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第12話 逆監視5日目 監視前(エリーナの告白) (2)
しおりを挟む「ミウヴァ様は、皆のためにそうなった。お父さんとお母さんは、ミウヴァ様のためにそう判断した。神殿のお2人だって、それが良かれと思ってそうしていた。根底は、そうっスよね?」
「「「は、はい……」」」
「ならそこには思い遣りしかなくって、これは想い合った結果のすれ違いっス。全員がしっかり相手を想ってたんスから、『そうだったんだね』『気付かなくてごめん』『どうもありがとう』、でいいじゃないっスか」
ラズフ様は私達全員を見渡し、「ねっ?」と首を傾けます。
「反省とか後悔とかって大事と思うんスけど、それはケースバイケースってやつっスよ。そういう気持ちは今後のエネルギーに換えて、その分これから皆さんで色々とやってけばいいんスよ」
「「「…………」」」
「全員が同じ場所に立っているなら、挽回はいくらでも可能っス。大丈夫っスよ」
「……………………そう、ですね。仰る通りです」
ええ。そうですね
「「はい。その通りでございます」」
次は順番にではなく揃って、横ではなく縦に首を動かします。
ラズフ様の、言う通りです。さっきまで私がやっていたこと、これも間違い。アレは、無理やり決めるようなものではありませんでした。
「……お父様、お母様、ミーシャ様、サニア様。皆様のお気持ちを、ようやくちゃんと理解できました。ありがとうございます。これからは、よろしくお願い致します」
こっちこそ。想ってくれて、ありがとうございました。これから#は__・__#、何かと行動させてもらうよ(もらうわ)
「「こちらこそ、ありがとうございました。これからは、本当の意味で支えさせていただきますね」」
私達は改めてお議事をし合い、微笑み合います。
さっきまでまたすれ違っていたのに、今はみんな一つ。また、ラズフ様に助けていただきました。
「「「ラズフ様(さん)(殿)。ありがとうございます」」」
「俺はただ、見たままのことを口にしただけっス。こういう場合は外からの方がハッキリと見えるっスし、全然大した行動じゃないっスよ」
今度は我が事のようにはにかんでいたラズフ様が首を左右に振って、そのあとパチリとウィンク。「ではではお四方のお話が終わったんで、お次は俺の番っスね。重大発表をさせてもらうっスよ!」と仰られました。
そういえばこの部屋にいらっしゃった直後に、そう口にされていましたね。重大な発表とは、なんなのでしょう……?
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