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美津子お偉いさん達に会う
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あれから3日過ぎ、両手の包帯も取れて今日初めて客室の外にでられることになった。いくら3食昼寝付きでもスマホもテレビもないから退屈だ、娯楽が欲しい…。
騎士の先導で回廊を歩いていると左手に見覚えのある庭園が見えてきた・・・なぜだか胸がきゅっとなり泣きそうになる。
大きな両開きのドアの前に着き先導してた騎士がドアの前で護衛する騎士と二言三言交わすと護衛騎士はさっと横に避けドアを開けた。
通された部屋は滞在してる部屋より一回り大きく調度品も立派だった。
後で聞いてみたら外国の要人などをもてなす応接室だった。
部屋の右手にある大きな長方形のテーブルの向こうに金髪碧眼の存在感が半端ないイケおじ、間違いなくこの国の王様、
右隣りに緑の髪にモノクル、ん??
左隣にローブを羽織った白いお髭のおじいちゃん 、、、なんだこの既視感・・・。
今日はちゃんと事前に会う相手の情報インプット済み!なんたってこの国のトップ達だからね、粗相があってはいけない。
もちろん緑の髪が宰相さんで、ローブのおじいちゃんが宮中精霊魔術士のトップ、おじいちゃんの横には美人さん!
この美人さん、お名前はマチルダさん、20代で若手のエースだそうだ。
「体調はどうだ?ダリア嬢、いや今はみつこ嬢か?」
「医師と侍女の皆様の手厚い看護のおかげで平癒いたしました。」
「愚息が迷惑をかけた、いや、ダリア嬢に関してはアーサーだけではなく、王家全体の瑕疵でもある、大変申し訳なかった」立ち上がり頭を下げる。
いやいや、王様~そんなミスしでかした部下みたいに深々頭下げられても対応に困ります!
「陛下、どうか頭を上げてください」
「今日はダグラスも参加するはずだったのだがもう3日休んでいるそうだ。いくら休めと勧めても全く聞く耳持たぬ堅物が、、、何があったのか気になるところだが・・・」王様ニヤリと悪い笑顔…。
「こちらも愚息が不快な思いをさせたと…あいつは視野が狭い、勝手な正義感を振りかざしておって・・・どこで教育を間違えたのか…」宰相さん、深いため息をつき頭を下げた。
「彼奴らは牢で反省させておる、ずいぶん色々と面白い報告も上げってきてるようだ、処罰については本人たちに直接言い渡すゆえ、みつこ嬢も同席されよ」
ニヤリ、王様悪い笑顔その2…。
おじいちゃん魔術士さんがこの世界の異世界人について説明してくれた。
隣の帝国が代替わりの度に勇者とか聖女とか召喚するので50年前に召喚は国際法で禁止されたそうだ。
だが時々異世界から渡って来る人がいるらしく、ここ50年で報告は2例。
隣の帝国に1人、南の海上国に1人,100年遡るとこの王国にも1人いたらしい。
人種は色々、一番最近だと南の海上国にあらわれたのが黒髪だったとか。
そして異世界人は国で保護するのが決まりで、きちんと報告すれば国を移るのも自由、けっこういい待遇だね。
宰相さんが4枚の紙をテーブルに並べた、なぜか字も問題なく読める。異世界転移特典かな??
一番右の紙を指して説明を始めた。
「これは、あまりお勧めできないのですが・・・元の世界に戻ることも理論上可能です・・・が、色々リスクというか・・・」
最後はモゴモゴしててよく聞き取れなかったけど、帰れる可能性もあるんだ!!
はやる気持ちを抑え「どのような方法で?リスクについては詳しく説明願います」
「一年後のこちらにきた同日に同じ妖精魔法で・・・」ん!?嫌な予感!
「その際、贄が必要…」
こわっ、今、贄って言った⁈
無理無理無理、紙をぐしゃっと握りしめ
首を横に振った。パス!!
はい、次!!
「ダリア嬢のご実家に」
即、紙を握りしめポイっと投げる。
宰相さん苦笑い、そんな我々のやり取りを見て肩を震わせる王様。
侯爵家…
父親はまだ許せそうな気がする、元社畜としては…同類相憐むって感じかな。
しかし母と兄は無理そうだ。パス!!
はい、次!!
「我々としては王国に留まっていただきたいと願っております。そのため婚姻…を」
紙を少し手前に引き寄せる。今度はぐしゃっとしないよ、ちょっと興味あるし・・・。
宰相さん、釣書を数枚差しだそうとして、王様に止められた。
「我が弟はどうだ?なかなかの美丈夫で独身だ」
王様の弟、大公閣下28歳、軍人、嫌ではない。
一番下で一番有能な弟だそうだ。
前王は側妃とか愛妾とかがわんさかいたらしく、はぁ~、それで歳の離れた弟がいる訳だ。
うん、マジ愚王だな、国の金でなにしてんだ!!
ダリアの年齢は16歳、結婚はまだ先でいいかな、とりあえず保留で。
はい、次!!
最後は官職、住むところは保証してくると。一番無難な案だね。
学園は一年残っているが、今更学ぶものもないので試験だけ受けて卒業させてもらうことになった。
まだ城で養生しながからゆっくり考えればいいと言われ部屋に戻った。
そういえば、この世界に来てそろそろ半月、まだ一歩も王城の外に出たことないな、それより決算どうなった?!
