格上の言うことには、従わなければならないのですか? でしたら、わたしの言うことに従っていただきましょう

柚木ゆず

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第5話 4日後~その後のリエズン一家~ 俯瞰視点

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「父上、母上。我々貴族は、民を導き護るための存在。これからは民を第一に考えましょう!」
「うむ、その通りだ! これまで我々は、表向きでしか真っ当な活動を行っていなかった。これからは本心で、民を想い動いてゆこう!」
「宝石や絵画、こんなものは不要! 領民の笑顔さえあれば、他にはなにも要らないわっっ! すべて売り払い、皆さんに還元してゆきましょう!」

 レンザ―子爵家邸にてバチスタが拘束された日から、4日後。再教育を終えた息子・バチスタ、父・ポール、母ガーレットが戻ったリエズン侯爵家邸では、親子3人がせっせと嗜好品や調度品を運び出していました。

 今の3人は、あの頃の3人ではありません。
 その言葉はどれもが、心からの言葉。民の幸せこそが、何よりの幸せだと感じています。

 そのため彼らは指輪、アクセサリー、自慢のシャンデリア、隣国から取り寄せたワインや葉巻などなど。自身が『贅沢』だと感じたものを売却し、そうして得たもの全てを民に注ぎ始めました。

「よし、これで孤児院を設立できる。……だがまだまだですね、父上母上」
「貧困層への支援、税、雇用状況の改善などなど。我々が見て見ぬふりをしていた部分が、多く残っているな」
「ええ。バチスタ、あなた。ここはゴールではなく、まだ通過点に過ぎないわ。引き続き、領民のために活動を続けましょう」

 今日も3人は、大きなことを一つ成し遂げました。ですがまったく満足しておらず、この日の行動を誇ることもしません。

 ――自分達は駄目な領主だった――。

 そう繰り返し、その後も嬉々として民の為に東奔西走。わが身を削って、とにかく領地の発展に尽くします。
 そのため時間に比例して領民の生活は良いものへと姿を変えてゆき、

「りょーしゅ様、バチスタさま、ガーレットさまっ。いつもありがとうございますっ!」
「はっはっは、当然のことさ。ねっ、父上母上っ!」
「うむ、うむ! 民を想う、至極当然だ!」
「民あっての、わたくし達ですもの。こんな日々がいつまでも続くことを、約束するわ!」

 やがては、このように――。理想的な3人と民の間には理想的な関係が生まれ、人格者が率いる楽園のような領地が誕生したのでした――。

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