お前なんかに会いにくることは二度とない。そう言って去った元婚約者が、1年後に泣き付いてきました

柚木ゆず

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第12話 終わりの始まり ファスティーヌ視点(4)

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「それはあまりに荒唐無稽ゆえに、当時は信じることができませんでした。そして貴方がたが用心深く動いていたことで、会頭に関する点でも疑問を抱いてはおりませんでした。ですが――。あのような金の動きがあり、この慌てよう。それらによって、ようやく信じることができたのですよ」

 そんな……。
 わたくし達が、必死になってしまったせいで……。気付かれて、しまった……。

「どうやらこの液体は、相当に危険な物のようですね。機関に渡し、しっかりと成分を調べてみる必要があり――」
「その必要はない!! それは単なる化粧水だ!! 返せっ! 返せっっ!! かえせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――ぐあっ!?」

 お父様は傍にあったフォークを握って証拠の隠滅を局長への突進を試み、他の局員によって簡単に組み伏せられてしまった。
 だ、駄目……。奪い返して捨てることは……。無理……。

「当主殿。わたしは先ほど、『妨害などを行った場合は』とも申し上げました。こちらは殺人未遂や証拠隠滅未遂を含む妨害の行動ですので、おめでとうございます。不名誉が大量に増えましたね」
「くそっ……っ! 俺は侯爵だぞ!? 離せっ!! 離せっっ!!」
「貴族も平民も、関係はない。罪を犯せば等しく、単なる愚かな罪人ですよ。……部下たちロイエス、ギレム。この男を外へ出してくれ」

 そうしてお父様は捕縛され、食堂から連れ出されてしまって……。

「さて、次は貴方の番ですよ。ファスティーヌ殿」

 次は、わたくしの番……。この場に居る全員の目が、こちらに注がれるようになった……。

「極力、手荒な真似は行いたくありません。すみやかに――」
「あっ、ありがとうございます!! 皆様のおかげでやっとっ、お父様から解放されましたわ!!」

 だからっ。わたくしは大急ぎで大粒の涙を流し、局員たちに感謝を繰り返し始めた!
 どうやっても悲劇・・は防げないんですもの! わたくしも被害者となって、少しでも減刑させますわ……っ。

「お父様はお母様の形見を壊すと脅し、わたくしを使って商会を乗っ取ろうとしていましたの……っ。協力は悪いことで、行いたくはなかったのですが……。形見を盾にされていましたので……。逆らえなかったのですわ……!!」
「そう、だったのですか。……なるほど。本日鼻歌混じりで馬車に乗り込まれていたのも、その影響だったのですね」
「ええ、そうなんですのっ! 本日の鼻歌も――え……。はな、うた……?」

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