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第14話 いざ 真鈴視点(2)
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「……………………」
「……………………」
「これは私が小学3年生の頃に、いつの間にかされていた落書きです。……この頃の私は親友2人に隠し事をしたくなくって、『幽霊が見える』って言っちゃったんですよ」
誰にだって隠し事くらいあるのにね。あの頃の私は、ほんとバカなんだから。
「そしたら2人とも態度が急に変わって、離れていっちゃって……。それだけならまだよかったんですけどね、色んな人に言っちゃったんですよ」
「……………………」
「……………………」
「小学校って、1年生から6年生まであるじゃないですか。たくさんの人に知られちゃって、たくさん人がいるから常識が特にない人もいて。そういう人がこういうことをしたんですよ」
あの日は音楽の授業があって、音楽室から帰って来たら机の中がぐちゃぐちゃになってて。この2冊が置かれてて開いてみたら、こんな風になってたんだよね。
「……ひどい……」
「え、ええ……。信じられないわ……」
「あの時は、頭が真っ白になりまたね。しかも、それだけじゃなくって。当時のクラスメイト達は、なにもしてくれなかった。それどころか、自業自得だって陰で言われてました」
あの場所にいた人達にとって、悪いのは幽霊が見えるって言い出した私みたい。気持ち悪いことを言い出したのが悪くって、何をされても仕方がないそう。
「無視とか陰口は我慢できましたけど、これは無理でした。お母さんに泣きついたらすぐ問題になって、学校との間で色々ありました」
「……………………」
「……………………」
「こちらが、証拠です」
クリアファイルに入れていた5枚の書類を、ノートと教科書の隣に置く。
これは当時、この件で先生たちとやり取りを記録したもの。校長先生のサインがある、『実際にこういう問題が起きた』と証明できるもの。
「偶然父の転勤がなければ、私は学校に通えなくなっていたでしょうね。現には母は転勤がなければ私を連れて実家に戻って、そこから別の小学校に通わせるつもりだったみたいですし」
「……………………」
「……………………」
「だから私は二度と、幽霊に関することは口にしない、って決めたんですよ」
あんなことを言わなかったら、ずっと平和に学校生活を送れていたんだもん。もう何も失いたくなくって、あの日封印した。
「でも。数日前――二学期が始まったその日に、そんな考えは変わるんですよ」
隣にいる男の子、水前寺くんをチラッと見て――
「……………………」
「これは私が小学3年生の頃に、いつの間にかされていた落書きです。……この頃の私は親友2人に隠し事をしたくなくって、『幽霊が見える』って言っちゃったんですよ」
誰にだって隠し事くらいあるのにね。あの頃の私は、ほんとバカなんだから。
「そしたら2人とも態度が急に変わって、離れていっちゃって……。それだけならまだよかったんですけどね、色んな人に言っちゃったんですよ」
「……………………」
「……………………」
「小学校って、1年生から6年生まであるじゃないですか。たくさんの人に知られちゃって、たくさん人がいるから常識が特にない人もいて。そういう人がこういうことをしたんですよ」
あの日は音楽の授業があって、音楽室から帰って来たら机の中がぐちゃぐちゃになってて。この2冊が置かれてて開いてみたら、こんな風になってたんだよね。
「……ひどい……」
「え、ええ……。信じられないわ……」
「あの時は、頭が真っ白になりまたね。しかも、それだけじゃなくって。当時のクラスメイト達は、なにもしてくれなかった。それどころか、自業自得だって陰で言われてました」
あの場所にいた人達にとって、悪いのは幽霊が見えるって言い出した私みたい。気持ち悪いことを言い出したのが悪くって、何をされても仕方がないそう。
「無視とか陰口は我慢できましたけど、これは無理でした。お母さんに泣きついたらすぐ問題になって、学校との間で色々ありました」
「……………………」
「……………………」
「こちらが、証拠です」
クリアファイルに入れていた5枚の書類を、ノートと教科書の隣に置く。
これは当時、この件で先生たちとやり取りを記録したもの。校長先生のサインがある、『実際にこういう問題が起きた』と証明できるもの。
「偶然父の転勤がなければ、私は学校に通えなくなっていたでしょうね。現には母は転勤がなければ私を連れて実家に戻って、そこから別の小学校に通わせるつもりだったみたいですし」
「……………………」
「……………………」
「だから私は二度と、幽霊に関することは口にしない、って決めたんですよ」
あんなことを言わなかったら、ずっと平和に学校生活を送れていたんだもん。もう何も失いたくなくって、あの日封印した。
「でも。数日前――二学期が始まったその日に、そんな考えは変わるんですよ」
隣にいる男の子、水前寺くんをチラッと見て――
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