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第二章
何が不思議なんだろう
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「なんだ、靴が一つ多いと思ったら新入部員か?」
紫藤さんにドキドキしていたら、突然背後から声が聞こえてきてびっくりして振り返った。
振り返って……。
噂は嘘じゃなかったと改めて確信した。
だって、顧問と思しき人と上級生が2人で入ってきたんだけど、2人ともやっぱりカッコイイ。
平凡なのは僕だけだ……。
あ、そうだ! 挨拶しなきゃ!
「あのっ、お世話になります! 僕、一年の鹿倉歩です。よろしくお願いします!」
勢いよく立ってぺこりと挨拶をして顔を上げた。
「おー、今度はちゃんとした子だな。俺は三年の桐ケ谷要だ。よろしく」
「一応顧問の水樹だ。……ここの活動はかなり緩いから、みんなで仲良くやってくれ」
「はいっ」
「で? ……もしかして、礼人が連れて来たのか?」
「そうですよ。よくわかりましたね」
「いや、だってお前、隣に座ってるだろ。……まあ、お前が連れてきた子なら間違いないだろ。ちゃんと面倒見てやれよ」
「ういっす。ホラ、もういいぞ座れよ」
「あっ、はい」
思わず突っ立ったままになっていた僕に気が付いた紫藤さんが、ポンポンと畳を叩いて座るように促してくれた。
元々読書同好会に入りたいと思っていたこともあって、紫藤さんに誘われるまま何も考えずに同好会に入っちゃったけど……、やっぱり何となく浮いてるよな。
イケメンぞろいの中に平凡1人。
はあっ……。
チラリと他の人たちを見てみると、後から来た桐ケ谷先輩は水樹先生に勉強を教えてもらっているようだった。
そして白石先輩と黒田先輩は互いに別の本を読んでいるんだけど、時々どちらかが話しかけたり相手の本を覗き込んだりと、何とも仲睦まじさが窺える。
そして強面の東郷先輩と可愛らしい千佳先輩は、人の目なんてお構いなしにべったりとくっ付いている。
「…………」
で、紫藤さんだけフリー……。
あれ?
紫藤さんだけ……?
てことは、もしかして桐ケ谷先輩と水樹先生も……?
くるんともう一度桐ケ谷先輩たちを見ると、何となくだけど……、そんな雰囲気があるような気がする。
……紫藤さんには、好きな人とかいないんだろうか。
あんなにモテるんだから、それこそその気になればいつでも恋人なんてできちゃいそうだけど。
そっと紫藤さんを窺ってみる。
端正な横顔に長い睫毛。
さらさらと額を覆うピンクバイオレットの艶やかな髪。
一見僕みたいな平凡なんて、相手にもしてくれなさそうな風貌なのに……。
「……なに、どうした?」
「あっ、いえっ」
いけない、いけない。
ついジッと見てしまってた。
慌てて本に目を落とすと横から手が伸びてきて、頭をグリグリとされた。
「……不思議だなあ、お前」
「え?」
何が?と思って紫藤さんを見上げたんだけど、紫藤さんはただ笑うだけで、その言葉の意味を教えてはくれなかった。
紫藤さんにドキドキしていたら、突然背後から声が聞こえてきてびっくりして振り返った。
振り返って……。
噂は嘘じゃなかったと改めて確信した。
だって、顧問と思しき人と上級生が2人で入ってきたんだけど、2人ともやっぱりカッコイイ。
平凡なのは僕だけだ……。
あ、そうだ! 挨拶しなきゃ!
「あのっ、お世話になります! 僕、一年の鹿倉歩です。よろしくお願いします!」
勢いよく立ってぺこりと挨拶をして顔を上げた。
「おー、今度はちゃんとした子だな。俺は三年の桐ケ谷要だ。よろしく」
「一応顧問の水樹だ。……ここの活動はかなり緩いから、みんなで仲良くやってくれ」
「はいっ」
「で? ……もしかして、礼人が連れて来たのか?」
「そうですよ。よくわかりましたね」
「いや、だってお前、隣に座ってるだろ。……まあ、お前が連れてきた子なら間違いないだろ。ちゃんと面倒見てやれよ」
「ういっす。ホラ、もういいぞ座れよ」
「あっ、はい」
思わず突っ立ったままになっていた僕に気が付いた紫藤さんが、ポンポンと畳を叩いて座るように促してくれた。
元々読書同好会に入りたいと思っていたこともあって、紫藤さんに誘われるまま何も考えずに同好会に入っちゃったけど……、やっぱり何となく浮いてるよな。
イケメンぞろいの中に平凡1人。
はあっ……。
チラリと他の人たちを見てみると、後から来た桐ケ谷先輩は水樹先生に勉強を教えてもらっているようだった。
そして白石先輩と黒田先輩は互いに別の本を読んでいるんだけど、時々どちらかが話しかけたり相手の本を覗き込んだりと、何とも仲睦まじさが窺える。
そして強面の東郷先輩と可愛らしい千佳先輩は、人の目なんてお構いなしにべったりとくっ付いている。
「…………」
で、紫藤さんだけフリー……。
あれ?
紫藤さんだけ……?
てことは、もしかして桐ケ谷先輩と水樹先生も……?
くるんともう一度桐ケ谷先輩たちを見ると、何となくだけど……、そんな雰囲気があるような気がする。
……紫藤さんには、好きな人とかいないんだろうか。
あんなにモテるんだから、それこそその気になればいつでも恋人なんてできちゃいそうだけど。
そっと紫藤さんを窺ってみる。
端正な横顔に長い睫毛。
さらさらと額を覆うピンクバイオレットの艶やかな髪。
一見僕みたいな平凡なんて、相手にもしてくれなさそうな風貌なのに……。
「……なに、どうした?」
「あっ、いえっ」
いけない、いけない。
ついジッと見てしまってた。
慌てて本に目を落とすと横から手が伸びてきて、頭をグリグリとされた。
「……不思議だなあ、お前」
「え?」
何が?と思って紫藤さんを見上げたんだけど、紫藤さんはただ笑うだけで、その言葉の意味を教えてはくれなかった。
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