うん、帰れないから考えない!!
騎士の先導で回廊を歩いていると左手に見覚えのある庭園が見えてきた・・・なぜだか胸がきゅっとなり泣きそうになる。
大きな両開きのドアの前に着き先導してた騎士がドアの前で護衛する騎士と二言三言交わすと護衛騎士はさっと横に避けドアを開けた。
通された部屋は滞在してる部屋より一回り大きく調度品も立派だった。
後で聞いてみたら外国の要人などをもてなす応接室だった。
部屋の右手にある大きな長方形のテーブルの向こうに金髪碧眼の存在感が半端ないイケおじ、間違いなくこの国の王様、
右隣りに緑の髪にモノクル、ん??
左隣にローブを羽織った白いお髭のおじいちゃん 、、、なんだこの既視感・・・。
今日はちゃんと事前に会う相手の情報インプット済み!なんたってこの国のトップ達だからね、粗相があってはいけない。
もちろん緑の髪が宰相さんで、ローブのおじいちゃんが宮中精霊魔術士のトップ、おじいちゃんの横には美人さん!
この美人さん、お名前はマチルダさん、20代で若手のエースだそうだ。
「体調はどうだ?ダリア嬢、いや今はみつこ嬢か?」
「医師と侍女の皆様の手厚い看護のおかげで平癒いたしました。」
「愚息が迷惑をかけた、いや、ダリア嬢に関してはアーサーだけではなく、王家全体の瑕疵でもある、大変申し訳なかった」立ち上がり頭を下げる。
いやいや、王様~そんなミスしでかした部下みたいに深々頭下げられても対応に困ります!
「陛下、どうか頭を上げてください」
「今日はダグラスも参加するはずだったのだがもう3日休んでいるそうだ。いくら休めと勧めても全く聞く耳持たぬ堅物が、、、何があったのか気になるところだが・・・」王様ニヤリと悪い笑顔…。
「こちらも愚息が不快な思いをさせたと…あいつは視野が狭い、勝手な正義感を振りかざしておって・・・どこで教育を間違えたのか…」宰相さん、深いため息をつき頭を下げた。
「彼奴らは牢で反省させておる、ずいぶん色々と面白い報告も上げってきてるようだ、処罰については本人たちに直接言い渡すゆえ、みつこ嬢も同席されよ」
ニヤリ、王様悪い笑顔その2…。
おじいちゃん魔術士さんがこの世界の異世界人について説明してくれた。
隣の帝国が代替わりの度に勇者とか聖女とか召喚するので50年前に召喚は国際法で禁止されたそうだ。
だが時々異世界から渡って来る人がいるらしく、ここ50年で報告は2例。
隣の帝国に1人、南の海上国に1人,100年遡るとこの王国にも1人いたらしい。
人種は色々、一番最近だと南の海上国にあらわれたのが黒髪だったとか。
そして異世界人は国で保護するのが決まりで、きちんと報告すれば国を移るのも自由、けっこういい待遇だね。
宰相さんが4枚の紙をテーブルに並べた、なぜか字も問題なく読める。異世界転移特典かな??
一番右の紙を指して説明を始めた。
「これは、あまりお勧めできないのですが・・・元の世界に戻ることも理論上可能です・・・が、色々リスクというか・・・」
最後はモゴモゴしててよく聞き取れなかったけど、帰れる可能性もあるんだ!!
はやる気持ちを抑え「どのような方法で?リスクについては詳しく説明願います」
「一年後のこちらにきた同日に同じ妖精魔法で・・・」ん!?嫌な予感!
「その際、贄が必要…」
こわっ、今、贄って言った⁈
無理無理無理、紙をぐしゃっと握りしめ
首を横に振った。パス!!
はい、次!!
「ダリア嬢のご実家に」
即、紙を握りしめポイっと投げる。
宰相さん苦笑い、そんな我々のやり取りを見て肩を震わせる王様。
侯爵家…
父親はまだ許せそうな気がする、元社畜としては…同類相憐むって感じかな。
しかし母と兄は無理そうだ。パス!!
はい、次!!
「我々としては王国に留まっていただきたいと願っております。そのため婚姻…を」
紙を少し手前に引き寄せる。今度はぐしゃっとしないよ、ちょっと興味あるし・・・。
宰相さん、釣書を数枚差しだそうとして、王様に止められた。
「我が弟はどうだ?なかなかの美丈夫で独身だ」
王様の弟、大公閣下28歳、軍人、嫌ではない。
一番下で一番有能な弟だそうだ。
前王は側妃とか愛妾とかがわんさかいたらしく、はぁ~、それで歳の離れた弟がいる訳だ。
うん、マジ愚王だな、国の金でなにしてんだ!!
ダリアの年齢は16歳、結婚はまだ先でいいかな、とりあえず保留で。
はい、次!!
最後は官職、住むところは保証してくると。一番無難な案だね。
学園は一年残っているが、今更学ぶものもないので試験だけ受けて卒業させてもらうことになった。
まだ城で養生しながからゆっくり考えればいいと言われ部屋に戻った。
そういえば、この世界に来てそろそろ半月、まだ一歩も王城の外に出たことないな、それより決算どうなった?!
うん、帰れないから考えない!!
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