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第12話 泣き終えて
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「もう大丈夫です。たくさん泣いちゃってごめんなさい」
「とんでもないですよ。美月さんの苦しみを知ってからずっと、どうにかしたいなと思っていたんです。ああやってお伝えすることができて、よかったです」
たぶん、10分以上泣いちゃったと思う。その間もずっと傍にいてくれた翔くんは、優しく微笑んでくれました。
「スッキリした美月さんを見られて、僕も嬉しいです。おめでとうございます」
「ありがとうございますっ。翔くん、あの時褒めてくれて、誘ってくれて、本当にありがとうございます!」
翔くんと出会えってなかったら、全部なかったんだもんね。改めてお礼を言わせてもらいました。
「どういたしましで、そして、こちらこそありがとうございます。美月さんのおかげで、『葉月ミア』はとても良いスタートを切れました。今後もよろしくお願いします」
「はいっ。次も頑張りますっ。楽しく、頑張ります!」
わたし達は握手をして、そのあと次の配信について打ち合わせ。今日の配信で候補だったところを早速取り入れられるように相談をして、そのあともうひとつ。
「……あの。お願いがあるんです。聞いてもらえますか?」
「もちろん。なんですか?」
「実は――」
翔くんにあるお願いをして、そうしていたら午後の9時になりかけていたので、今夜はここまで。
「美月さん、また明日。おやすみなさい」
「翔くん、また明日っ。おやすみなさいっ」
翔くんはわざわざウチの玄関まで送ってくれて、ここでバイバイ。わたしは手を振ってお家に入ったのでした。
そうしたら――
「おかえりなさい美月! 配信見たわよっ」
「おかえり、美月。いいものを見せてもらったよ」
お母さんとお父さんが拍手でお出迎えをしてくれて、ふたりにぎゅ~っと抱き締められました。
「楽しんでいるのが伝わってきたわ。すごく良い配信だったと思う」
「そうだね、活き活きしていた。いい人と出会えて、いいものと出会えて、よかったね」
「うんっ。うんっっ。うんっ! それにね、それだけじゃないのっ。嬉しいこともあったしっ、幸せなこともあったんだよ!」
配信中にもらった、『可愛い』のコメント。そのことについて配信後に、翔くんから言ってもらったこと。
それを全部お父さんとお母さんに伝えて――
「だから、あのね」
――お父さんとお母さんに会ったら言おうと決めていたことを、言うことにしました。
「なんだい、美月」「なあに、美月」
「わたしね。ちょっとずつ、外でも声を出していこうと思う」
今までずっとお家の中か車の中でしか話せなくて、翔くんと出会ってからも翔くんのお家の中でしか話せなかった。
でも今日、気付いたから。
広げていこうと、思います。
「一緒にスーパーに行く時とかに、少しずつ、喋れるようにしていこうと思うの。道を歩きながらとか買い物をしながらとか、レジの人とかにペコってお辞儀するだけじゃなくって、『ありがとうございます』って言っていこうと思うの」
「美月……」「美月……」
「最初は緊張すると思うから、お父さんかお母さんだけじゃなくってね、翔くんにもついていってもらって。来週のどこかで、まずはお買い物中に声を出してみようって思う」
さっき打ち合わせのあとにお願いしていたのが、このこと。
お願いしたら翔くんはすぐに、『お付き合いさせてもらいます』って笑顔で言ってくれました。
「インターネットの世界で変われて、分かったことがあるから。そうしようって、そうしても大丈夫なんだって、気が付いたの。久し振りで急に一気にはできないと思うけど、ちょっとずつでもやっていこうって思ってます。だからね、見ていてください」
無理していないよ。わたしは本当に、そうしたいの。
そんな気持ちを伝えて、ニッコリ笑うと――
「美月……!」「美月……!」
――お母さんとお父さんは涙を浮かべながら、もう一回ぎゅ~っと抱き締めてくれたのでした。
わたしの『声』が関わると、いつも心配していたお父さんとお母さん。そんなふたりが心の底から、喜んでくれたのでした……!
