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第1話 大嫌いな女 ナタン視点(1)
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俺には、嫌いな人間と大嫌いな人間がいる。
まず――嫌いな人間は、父アデムと母アリヤだ。
父上母上はとにかく、うるさい。『王は民の希望であれ』や『王は常に民を第一とせよ』などなどおかしなことを繰り返し、そうあらせようとするのだ。
((冗談じゃない。俺だって一人の人間なんだぞ? なんで他人のためにそこまでしなきゃいけないんだよ))
せっかく王家に生まれて、しかもこんな最高のポジションに居るんだ。あるのもは全て、自分のために使わないと勿体ないだろ。
((だから俺は、『民第一』で動くつもりはない))
大人しくしておかないと色々と面倒だから、王となるまでは従順な息子を演じておくが――。王になってしまえば、こっちのもの。
いずれはヤツらは今の力を失い口出しをできなくなるんだから、思うところは多々あるものの、父上と母上は『嫌いな人間』止まりなのだ。
((……いつもうるさく、鬱陶しい二人。それら以上に鬱陶しく、大嫌いなのは――))
「殿下。本日は大事なお話がございます」
いま目の前にいる女、ルーラ・ミラファンス。俺の婚約者だ。
『はぁ、めんどくさい。なんでこんなにも勉強しなくちゃいけないんだよ』
『殿下はいずれ、国を背負い民を引っ張ってゆかれる方ですので。多くの知識が必要なのだと思います。一緒に頑張りましょう』
『今日はイライラしてたから、カインを突き飛ばしてやったんだよ。あの泣き顔は最高で、ルーラにも見せてやりたかったな』
『殿下、そういったことはよろしくありません。ただちにおやめください』
『なっ! 生意気だぞルーラ!!』
『そちらに関する貴方様の言動は、間違っているのだと確信しております。……お願いを聞いていただけないようでしたら、陛下妃殿下のご協力を仰ぐことになりますよ』
コイツは昔から、ことあるごとにこういうことを言ってくる。
適材適所で、国の操縦は宰相などに任せておけばいい。王はカリスマ性さえあればいいというのに、コレ。
せっかく、面白い光景をヤツにも見せてやろうって言っていたのに。コレ。
ルーラはこんなことばかりする空気を読めない女で、だから一緒にいて面白くない女。それに――
((俺が王になったら、コイツは王妃となる))
この国では王妃は王とほぼ同等の力を持っていて、父上達と違って王になったあとも排除できない相手。なので『大嫌いな人間』で、なんとかして婚約を解消できないかと考えていた。
けれどそんな方法があるはずもなく、俺は仕方なく『我慢』をすることにした。何を言われても怒鳴る程度で耐えてやっていた、のだが――。
((………………どうやらそれも、今日までのようだな))
ヤツが口にした『大事な話』を聞いて、我慢の限界になった。『大嫌い女』どころではなく、『忌々しい女』となったのだった。
なんと、コイツは――。未来の国王陛下に向かって、こんなことを言い放ったのだ。
「殿下、貴方様は驕りたかぶられています。そのままですと近い未来、身を滅ぼしてしまうことになってしまいますよ」
まず――嫌いな人間は、父アデムと母アリヤだ。
父上母上はとにかく、うるさい。『王は民の希望であれ』や『王は常に民を第一とせよ』などなどおかしなことを繰り返し、そうあらせようとするのだ。
((冗談じゃない。俺だって一人の人間なんだぞ? なんで他人のためにそこまでしなきゃいけないんだよ))
せっかく王家に生まれて、しかもこんな最高のポジションに居るんだ。あるのもは全て、自分のために使わないと勿体ないだろ。
((だから俺は、『民第一』で動くつもりはない))
大人しくしておかないと色々と面倒だから、王となるまでは従順な息子を演じておくが――。王になってしまえば、こっちのもの。
いずれはヤツらは今の力を失い口出しをできなくなるんだから、思うところは多々あるものの、父上と母上は『嫌いな人間』止まりなのだ。
((……いつもうるさく、鬱陶しい二人。それら以上に鬱陶しく、大嫌いなのは――))
「殿下。本日は大事なお話がございます」
いま目の前にいる女、ルーラ・ミラファンス。俺の婚約者だ。
『はぁ、めんどくさい。なんでこんなにも勉強しなくちゃいけないんだよ』
『殿下はいずれ、国を背負い民を引っ張ってゆかれる方ですので。多くの知識が必要なのだと思います。一緒に頑張りましょう』
『今日はイライラしてたから、カインを突き飛ばしてやったんだよ。あの泣き顔は最高で、ルーラにも見せてやりたかったな』
『殿下、そういったことはよろしくありません。ただちにおやめください』
『なっ! 生意気だぞルーラ!!』
『そちらに関する貴方様の言動は、間違っているのだと確信しております。……お願いを聞いていただけないようでしたら、陛下妃殿下のご協力を仰ぐことになりますよ』
コイツは昔から、ことあるごとにこういうことを言ってくる。
適材適所で、国の操縦は宰相などに任せておけばいい。王はカリスマ性さえあればいいというのに、コレ。
せっかく、面白い光景をヤツにも見せてやろうって言っていたのに。コレ。
ルーラはこんなことばかりする空気を読めない女で、だから一緒にいて面白くない女。それに――
((俺が王になったら、コイツは王妃となる))
この国では王妃は王とほぼ同等の力を持っていて、父上達と違って王になったあとも排除できない相手。なので『大嫌いな人間』で、なんとかして婚約を解消できないかと考えていた。
けれどそんな方法があるはずもなく、俺は仕方なく『我慢』をすることにした。何を言われても怒鳴る程度で耐えてやっていた、のだが――。
((………………どうやらそれも、今日までのようだな))
ヤツが口にした『大事な話』を聞いて、我慢の限界になった。『大嫌い女』どころではなく、『忌々しい女』となったのだった。
なんと、コイツは――。未来の国王陛下に向かって、こんなことを言い放ったのだ。
「殿下、貴方様は驕りたかぶられています。そのままですと近い未来、身を滅ぼしてしまうことになってしまいますよ」
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