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第2話 24時間後 フェリックス様は、あたしを好きになって――? あれ……? ローズ視点(2)
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「フェリックスさん……っ。素敵なご挨拶、ありがとうございます……っ」
「喜んでくれて嬉しいよ。今日はお招きいただき、感謝します」
右手の甲に触れて幸せそうに赤面する姉さんと、嬉しそうに頬を緩めるフェリックス様。そんな2人をあたしは、唖然となって見つめていた。
((あたしを好きになっていなくて、姉さんとは現状維持……!? どうなってるの……!?))
魅了したのに、全然違うコトが起きちゃってる! なんなのコレ!?
((も、もしかして……。あの魔法、失敗してる……?))
あの古い本に書いてた内容は、全部嘘だった?
あれは、誰かのイタズラ。隣国の商人に騙されて、変な本を掴まされたの……!?
((ううん、それはないっ。だって、目に成功の証が出てたんだもん!))
ピンク色の、ハートマーク。あれが確かに浮かんでた。
普通に生活していたら、あんなもの表れはしない。あの魔法は本物で、魅了は確実に成功してる。
(だったら……。間違って、姉さんを好きになるようにしちゃった……?)」
ううん、そっちもない。ぜったいにない。
魅了された人が好きになるのは、粉末にした爪が生えてた人&触れながら呪文を唱えた人。あの爪は姉さんのじゃないし、姉さんが触ってもいないから、それはあり得ない。
((じゃあ、なんで……? フェリックス様はこんな風になってるの……?))
意味不明! ワケわかんないっ!
ああもうっ、イライラする! なんなのよっ! せっかく目の前で奪い取れると思ってたのに、こんな状況になるなんて――
「ローズ? 目を血走らせてどうしたの?」
「この異常な血走り具合は、結膜炎の前触れかもしれないな。ローズ、お医者様に診てもらってはどうだい?」
――ああもうっ! 人が心の中で喋ってるのに邪魔するなっ!
どうしたの、じゃないわよ!! アンタの隣にいる『結膜炎の前触れかもしれないな』とか言ってる人のせいでカ~ッとなってるのよ!!
「処置が遅れて悪化したら、大変ですよね。ローズ、診てもらった方がいいよ」
「ウチの行きつけの病院なら、ある程度の融通が利く。話を通しておこう」
「いっ、いえ大丈夫ですっ。姉さんも、心配しないでっ。ふとついっ、むかし腹が立ったことを思い出してしまっただけなのっ! 空にある雲の形がその時の雲とそっくりで、思い出してしまっただけなんですよっ!」
「そ、そうなの?」「そうなのかい?」
「そっ、そうなのっ、そうなんですっ。あっ、そうだっ! 用事を思い出しましたっ。姉さん、フェリックス様っ。あたし、自分の部屋に戻ってますっっ!」
この場にいたら落ち着いて考えられないから、ペコリとお辞儀。認めたくないけど一時的に撤退をして、落ち着いて考えられる場所――。ベッドの上に移動して、この異常事態について考え始めたのだった。
「喜んでくれて嬉しいよ。今日はお招きいただき、感謝します」
右手の甲に触れて幸せそうに赤面する姉さんと、嬉しそうに頬を緩めるフェリックス様。そんな2人をあたしは、唖然となって見つめていた。
((あたしを好きになっていなくて、姉さんとは現状維持……!? どうなってるの……!?))
魅了したのに、全然違うコトが起きちゃってる! なんなのコレ!?
((も、もしかして……。あの魔法、失敗してる……?))
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あれは、誰かのイタズラ。隣国の商人に騙されて、変な本を掴まされたの……!?
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(だったら……。間違って、姉さんを好きになるようにしちゃった……?)」
ううん、そっちもない。ぜったいにない。
魅了された人が好きになるのは、粉末にした爪が生えてた人&触れながら呪文を唱えた人。あの爪は姉さんのじゃないし、姉さんが触ってもいないから、それはあり得ない。
((じゃあ、なんで……? フェリックス様はこんな風になってるの……?))
意味不明! ワケわかんないっ!
ああもうっ、イライラする! なんなのよっ! せっかく目の前で奪い取れると思ってたのに、こんな状況になるなんて――
「ローズ? 目を血走らせてどうしたの?」
「この異常な血走り具合は、結膜炎の前触れかもしれないな。ローズ、お医者様に診てもらってはどうだい?」
――ああもうっ! 人が心の中で喋ってるのに邪魔するなっ!
どうしたの、じゃないわよ!! アンタの隣にいる『結膜炎の前触れかもしれないな』とか言ってる人のせいでカ~ッとなってるのよ!!
「処置が遅れて悪化したら、大変ですよね。ローズ、診てもらった方がいいよ」
「ウチの行きつけの病院なら、ある程度の融通が利く。話を通しておこう」
「いっ、いえ大丈夫ですっ。姉さんも、心配しないでっ。ふとついっ、むかし腹が立ったことを思い出してしまっただけなのっ! 空にある雲の形がその時の雲とそっくりで、思い出してしまっただけなんですよっ!」
「そ、そうなの?」「そうなのかい?」
「そっ、そうなのっ、そうなんですっ。あっ、そうだっ! 用事を思い出しましたっ。姉さん、フェリックス様っ。あたし、自分の部屋に戻ってますっっ!」
この場にいたら落ち着いて考えられないから、ペコリとお辞儀。認めたくないけど一時的に撤退をして、落ち着いて考えられる場所――。ベッドの上に移動して、この異常事態について考え始めたのだった。
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