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本編
5.探索と仲間
しおりを挟む葉っぱの隙間から入って来る光に、僕は目を覚ました。ここは、昨日完成したマイホームの中。葉っぱで簡易的に作った布団で、昨日は眠った。なかなか快適で、疲れていたのもあってすぐに眠ったようだ。まあ、外観はちょっとダサいかもだけど。さて、朝ごはんを食べよう。そういえば、昨日の昼頃から何も飲み食いしてないけど、何とも無かったな。でも今はお腹空いた感じがしてるし、食料は要るけど、そんなに摂らなくてもいいって感じなんだろう。
昨日くり抜いたカボチャモドキの中身は、なんととても美味しかったのだ。量が多いから、暫くの食料となりそう。朝食のあとは、いつもの泉に行って水を飲む。ぷは~っ! 今日も美味い!
さて。次は何をしようか。とりあえず、森の探索でもしてみようかな? できれば、森を抜けて新しい場所を見てみたい。森を抜ければ、人間の町とかあるかもしれないしね! なんだかんだ言っても、やっぱり気にはなるのだ。
ようし、やることが見つかったし、探索に出発!
わかってはいたけど、木ばかりで何も代わり映えが無い。同じ方向にまっすぐ進んでいるから、迷うことは無いはず。途中で何匹か動物を見かけた位で、目立つ物は今は無い。この森、どんだけ広いんだ⋯⋯。でも、飽きたとかは思っていない。空を飛ぶのは気持ちいいし、景色を楽しんでいれば全く飽きない。⋯⋯だけどそろそろ日が暮れてきた。帰って、明日また探索しよう。
大木への帰り道。ふと、小さく鳴き声が聞こえてきた。
⋯⋯キュ~⋯⋯キュ~⋯⋯
通り過ぎようかと思ったけど、なんか聞いたことがある声な気がして、視線を下に向けて探した。すると、あの泉で見かけたリスの親子の姿があった。また会えたことに僕は喜んだが、様子がおかしいことに気づいた。親リスがうずくまって動かず、子どものリスが大声で鳴き声を上げていた。さっきから聞こえていた声は、この子リスの声だった。僕は急いでそばに降りた。
「どうしたの?」
声をかけると、僕に気づいた子リスは少し迷う素振りをしたが、なにかを訴える様にキュキュッと鳴き出した。不思議なことに、頭の中にこの子リスの言いたいことが流れて来るような感じがした。
『たすけて! おかあさん、けがした。しんじゃう!』
「分かった。大丈夫! 僕がなんとかしてみせる」
でも、どうしよう? あの不思議な力で治せるのか? ⋯⋯いいや、今は一刻を争う。なんとかするしかない! 僕は子リスに安心させるように微笑み、親リスの傷を見た。お腹のあたりから、血がドクドクと流れ出していて、今にも死んでしまいそうだった。その傷に手をかざして、傷を治したい! と強く念じた。僕の手から今までにないほど光が溢れ、傷に吸い込まれていく。すると、みるみるうちに傷が塞がり、親リスの呼吸が安定した。
「っふぅ~、良かったぁ~⋯⋯」
程なくして、親リスが目を覚ました。それに気づいた子リスが、嬉しそうにキュッキュッと鳴いて抱きついた。親リスはそんな我が子を抱きしめて、こちらを見ると、頭を下げた。
『助けて下さり、ありがとうございます。妖精様がいらっしゃらなければ、私は今頃生きていませんでした』
「うん、元気になって良かったよ。⋯⋯ってそういえば、リスさんとしゃべれてる? なんで?」
『あら? 妖精様は動物と話せるということをご存じなかったのですか?』
「え、そうだったの? 知らなかった⋯⋯僕、まだ妖精として3日しか生きてないからなー。まだまだ知らない事だらけで⋯⋯」
『なるほど。生まれて数日ならば、知らなくても仕方ないことですね』
なんと、僕、というか妖精は動物とこうやって話すことができたらしい。もしかして、あの時のクマとも話せたのかな。知らないことが多すぎる。でも、これからどんどん知っていこう!
⋯⋯そういえば、1つ気になってたことがあった。
「ねぇ、リスさんはどうして怪我していたの? この辺、危なそうな物はなかったと思うけど」
『いえ、私が怪我をしたのは、ここより少し離れた場所でした。⋯⋯私たちの住んでいた巣穴は、もっと遠くにあります。昨晩、その巣穴に魔物が来たのです。この子を連れて逃げているうちに、不覚にも魔物の攻撃に当たってしまい⋯⋯。幸いにも、日光が苦手な魔物でしたので、逃げ切ることはできましたが、今度は傷が深くなり⋯⋯という経緯でここにいるのです』
「魔物」とやらがなんなのかわからないが、前世の記憶からすると、凶暴なファンタジー生物として描かれることが多かったはず。ここでも似たようなものなのだろうか。
「そっか⋯⋯大変だったんだね。⋯⋯ところで、その巣穴って戻っても大丈夫なのかな? また魔物に襲われないとも限らないし⋯⋯」
『そうですね⋯⋯また新しい巣穴を探そうと思います』
「それなら、僕の住んでる大木の側に来ない? 多分、その『魔物』ってやつは近づけないと思うんだ」
『それは、もしや、結界を張っておられるのですか?』
「結界? んと、よくわからないけど、『ここは安全だ』って感じる所だよ」
『⋯⋯それならば、ぜひ、そちらに住みたいと思います』
「うん! いらっしゃい!」
こうして、僕の家を作った大木の側で、リス親子が住むことになった。よっしゃ! もふもふゲットだぜ! ⋯⋯いやまあ、ちょっとは下心あったかもしれないけど、ほとんどは心配してたからね? 本当だよ?
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