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第15話 ごめんなさい 真鈴視点(1)
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「……水前寺良平くん、ありがとうございます。裕介くんを見つけてくれて、ありがとうございます」
次から次へと流れる涙をハンカチで拭きながら、奈々子さんは改めて水前寺くんへと頭を下げた。
「裕介くんの声を聞いてもらえなかったら、裕介くんはずっとひとりぼっちで苦しんでいました。ありがとうございます」
「どういたしまして。困っている幽霊助けは、僕の希望です。裕介さんの気持ちが届くようになって、僕も嬉しいですよ」
水前寺くんは、そういう人だから。自分のことのように微笑んだ。
「感謝します。……市川真鈴さん。ありがとうございます。ごめんなさい。わたしが信じようとしないせいで、嫌な思い出を掘り返させてしまいました」
「信じられないのは、仕方がないですよ。私も水前寺くんと同じで、裕介さんのお願いを叶えたかった。信じてもらえただけでじゅうぶんですっ」
色々あったことは、全部忘れちゃった。
「昨日からのアレコレは、みんなで悪い夢でも見てただけですよ。ですよね、穂波さん、水前寺くん」
「ふふ、そうですね。そうだったと思います」
「今思えば、ふわふわしていましたよね。あれは夢の中の出来事だと思います」
「…………良平くん、真鈴さん、穂波さん。ありがとうございます……!!」
悪いヤツが来なかったら、すんなり信じてもらえてたはず。
奈々子さんも春斗くんも、全然悪くない。これ以上気にする必要もないのだ。
「実はこのノートと教科書、悔しくって残しておいたんですよ」
落書きがある、嫌だ。見たくない。捨てたい。
そんな気持ちがありつつも、なんか書いたヤツらに負けたみたいで悔しくて取っておいた。
「役立つ時が来てよかったです。ノートも教科書も、喜んでいますよ」
「……真鈴さん……」
「それに奈々子さんが信じてくれたおかげで、嫌な記憶は嬉しい記憶で上書きされました。このノートと教科書は、幸運を呼ぶアイテムに変身しましたよ」
このおかげで奈々子さんは信用してくれて、裕介さんの願いが叶う。そんな事実があるおかげで、持ってみてもさっきより全然汗が出ない。
もっと時間が経つと完全に嫌な思い出が消えて、いずれ汗が出なくなる時が来ると思う。
「思わぬ幸福がありましたね。僕も嬉しいです」
「どうもありがと。じゃあ、水前寺くん」
「ええ。本題に入りましょう」
私達の邪魔をするものは、なんにもなくなった。
裕介さんからのメッセージを、届けよう。
次から次へと流れる涙をハンカチで拭きながら、奈々子さんは改めて水前寺くんへと頭を下げた。
「裕介くんの声を聞いてもらえなかったら、裕介くんはずっとひとりぼっちで苦しんでいました。ありがとうございます」
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「信じられないのは、仕方がないですよ。私も水前寺くんと同じで、裕介さんのお願いを叶えたかった。信じてもらえただけでじゅうぶんですっ」
色々あったことは、全部忘れちゃった。
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悪いヤツが来なかったら、すんなり信じてもらえてたはず。
奈々子さんも春斗くんも、全然悪くない。これ以上気にする必要もないのだ。
「実はこのノートと教科書、悔しくって残しておいたんですよ」
落書きがある、嫌だ。見たくない。捨てたい。
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「役立つ時が来てよかったです。ノートも教科書も、喜んでいますよ」
「……真鈴さん……」
「それに奈々子さんが信じてくれたおかげで、嫌な記憶は嬉しい記憶で上書きされました。このノートと教科書は、幸運を呼ぶアイテムに変身しましたよ」
このおかげで奈々子さんは信用してくれて、裕介さんの願いが叶う。そんな事実があるおかげで、持ってみてもさっきより全然汗が出ない。
もっと時間が経つと完全に嫌な思い出が消えて、いずれ汗が出なくなる時が来ると思う。
「思わぬ幸福がありましたね。僕も嬉しいです」
「どうもありがと。じゃあ、水前寺くん」
「ええ。本題に入りましょう」
私達の邪魔をするものは、なんにもなくなった。
裕介さんからのメッセージを、届けよう。
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