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第2話 幽霊!? 真鈴視点(2)
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「あれ? 真鈴、どっか行くの~?」
「転校生くんに声をかけてみる。あれから誰も話してないしさ――ぁ」
失敗した。林檎と喋っている間に、水前寺くんはものすごい勢いで教室を出ていってしまった。
((……はぁ、仕方ないな))「ごめん林檎、追いかける」
「こっちこそごめん。これから部室に行かなくって、一緒に行けないんだよ」
「もともと独りで行くつもりで、全然問題なし。部活頑張って」
ひらひらと手を振って教室を出て、左右を確認する。
…………むう。水前寺くんの姿はなくって、どこに行ったか分からない。
「私の勘では、右だね。右にいってみ――あ、ちょうどよかった。佐々岡さん、水前寺くんを――ウチのクラスに転校生してきた男の子を見なかった? これくらいの背で、こんな感じの眼鏡をかけている男の子」
「あ~、見たよ。あっちの階段の方に走っていったかな」
「ありがと。左ね」
勘は大外れ。予想とは違う方に進んで、階段の前で止まる。
「…………また選択肢……。私の勘は…………上だから、下に行きましょ」
今度は近くに目撃者がいなくて、勘は頼りにならないから1階に降りる。
水前寺くんは……。水前寺くんは…………
「いない」
しばらく――7分くらい歩き回ってみても、彼の姿はなかった。
「…………これだけ探しても目撃情報すらないってことは……。勘が正解だったみたい」
ごめんなさい、私の勘。
信じなかったのを謝りながら来た道を戻って、2階から3階へと――2年生の教室がある階にやって来た。
「転校生が来そうなトコじゃないけど、1階じゃなかったもんね。探してみましょっか」
普段は来ない上級生のフロアを、スタスタトコトコと進む。
ウチの学校は学年ごとに上履きの色が違っていて、1年生は青で2年生は赤。この階では浮いている色の靴を履いている人を探して――
「あ、やっと見つけた。……見つけた、けど……」
――探していた人は、2分くらいで発見できました。
ただ――
「おい、こっち来いって! 面白いコト言ってるヤツがいるぞ」
――発見した水前寺くんは、メンドクサそうな上級生に囲まれていたのでした。
「転校生くんに声をかけてみる。あれから誰も話してないしさ――ぁ」
失敗した。林檎と喋っている間に、水前寺くんはものすごい勢いで教室を出ていってしまった。
((……はぁ、仕方ないな))「ごめん林檎、追いかける」
「こっちこそごめん。これから部室に行かなくって、一緒に行けないんだよ」
「もともと独りで行くつもりで、全然問題なし。部活頑張って」
ひらひらと手を振って教室を出て、左右を確認する。
…………むう。水前寺くんの姿はなくって、どこに行ったか分からない。
「私の勘では、右だね。右にいってみ――あ、ちょうどよかった。佐々岡さん、水前寺くんを――ウチのクラスに転校生してきた男の子を見なかった? これくらいの背で、こんな感じの眼鏡をかけている男の子」
「あ~、見たよ。あっちの階段の方に走っていったかな」
「ありがと。左ね」
勘は大外れ。予想とは違う方に進んで、階段の前で止まる。
「…………また選択肢……。私の勘は…………上だから、下に行きましょ」
今度は近くに目撃者がいなくて、勘は頼りにならないから1階に降りる。
水前寺くんは……。水前寺くんは…………
「いない」
しばらく――7分くらい歩き回ってみても、彼の姿はなかった。
「…………これだけ探しても目撃情報すらないってことは……。勘が正解だったみたい」
ごめんなさい、私の勘。
信じなかったのを謝りながら来た道を戻って、2階から3階へと――2年生の教室がある階にやって来た。
「転校生が来そうなトコじゃないけど、1階じゃなかったもんね。探してみましょっか」
普段は来ない上級生のフロアを、スタスタトコトコと進む。
ウチの学校は学年ごとに上履きの色が違っていて、1年生は青で2年生は赤。この階では浮いている色の靴を履いている人を探して――
「あ、やっと見つけた。……見つけた、けど……」
――探していた人は、2分くらいで発見できました。
ただ――
「おい、こっち来いって! 面白いコト言ってるヤツがいるぞ」
――発見した水前寺くんは、メンドクサそうな上級生に囲まれていたのでした。
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