37 / 188
第36話 ベルナール商会
しおりを挟む
アレーテさんの案内でベルナール商会まで行った。ギルドのある南門側ではなく北門の方なので歩くと3時間もかかった。王都だけに広いから仕方がないんだけど。かなり歩くので途中でご飯を食べたからってのもあるけどね。
ベルナール商会の建物はとても大きく、僕らのクランハウスより大きい。2階建ての店舗で白を基調とした平坦な石造りで見た目も綺麗だ。
扉を開けると鐘が鳴る仕組みで、入口のすぐ側に精算所がある。このあたりは取り扱い商品の多いお店だとだいたい一緒だ。
ちなみに奥にカウンターと精算所のあるお店は店の中に商品なんて置かない。そういうお店は薬だったり高価なものを扱うので素人が見ても分からなかったりする。そのため説明が必要なので客のニーズに合わせて商品を紹介して売買を行うんだよね。
「いらっしゃいませ」
「護衛依頼の件で来たのだけど。マルタン氏に会わせてもらえないかしら?」
精算所の店員が声をかけると、アレーテさんが依頼の受注書を見せる。店員は僕達やアレーテさんを少し観察した後ニッコリと笑顔を浮かべた。
どうやら軽く見られることはなかったみたい。
「お待ちしておりました。私めがご案内いたしましょう。すまんがマルタン様の所へ行ってくる。頼んだぞ」
店員は精算所に3人いて、その中の1番でっぷりした中年のおっさんが案内してくれるらしい。店員の案内で奥へ通され、通路を通る。いくつか扉があって、『会頭室』と書かれた部屋に案内された。
店員がノックをすると「どうぞ」と声がかかり中へ入る。
「失礼します。会頭。護衛依頼を受けた冒険者が来られました」
「入ってもらいなさい」
「さ、どうぞ」
中へ通されると、精悍な顔つきの凛々しい中老の男性がいた。彼は立ち上がるとソファに腰掛けるよう促す。ソファは大きいとはいえ全員座るのは無理そうだ。アレーテさんを真ん中にしてその両脇にアレサとリーネが座る。男は突っ立ったままここにいるらしい。
「ソファが小さくてすまないね。それにしてもまさか剣聖が引き受けてくれるとは。これなら道中なんの不安もない」
さすがアレーテさん。有名なだけに商人の会頭が知らないわけはないのね。
「ところでそちらの者たちも勇士の紋章のメンバーと見ていいのかな?」
そして僕たちに視線が向く。僕らの場合、まだ歴戦の勇士と言えるレベルにはない。だから持つ雰囲気から軽く見られるかもしれないなぁ。
「もちろんよ。あなたの希望する水創と収納の使い手ね。それに関してはこの国でナンバーワンね。実力も保証するわ」
「それは重畳。してその容量は?」
でもアレーテさんが僕たちを保証してくれたことでマルタンさんの僕たちを見る視線が少し和らいだように思えた。マルタンさんて結構迫力というか存在感あるよね。僕たちとは違う強さか。
「ルウ、リーネどう?」
「オーク数百匹入ってますけど全然余裕です」
「私はそこまで入れてないのでこの店の商品全部くらいなら入ると思います」
僕とリーネはさらりと答える。だって事実だし。実質容量無限だもの。あ、マルタンさんが固まってる。
「だそうよ。親和性SとAだものね。それと、彼らの情報は必ず秘匿してもらえるかしら。特にルウに至ってはかなり非常識なレベルだし」
単純な魔法の才能ならリーネの方が上だと思うけど。でも拡大解釈のことを考えたら相当非常識かもしんない。
「え? そこまで?」
「そうよ。神聖系の恩恵がないからリオネッセのようにいくかはわからないけど、彼女の創る水は聖水なの。ルウもそうなる可能性があるわね。というより神聖系の恩恵無しでA以上になることが有り得ないことなんだけど」
リオネッセさんとは同じクランのメンバーで聖女の恩恵を持つほわほわしたお姉さんだ。リーネがめっちゃ懐いている。
まぁ、水に関しては後でこっそり鑑定してみよう。一応鑑定魔法は持っているけどみんなには内緒にしている。持ってたらアリシアさんに鑑定して貰えないもんね。
「なるほど、若いのにかなりの才能をお持ちのようだ。いいでしょう。是非お願いします。それでは明後日の午前10時に来ていただけますかな?」
「わかりました。それでお願いします」
「ありがとう。上乗せも期待してください」
アレーテさんとマルタンさんが握手を交わし、依頼の受注が正式に決定した。
ベルナール商会の建物はとても大きく、僕らのクランハウスより大きい。2階建ての店舗で白を基調とした平坦な石造りで見た目も綺麗だ。
扉を開けると鐘が鳴る仕組みで、入口のすぐ側に精算所がある。このあたりは取り扱い商品の多いお店だとだいたい一緒だ。
