わたしとの約束を守るために留学をしていた幼馴染が、知らない女性を連れて戻ってきました

柚木ゆず

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第9話 幼馴染2人のその後~ラウルの場合・その2~ ラウル視点(2)

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 あれから約1か月後の、4月13日。4月度の定期テストを終え、結果が貼り出された掲示板を確認した俺は――

「………………………………」

 ――言葉を失っていた。
 なぜだ……? なぜ…………


《13位 ラウル・ナズアリエ 682点》


 こんなことになるんだ!?

 1位になれないどころか、トップ10にも入れない。
 一部の教科が90点を下回るどころか、全ての教科で90点を下回った。しかもギリギリ90に足りないのではなく、平均およそ85点という有様……。

 前回の、1・5倍の時間勉強したのに……!
 2月度より学年の平均が5点も高くより簡単だったテストで、点数は37点、順位は8位も下がるなんて……。
 悪夢、としか言いようがない……。

((あく、む……。もしかして、夢を見ているのか……!? ここは現実じゃなくて、夢の中なのか――))「いたい!?」

 思い切り頬っぺたを抓ってみたら、激痛が走った。
 ……ここは、夢じゃない……。現実世界で……。
 合計得点は紛れもなく682点で、俺は13位になってしまったんだ……。

「…………ラウル、話が違うわね? どういうことなのかしら?」
「まっ、マリレーヌ様……」
(生徒会での無様なミスも相変わらず続いているし、成績もまた落ちてしまった。……国のルールに、感謝しないといけないかもしれないわね)

 微妙に異なる部分はあるものの、ハフテールでもダーロッシュでも基本的にはほぼ同じ。外国の貴族と婚約を結ぶ際には、様々なトラブルを回避するために『自身もしくは相手が婚約を解消していた場合は、10か月間新たに行ってはならない』という決まりがある。
 それによって俺とマリレーヌ様はまだ、正式な婚約を交わしていないことになっていて……。それはつまりお眼鏡に叶わなくなれば、力の差を利用して・・・・・・・・白紙にされてしまう可能性があるということ……。

(だっ、大丈夫ですよ! 今度こそ取り戻してみせます!! このラウル・ナズアリエはっ、今も昔も『該当者』のままです!!)
(……前回もそう言って、裏切ったわ。いい? 次はないと思いなさい。6月度の定期テストで1位を獲れないようなら、その時はサヨナラよ)
(任せてください!)

 と、言ったものの……。すでに最善を尽くしてしまっていて、盛り返す方法が見つからない……。
 だが……。
 どうにかしないと、せっかく得たものが手から滑り落ちてしまう。

 そんなのは、嫌だ!!

 なんとかしないと……。
 なんとかしないと……!


((どう、すればいい……? これで駄目なら……。どうすれば、いい……!?))



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