婚約者が妹と婚約したいと言い出しましたが、わたしに妹はいないのですが?

柚木ゆず

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第8話 誰かどうにかしてくれ マティウス視点

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「…………と、いうわけなんだ……」

 計画が明るみになってしまうが、背に腹は代えられない。この場に居る3人に、ありのままを伝えた。

「マティウス様は、自分さえよければよかったのですか……。ガブリエル様はどうなっても、よいと……」
「仕方ないだろうが! それにだ! 当主になったからってガブリエルが早死にするとは限らないだろう!?」
「……その理屈は、マティウス様にも当てはまりますよね……?」
「その上、一定以上の地位は欲しいだなんて。虫が良すぎます。心は痛まなかったのですか? ガブリエル様――旦那様や奥様やお歴々、マールルット様への罪悪感はなかったのですか?」
「うるさい生意気だぞ! じゃあお前達が僕の立場なら承知の上で当主になると言うんだな!? 貴重な命を家や領民なんかのために捧げると言うんだな!?」
「「「………………」」」
「ほら無理だろう!? そういうことだ!! 理解したならこの話は終わりだ! 僕が聞きたいのはそんなつまらない言葉じゃないんだよ!!」

 ルナ問題への対処法。僕が欲しいのは、コレだ。

「マールルット家全員、父上母上ガブリエル、みんなおかしくなってしまった! お前はっ、どうすれば元に戻せると思う!?」

 分からない。僕には分からない!
 誰か教えてくれ!!

「「「………………」」」
「可能性でもいい! 思い付いたらなんでも言ってみてくれ!!」
「「「………………」」」
「ケビン、ローク、サック! これだけ居て何も出ないというのか!?」

 こいつらは26、31、32。僕より一回り以上長く生きているというのに!
 使えない奴らだ!!

「もっと頭を使え! お前達は父上の命令で除霊に関しても調べていただろ!? 関係ありそうな知識はないのか!?」
「………………あります」

 ! サックが返事をした。

「全てが解決する方法が、あります」
「なんだって!? ほっ、本当か!? どっ、どうすればいいんだ!?」
「…………馬車を降りていただけたら、おのずと明らかになるでしょう」
「馬車を、降りる? そ、それでいいんだな? やってみよう」

 それくらいでどうにかなるとは思えないが、他に思い付くものがないんだ。やるしかない。
 僕は戸惑いながら扉を開け、馬車を降りて――すぐ……。絶句した。

「…………どうなって、るんだ……?」

 なぜ?
 馬車を降りたら、いつの間にか『おかしくなった人間』が集まっていて……。

「外で聞かせていただきました。ガブリエル様が予想されていた理由で、『ルナ』という嘘は生まれていたのですね」

 イナヤ様が、そんなことを仰ったのだった。


((ガブリエルの、予想……!?))


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