翔くん。ミア。ありがとう。
本当に、本当に、ありがとうございます……!
「とんでもないですよ。美月さんの苦しみを知ってからずっと、どうにかしたいなと思っていたんです。ああやってお伝えすることができて、よかったです」
たぶん、10分以上泣いちゃったと思う。その間もずっと傍にいてくれた翔くんは、優しく微笑んでくれました。
「スッキリした美月さんを見られて、僕も嬉しいです。おめでとうございます」
「ありがとうございますっ。翔くん、あの時褒めてくれて、誘ってくれて、本当にありがとうございます!」
翔くんと出会えってなかったら、全部なかったんだもんね。改めてお礼を言わせてもらいました。
「どういたしましで、そして、こちらこそありがとうございます。美月さんのおかげで、『葉月ミア』はとても良いスタートを切れました。今後もよろしくお願いします」
「はいっ。次も頑張りますっ。楽しく、頑張ります!」
わたし達は握手をして、そのあと次の配信について打ち合わせ。今日の配信で候補だったところを早速取り入れられるように相談をして、そのあともうひとつ。
「……あの。お願いがあるんです。聞いてもらえますか?」
「もちろん。なんですか?」
「実は――」
翔くんにあるお願いをして、そうしていたら午後の9時になりかけていたので、今夜はここまで。
「美月さん、また明日。おやすみなさい」
「翔くん、また明日っ。おやすみなさいっ」
翔くんはわざわざウチの玄関まで送ってくれて、ここでバイバイ。わたしは手を振ってお家に入ったのでした。
そうしたら――
「おかえりなさい美月! 配信見たわよっ」
「おかえり、美月。いいものを見せてもらったよ」
お母さんとお父さんが拍手でお出迎えをしてくれて、ふたりにぎゅ~っと抱き締められました。
「楽しんでいるのが伝わってきたわ。すごく良い配信だったと思う」
「そうだね、活き活きしていた。いい人と出会えて、いいものと出会えて、よかったね」
「うんっ。うんっっ。うんっ! それにね、それだけじゃないのっ。嬉しいこともあったしっ、幸せなこともあったんだよ!」
配信中にもらった、『可愛い』のコメント。そのことについて配信後に、翔くんから言ってもらったこと。
それを全部お父さんとお母さんに伝えて――
「だから、あのね」
――お父さんとお母さんに会ったら言おうと決めていたことを、言うことにしました。
「なんだい、美月」「なあに、美月」
「わたしね。ちょっとずつ、外でも声を出していこうと思う」
今までずっとお家の中か車の中でしか話せなくて、翔くんと出会ってからも翔くんのお家の中でしか話せなかった。
でも今日、気付いたから。
広げていこうと、思います。
「一緒にスーパーに行く時とかに、少しずつ、喋れるようにしていこうと思うの。道を歩きながらとか買い物をしながらとか、レジの人とかにペコってお辞儀するだけじゃなくって、『ありがとうございます』って言っていこうと思うの」
「美月……」「美月……」
「最初は緊張すると思うから、お父さんかお母さんだけじゃなくってね、翔くんにもついていってもらって。来週のどこかで、まずはお買い物中に声を出してみようって思う」
さっき打ち合わせのあとにお願いしていたのが、このこと。
お願いしたら翔くんはすぐに、『お付き合いさせてもらいます』って笑顔で言ってくれました。
「インターネットの世界で変われて、分かったことがあるから。そうしようって、そうしても大丈夫なんだって、気が付いたの。久し振りで急に一気にはできないと思うけど、ちょっとずつでもやっていこうって思ってます。だからね、見ていてください」
無理していないよ。わたしは本当に、そうしたいの。
そんな気持ちを伝えて、ニッコリ笑うと――
「美月……!」「美月……!」
――お母さんとお父さんは涙を浮かべながら、もう一回ぎゅ~っと抱き締めてくれたのでした。
わたしの『声』が関わると、いつも心配していたお父さんとお母さん。そんなふたりが心の底から、喜んでくれたのでした……!
翔くん。ミア。ありがとう。
本当に、本当に、ありがとうございます……!
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