主神・ルシエルだった。 けれど再会した彼は、リディアを冷たく突き放す。 「“本物の聖女”なら、神に無条件で溺愛されるとでも思っていたのか」 全てを失った聖女と、過去に傷を抱えた神。 すれ違い、衝突しながらも、やがて少しずつ心を通わせていく―― これは、哀しみの果てに辿り着いたふたりが、やさしい愛に救われるまでの物語。

[完結]出来損ないと言われた令嬢、実は規格外でした!

青空一夏
恋愛
「おまえなど生まれてこなければ良かったのだ!」そうお父様に言われ続けた私。高位貴族の令嬢だったお母様は、お父様に深く愛され、使用人からも慕われていた。そのお母様の命を奪ってこの世に生まれた私。お母様を失ったお父様は、私を憎んだ。その後、お父様は平民の女性を屋敷に迎え入れ、その女性に子供ができる。後妻に屋敷の切り盛りを任せ、私の腹違いの妹を溺愛するお父様は、私を本邸から追い出し離れに住まわせた。私は、お父様からは無視されるか罵倒されるか、使用人からは見下されている。そんな私でも家庭教師から褒められたことは嬉しい出来事だった。この家庭教師は必ず前日に教えた内容を、翌日に試験する。しかし、その答案用紙さえも、妹のものとすり替えられる。それは間違いだらけの答案用紙で、「カーク侯爵家の恥さらし。やはりおまえは生まれてくるべきじゃなかったんだな」と言われた。カーク侯爵家の跡継ぎは妹だと言われたが、私は答案用紙をすり替えられたことのほうがショックだった。やがて学園に入学するのだがーー これは父親から嫌われたヒロインが、後妻と腹違いの妹に虐げられたり、学園でも妹に嫌がらせされるなか、力に目覚め、紆余曲折ありながらも幸せになる、ラブストーリー。 ※短編の予定ですが、長編になる可能性もあります。

氷の騎士と契約結婚したのですが、愛することはないと言われたので契約通り離縁します!

柚屋志宇
恋愛
「お前を愛することはない」 『氷の騎士』侯爵令息ライナスは、伯爵令嬢セルマに白い結婚を宣言した。 セルマは家同士の政略による契約結婚と割り切ってライナスの妻となり、二年後の離縁の日を待つ。 しかし結婚すると、最初は冷たかったライナスだが次第にセルマに好意的になる。 だがセルマは離縁の日が待ち遠しい。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~

marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」 「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」 私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。 暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。 彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。 それなのに……。 やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。 ※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。 ※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。

「呪いの子」と蔑まれてきた私と婚約者の幼馴染、一体何が違うの?

きんもくせい
恋愛
「呪いの子」 100年に一度誕生すると言い伝えられる、精霊に嫌われた子供。民衆からも貴族からも良い顔をされない彼等の体質は、なんと名門伯爵家の令嬢・グレースにまで現れた。呪われた彼女の婚約者となったのは、軽薄で見た目ばかりを重視する伯爵家の令息・リアムという男。しかしこの男には「呪いの子」である幼馴染の少女がいて、彼は彼女を溺愛している。 彼女とグレースの違うところといえば、その呪いが身体に現れているかどうかだけ。周りの者から馬鹿にされ、婚約者にも蔑まれる日々の中、ある日グレースの身に異変が起こる。

処理中です...