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プロローグ ルーラ・ミラファンス視点
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私ルーラには、婚約者がいます。
その人のお名前は、ナタン・ベルフレイク様。この国『ベルランドラ』の第一王子であり、王太子であらせられる御方です。
「殿下、お初にお目にかかります。ルーラと申します」
「俺は、ナタンだ。よろしくな、ルーラ」
我がミラファンス家は筆頭公爵家であり、私は様々な分野で同世代トップの成績を収めていました。そのため今から、およそ9年前に――私が8歳、ナタン様が9歳の時に、陛下の命によって婚約を結びました。
そうして私は王太子妃教育を受け始め、公私共にナタン様のパートナー――であり、ナタン様の『採点係』となったのです。
「お父様、陛下、妃殿下? 秘密のお話とは、なんなのでしょうか?」
「うむ。ルーラ、お前には一つ行ってもらいたいことがあるのだよ」
「いずれ我々には、明かさぬ一面も生まれるだろう。故にあやつの言動を傍で確認し、王に相応しい内面が育っているのかをつど報告してもらいたいのだ」
こちらはごく一部の関係者にのみ知らされているものだったのですが、この国では王太子妃となった者に――現王が認めた者に、いくつかの役割であり特権が与えられます。こちらはその中の一つで、その時より私は100点満点方式でナタン殿下を評価してゆくこととなりました。
((殿下は現在、なにも問題がありません。王太子、王に相応しい方ですね))
当時のナタン殿下は立派な方で、何一つ問題はありませんでした。
しかしながら――
「はぁ、めんどくさい。なんでこんなにも勉強しなくちゃいけないんだよ」
「今日はイライラしてたから、カインを突き飛ばしてやったんだよ。あの泣き顔は最高で、ルーラにも見せてやりたかったな」
――必要な授業を真剣に受けない時が増えたり、第二王子殿下でストレスを発散され始めたり、このように愚かなことを楽しげに自慢げに語られたり。成長するにつれて、ナタン殿下は公私共に問題点が表れ始めました。
((……陛下と妃殿下の懸念が、的中してしまいましたね))
殿下は、両陛下――ご両親の前では真面目な人格者を装っていますが、実態は真逆。陛下や妃殿下の教えや指摘は右耳から左耳へと通り抜けてしまいますし、私が何度やんわり指摘を行っても聞く耳を持ちません。それどころか『うるさいぞルーラ!』『お前は黙っていろ!』『俺は偉大な王太子殿下なんだぞ!』などと仰られるようになり、時間に比例して『問題児』となってしまいました。
((……ナタン殿下は来月で、18歳になられる。次が、最後のチャンスですね))
この国では18の誕生日に『判定』が行われ、私が『不合格』と判断すれば殿下は王太子という肩書を失ってしまうことになります。
現在の点数は100点中10点で、合格点には程遠いのですが――。あの頃、初めて出会った頃は今と違い、優越感に浸ることもおごることもありませんでした。
((そんな心を取り戻すことができたら、やり直せるかもしれませんね))
いくらご自身の責任だとはいえ、深いかかわりのある方がそんな風になってしまうのは悲しいことです。ですので私は今日お会いする際に、とある言葉をお伝えすることにしました。
ナタン殿下はその際に、どういった反応をされるのでしょうか……?
その人のお名前は、ナタン・ベルフレイク様。この国『ベルランドラ』の第一王子であり、王太子であらせられる御方です。
「殿下、お初にお目にかかります。ルーラと申します」
「俺は、ナタンだ。よろしくな、ルーラ」
我がミラファンス家は筆頭公爵家であり、私は様々な分野で同世代トップの成績を収めていました。そのため今から、およそ9年前に――私が8歳、ナタン様が9歳の時に、陛下の命によって婚約を結びました。
そうして私は王太子妃教育を受け始め、公私共にナタン様のパートナー――であり、ナタン様の『採点係』となったのです。
「お父様、陛下、妃殿下? 秘密のお話とは、なんなのでしょうか?」
「うむ。ルーラ、お前には一つ行ってもらいたいことがあるのだよ」
「いずれ我々には、明かさぬ一面も生まれるだろう。故にあやつの言動を傍で確認し、王に相応しい内面が育っているのかをつど報告してもらいたいのだ」
こちらはごく一部の関係者にのみ知らされているものだったのですが、この国では王太子妃となった者に――現王が認めた者に、いくつかの役割であり特権が与えられます。こちらはその中の一つで、その時より私は100点満点方式でナタン殿下を評価してゆくこととなりました。
((殿下は現在、なにも問題がありません。王太子、王に相応しい方ですね))
当時のナタン殿下は立派な方で、何一つ問題はありませんでした。
しかしながら――
「はぁ、めんどくさい。なんでこんなにも勉強しなくちゃいけないんだよ」
「今日はイライラしてたから、カインを突き飛ばしてやったんだよ。あの泣き顔は最高で、ルーラにも見せてやりたかったな」
――必要な授業を真剣に受けない時が増えたり、第二王子殿下でストレスを発散され始めたり、このように愚かなことを楽しげに自慢げに語られたり。成長するにつれて、ナタン殿下は公私共に問題点が表れ始めました。
((……陛下と妃殿下の懸念が、的中してしまいましたね))
殿下は、両陛下――ご両親の前では真面目な人格者を装っていますが、実態は真逆。陛下や妃殿下の教えや指摘は右耳から左耳へと通り抜けてしまいますし、私が何度やんわり指摘を行っても聞く耳を持ちません。それどころか『うるさいぞルーラ!』『お前は黙っていろ!』『俺は偉大な王太子殿下なんだぞ!』などと仰られるようになり、時間に比例して『問題児』となってしまいました。
((……ナタン殿下は来月で、18歳になられる。次が、最後のチャンスですね))
この国では18の誕生日に『判定』が行われ、私が『不合格』と判断すれば殿下は王太子という肩書を失ってしまうことになります。
現在の点数は100点中10点で、合格点には程遠いのですが――。あの頃、初めて出会った頃は今と違い、優越感に浸ることもおごることもありませんでした。
((そんな心を取り戻すことができたら、やり直せるかもしれませんね))
いくらご自身の責任だとはいえ、深いかかわりのある方がそんな風になってしまうのは悲しいことです。ですので私は今日お会いする際に、とある言葉をお伝えすることにしました。
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