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第2話 24時間後 フェリックス様は、あたしを好きになって――? あれ……? ローズ視点&俯瞰視点(3)
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「そういえば……っ。もしかして、あの部分に注意事項が書いてあったのかも」
ベッドの上で改めて考え始めて、たったの2分後っ。ピンと閃き、あたしはデスクに隠している古いボロボロの本――魅了の魔法について書かれている本を、取り出した。
「この、魅了の方法が書いてる最後のページ。その一番下の方が、文字が擦れて読めなくなってるんだよね……」
『以上が全行程となり、魅了が完了となります』。そう書いてある、次の行。そこが経年劣化というやつで、どうやっても読めなかった。
解きたくなった場合の解除の方法とか、月光の当て方などなど。重要な注意事項は先に書いてあったから、無視してもいいと思ってたけど……。多分ココにも、重要な何かが書かれてたんだ。
「上手くいかなかった理由は、ここにありそう。……どうにかして、一部だけでも読めないかな……?」
パパの部屋から虫眼鏡を借りてきて、擦れた部分に目を凝らしてみる。
前見た時はすぐに無理って思って諦めて、虫眼鏡は使わなかった。だから、コレを使えばきっといけるっ!
「必死になって希少な薬草とか蛇の抜け殻とかを準備をしたのに、失敗なんてありえないっ。それに今はスッキリしてて心にも余裕がある。絶対にうまくいくっ!」
そんな予想は、ばっちり的中っ。かすれた部分の――消えていた行の、たぶん半ばだと思う。そこに、『触り方』とあるのが分かった。
「やっぱり、こっちにも注意事項があったんだっ。触り方ってことは…………………………っっ! またピンときたっ!」
きっとソコにあったのは、触り方に関する注意と補足。しっかり触っていないと、効果が薄くなっちゃうんだと思う。
「あの時は確かにピンクのハートマークが浮かんで、今日馬車から降りた時は真っ先にあたしを見ていた。やけに優しい目で見てきてた! 額に触れる時は不自然にならないようにさり気なくしてたから、うんっ。これが正解っ!」
魅了の効き目が、弱かった。それがあの原因っ!
「だとしたら、やり直せばいい。この魅了の魔法は失敗したらやり直しOKだったし、確か3つ前のページに……………………あったあったっ!」
何らかの理由で失敗した場合は、不備があったところから再開すればいい。そうある。
だから、『しっかり触って呪文を唱える』。こうすれば、今度こそフェリックス様があたしのものになる!
「ふふふっ、だったらすぐに出来ちゃう。……姉さん、待っててね? これから、あの人を奪いに行くから」
今は気分が良いので、ぬいぐるみを優しくナデナデ。もうすぐ泣きべそをかく姉さんをかわいがって、2人がいる中庭へと向かったのでしたっ。
〇〇〇
そうして意気揚々と歩きだしたローズでしたが、その判断は大間違い。実際に記されていた内容は《触り方に指定はありません》で、しっかり触るは無関係でした。
ではなぜ、魅了されているフェリックスはサーラと一緒にいるのでしょうか?
解く方法は、使用者による解除のみ――解けていないのに、ローズを求めていない理由。どうやらそれは、昨夜の出来事が関係しているようです。
魅了された日の夜、彼に何があったのでしょうか……?
ベッドの上で改めて考え始めて、たったの2分後っ。ピンと閃き、あたしはデスクに隠している古いボロボロの本――魅了の魔法について書かれている本を、取り出した。
「この、魅了の方法が書いてる最後のページ。その一番下の方が、文字が擦れて読めなくなってるんだよね……」
『以上が全行程となり、魅了が完了となります』。そう書いてある、次の行。そこが経年劣化というやつで、どうやっても読めなかった。
解きたくなった場合の解除の方法とか、月光の当て方などなど。重要な注意事項は先に書いてあったから、無視してもいいと思ってたけど……。多分ココにも、重要な何かが書かれてたんだ。
「上手くいかなかった理由は、ここにありそう。……どうにかして、一部だけでも読めないかな……?」
パパの部屋から虫眼鏡を借りてきて、擦れた部分に目を凝らしてみる。
前見た時はすぐに無理って思って諦めて、虫眼鏡は使わなかった。だから、コレを使えばきっといけるっ!
「必死になって希少な薬草とか蛇の抜け殻とかを準備をしたのに、失敗なんてありえないっ。それに今はスッキリしてて心にも余裕がある。絶対にうまくいくっ!」
そんな予想は、ばっちり的中っ。かすれた部分の――消えていた行の、たぶん半ばだと思う。そこに、『触り方』とあるのが分かった。
「やっぱり、こっちにも注意事項があったんだっ。触り方ってことは…………………………っっ! またピンときたっ!」
きっとソコにあったのは、触り方に関する注意と補足。しっかり触っていないと、効果が薄くなっちゃうんだと思う。
「あの時は確かにピンクのハートマークが浮かんで、今日馬車から降りた時は真っ先にあたしを見ていた。やけに優しい目で見てきてた! 額に触れる時は不自然にならないようにさり気なくしてたから、うんっ。これが正解っ!」
魅了の効き目が、弱かった。それがあの原因っ!
「だとしたら、やり直せばいい。この魅了の魔法は失敗したらやり直しOKだったし、確か3つ前のページに……………………あったあったっ!」
何らかの理由で失敗した場合は、不備があったところから再開すればいい。そうある。
だから、『しっかり触って呪文を唱える』。こうすれば、今度こそフェリックス様があたしのものになる!
「ふふふっ、だったらすぐに出来ちゃう。……姉さん、待っててね? これから、あの人を奪いに行くから」
今は気分が良いので、ぬいぐるみを優しくナデナデ。もうすぐ泣きべそをかく姉さんをかわいがって、2人がいる中庭へと向かったのでしたっ。
〇〇〇
そうして意気揚々と歩きだしたローズでしたが、その判断は大間違い。実際に記されていた内容は《触り方に指定はありません》で、しっかり触るは無関係でした。
ではなぜ、魅了されているフェリックスはサーラと一緒にいるのでしょうか?
解く方法は、使用者による解除のみ――解けていないのに、ローズを求めていない理由。どうやらそれは、昨夜の出来事が関係しているようです。
魅了された日の夜、彼に何があったのでしょうか……?
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