婚約破棄をされるのですね? でしたらその代償を払っていただきます

柚木ゆず

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第6話 17年 ~選択と再会~ クリストフ視点(4)

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「クリストフ。これからアナタを待っているのは、地獄のような時間よ。ボロ雑巾みたいになるまでた~っぷりと可愛がってあげるから、楽しんで頂戴ねぇ」

 ベル曰く……。早く死にたいと思うようになることに、なってしまうらしい……。
 おもわずゾッとする舌なめずりとそんな言葉を聞き、俺は怯え――はしない。それとは正反対の感情、激しい怒りの炎が上がっていた。

((ふざけるなよ!! こんなヤツに殺されてたまるか!!))

 自分も加害者のくせに被害者面をして、フルールのせいで気持ちが揺れていただけの俺に――唯一の被害者・・・・・・に八つ当たりをするようなクソ女に……!! 殺されてしまうだなんて、あっていいことじゃない!!

((…………ああ、そうだ。そうだとも。認めようじゃないか))

 今の俺はあの頃とは違い、『凡人』だ。なにも持ってはいないから、お前や3人に怒りをぶつけることはできない。勝利することはできない。

((だがな。だかなぁ……!))

 引き分けに持ち込むことくらいはできる!!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 俺は振り向きざまに、携えていた小さなバッグを――出所の餞別が入った袋を、その方向にいた男に投げつける。そして飛んでゆくバッグを追いかけるように全力で駆け、

「ぐああっ!?」
「よし――しまっ!? ぐううううううっ‼ ぅおおおおおおおおおお!!))

 横を通り抜ける際に髪を掴まれてしまったものの、その部分を犠牲にすることで脱出。咄嗟の機転と憎悪によって、俺は窮地を脱した。

「まっ、待ちなさい!! まてっ!! 待てクリストフううううううううううう!!」
「ははっ、甘いんだよゴミ女ぁ!! お前は俺を怒らせ、絶好の機会を逃してしまった! いつか必ず報いを受けさせるっ! 覚悟しておけよお!!」

 3人の男が慌てて追いかけてくるが、激しい怒りが更に俺を躍動させる。
 久しぶりの全力疾走なのに手足は軽やかに動き、おまけにまったく疲れない。まるで無限のスタミナを得たかの如く疾走を続け――ついには、完全に撒いたのだった!!

「やった、やったぞ……! これで、捕まることはなくなった」

 じゃあ、次は……!
 これから俺は……!!

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