悪役?令嬢の矜持

柚木ゆず

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第13話 1年~二つの『なぜ』~

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《1位 サラ・ローティシアル 878点/900点
 2位 アリーヌ・サフェタンエス 865点/900点

《1位 サラ・ローティシアル 881点/900点
 2位 アリーヌ・サフェタンエス 870点/900点

《1位 サラ・ローティシアル 883点/900点
 2位 アリーヌ・サフェタンエス 875点/900点

《1位 サラ・ローティシアル 887点/900点
 2位 アリーヌ・サフェタンエス 881点/900点

《1位 サラ・ローティシアル 890点/900点
 2位 アリーヌ・サフェタンエス 888点/900点

 あの日から一年の時が流れ――。その間に5回テストが行われ、掲示板の前ではサラが5回気を引き締め、アリーヌの口からは5回金切り声が飛び出しました。
 そして――

((なぜ、なんですの……?))

 毎回絶叫が終わると、アリーヌは何度も何度も首を傾げていました。

((今回もやっぱり、形容しがたい爽快感がありますわ……。それに……。なんなんですの、この状況は……?))

 アリーヌは毎日授業が終わるとすぐ寮にある自室に戻り、夜遅くまで勉強に励んでいました。そのため点数の上昇は必然的なのですが、その行動はこれまでずっと行ってきたこと。学院入学時から――入学前から彼女は、妥協なく自身を研磨してきました。

 なのにあの日以降、急激に『伸びる』ようになった。
 負け続けはしたものの最高得点を更新し続け、僅か2点差になった。

 どうしてそんなことになっているのか? それを理解することができず、このようになってしまっていたのです。

((……………………気になるけれど、まあいいですわ。ソコに気を取られている暇なんて、ありませんものね))

 卒業までにあるテストは、あと1回。次は最後のチャンスとなっています。
 ですのでアリーヌはかぶりを振って疑問を追い出し、部屋へと直行。いつものようにペンを取り勉強に打ち込み始めたのですが――。

 その後、その日の夜中。ベッドに入ったあと、いつもとは違うことが起きて――
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