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第12話 その後の出来事~サラ&アリーヌside~
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「あの男は、ほんに愚かな人間でしたわね。余計なことしなければ、真実を知らずに終われたのに」
ヘクターとオドレイが強制的に学院を去ってから、およそ1日後の午後6時過ぎ。312号室内では、客人ことアリーヌが嘲笑を浮かべていました。
あのあとサラとアリーヌは駆け付けた治安機関の職員から聴取などを受け、そちらは1時間前に終了。ようやく自由時間ができ、アリーヌは二人きりで落ち着いて話をしたかったため、再びこうして顔を向き合わせていたのです。
「あの女もそう。つまらないことをしなければ、全てを失わずに済んだのに。自業自得、憐れな生き物たちですわ」
アリーヌは、出入り口を――2人が最後に立っていた場所を一瞥し、視線を戻すとその顔からは嘲りの感情が消えていました。
アリーヌの表情がこうなったのは、ヘクターとオドレイに関する話は終わったから。もう嗤う価値すらなく、思い返す時間すら勿体ないという考えがあるためでした。
「さて、これで落ち着いて――前回よりも更にテストに集中した状態で、勝負ができますわね。サラ様、今度こそ負けはしませんわよ?」
歴代の最高得点を、あっさり塗り替えたんだ――。勝負は決まりだ――。ここのテストでこれ以上獲れるはずがない――。ローティシアル様が独走する――。学院内では、そのような声ばかりとなっていました。
ですがアリーヌは、まったくそうは思っていません。
『100点満点である以上、100点を獲れる』
『問題には必ず正解があるのだから、正解を書けば100点を獲れる』
『自分には実現できる』
彼女の中にはそんな揺るぎないものがあるため、ブルーの瞳は真っすぐ前を見ていたのでした。
そして――
「はい。アリーヌ様のお力により、そういった状況になれました。ですので私もまた、より集中できるようになりまして――。今後も、死守を維持してまいります」
――そんな視線を受けたサラも、アリーヌと同じくまったくそうは思っていません。
『100点満点である以上、100点を獲れる』
『問題には必ず正解があるのだから、正解を書けば100点を獲れる』
『ここが限界ではなく、もっと上を目指せる』
『それは、アリーヌ様にも言えること』
『余裕な状況? とんでもありません』
『少しでも気を抜いたら、あっという間に追い抜かれてしまう』
サラの中にはこういった確信があり、気を引き締めつつ、そして感謝の気持ちを戦意へと変換し、真っすぐな視線を送り返したのでした。
「うふふ、それでこそサラ・ローティシアルですわ。……ではサラ様、ごきげんよう」
「はい。アリーヌ様、ごきげんよう」
アリーヌは改めて確認をするために、ここを訪れていました。ですので終わるや立ち上がって早々に部屋を去り、早速2人はデスクへと向かいます。
そして両者ともに、自身の目的を果たすため『日課』を始め――
ヘクターとオドレイが強制的に学院を去ってから、およそ1日後の午後6時過ぎ。312号室内では、客人ことアリーヌが嘲笑を浮かべていました。
あのあとサラとアリーヌは駆け付けた治安機関の職員から聴取などを受け、そちらは1時間前に終了。ようやく自由時間ができ、アリーヌは二人きりで落ち着いて話をしたかったため、再びこうして顔を向き合わせていたのです。
「あの女もそう。つまらないことをしなければ、全てを失わずに済んだのに。自業自得、憐れな生き物たちですわ」
アリーヌは、出入り口を――2人が最後に立っていた場所を一瞥し、視線を戻すとその顔からは嘲りの感情が消えていました。
アリーヌの表情がこうなったのは、ヘクターとオドレイに関する話は終わったから。もう嗤う価値すらなく、思い返す時間すら勿体ないという考えがあるためでした。
「さて、これで落ち着いて――前回よりも更にテストに集中した状態で、勝負ができますわね。サラ様、今度こそ負けはしませんわよ?」
歴代の最高得点を、あっさり塗り替えたんだ――。勝負は決まりだ――。ここのテストでこれ以上獲れるはずがない――。ローティシアル様が独走する――。学院内では、そのような声ばかりとなっていました。
ですがアリーヌは、まったくそうは思っていません。
『100点満点である以上、100点を獲れる』
『問題には必ず正解があるのだから、正解を書けば100点を獲れる』
『自分には実現できる』
彼女の中にはそんな揺るぎないものがあるため、ブルーの瞳は真っすぐ前を見ていたのでした。
そして――
「はい。アリーヌ様のお力により、そういった状況になれました。ですので私もまた、より集中できるようになりまして――。今後も、死守を維持してまいります」
――そんな視線を受けたサラも、アリーヌと同じくまったくそうは思っていません。
『100点満点である以上、100点を獲れる』
『問題には必ず正解があるのだから、正解を書けば100点を獲れる』
『ここが限界ではなく、もっと上を目指せる』
『それは、アリーヌ様にも言えること』
『余裕な状況? とんでもありません』
『少しでも気を抜いたら、あっという間に追い抜かれてしまう』
サラの中にはこういった確信があり、気を引き締めつつ、そして感謝の気持ちを戦意へと変換し、真っすぐな視線を送り返したのでした。
「うふふ、それでこそサラ・ローティシアルですわ。……ではサラ様、ごきげんよう」
「はい。アリーヌ様、ごきげんよう」
アリーヌは改めて確認をするために、ここを訪れていました。ですので終わるや立ち上がって早々に部屋を去り、早速2人はデスクへと向かいます。
そして両者ともに、自身の目的を果たすため『日課』を始め――
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