ちなみに奥にカウンターと精算所のあるお店は店の中に商品なんて置かない。そういうお店は薬だったり高価なものを扱うので素人が見ても分からなかったりする。そのため説明が必要なので客のニーズに合わせて商品を紹介して売買を行うんだよね。
「いらっしゃいませ」
「護衛依頼の件で来たのだけど。マルタン氏に会わせてもらえないかしら?」
精算所の店員が声をかけると、アレーテさんが依頼の受注書を見せる。店員は僕達やアレーテさんを少し観察した後ニッコリと笑顔を浮かべた。
どうやら軽く見られることはなかったみたい。
「お待ちしておりました。私めがご案内いたしましょう。すまんがマルタン様の所へ行ってくる。頼んだぞ」
店員は精算所に3人いて、その中の1番でっぷりした中年のおっさんが案内してくれるらしい。店員の案内で奥へ通され、通路を通る。いくつか扉があって、『会頭室』と書かれた部屋に案内された。
店員がノックをすると「どうぞ」と声がかかり中へ入る。
「失礼します。会頭。護衛依頼を受けた冒険者が来られました」
「入ってもらいなさい」
「さ、どうぞ」
中へ通されると、精悍な顔つきの凛々しい中老の男性がいた。彼は立ち上がるとソファに腰掛けるよう促す。ソファは大きいとはいえ全員座るのは無理そうだ。アレーテさんを真ん中にしてその両脇にアレサとリーネが座る。男は突っ立ったままここにいるらしい。
「ソファが小さくてすまないね。それにしてもまさか剣聖が引き受けてくれるとは。これなら道中なんの不安もない」
さすがアレーテさん。有名なだけに商人の会頭が知らないわけはないのね。
「ところでそちらの者たちも勇士の紋章のメンバーと見ていいのかな?」
そして僕たちに視線が向く。僕らの場合、まだ歴戦の勇士と言えるレベルにはない。だから持つ雰囲気から軽く見られるかもしれないなぁ。
「もちろんよ。あなたの希望する水創と収納の使い手ね。それに関してはこの国でナンバーワンね。実力も保証するわ」
「それは重畳。してその容量は?」
でもアレーテさんが僕たちを保証してくれたことでマルタンさんの僕たちを見る視線が少し和らいだように思えた。マルタンさんて結構迫力というか存在感あるよね。僕たちとは違う強さか。
「ルウ、リーネどう?」
「オーク数百匹入ってますけど全然余裕です」
「私はそこまで入れてないのでこの店の商品全部くらいなら入ると思います」
僕とリーネはさらりと答える。だって事実だし。実質容量無限だもの。あ、マルタンさんが固まってる。
「だそうよ。親和性SとAだものね。それと、彼らの情報は必ず秘匿してもらえるかしら。特にルウに至ってはかなり非常識なレベルだし」
単純な魔法の才能ならリーネの方が上だと思うけど。でも拡大解釈のことを考えたら相当非常識かもしんない。
「え? そこまで?」
「そうよ。神聖系の恩恵がないからリオネッセのようにいくかはわからないけど、彼女の創る水は聖水なの。ルウもそうなる可能性があるわね。というより神聖系の恩恵無しでA以上になることが有り得ないことなんだけど」
リオネッセさんとは同じクランのメンバーで聖女の恩恵を持つほわほわしたお姉さんだ。リーネがめっちゃ懐いている。
まぁ、水に関しては後でこっそり鑑定してみよう。一応鑑定魔法は持っているけどみんなには内緒にしている。持ってたらアリシアさんに鑑定して貰えないもんね。
「なるほど、若いのにかなりの才能をお持ちのようだ。いいでしょう。是非お願いします。それでは明後日の午前10時に来ていただけますかな?」
「わかりました。それでお願いします」
「ありがとう。上乗せも期待してください」
アレーテさんとマルタンさんが握手を交わし、依頼の受注が正式に決定した。
51
あなたにおすすめの小説
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます
空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。
勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。
事態は段々怪しい雲行きとなっていく。
実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。
異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。
【重要なお知らせ】
※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。
※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる