【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

文字の大きさ
83 / 188

第80話 宝石店での依頼

しおりを挟む
 コンコンコン、とリーネとアレサの部屋をノックする。するとアレサが顔を出した。

「おお、ルウか。どうした?」
「うん、リーネいる?」
「ああ、リーネか。うん、リーネはギルドへ行ったな。何やら詳細な鑑定をしに行くと」

 詳細な鑑定……?
 ああ、そういえばアリシアさんのスキルにそういうのがあったんだっけ。ギルド職員でも複数人の鑑定ができるのはアリシアさんだけだ。他の人は魔法による鑑定で冒険者を鑑定しているんだっけ。

「ときにルウ。おまえ、リーネにその……、胸の成長の強化とかしたか?」

 ギックゥゥゥッッ!

 もしかしてバレた?
 詳細な鑑定ってどこまでわかるんだろ?
 お、怒ってないといいけど……。

「……その顔はやったな」

 ジト目で僕を見る。いかん、視線が痛い。このピンチをどう乗り切るべきか……。

「いや、その……、出来心で……」

 いい考えが思いつかず、しどろもどろになって答える。多分バレてる以上弁解のしようが無さそうだ……。ヤバない?

「ほう、認めるのか。まぁいい、これは2人の問題だからな。とにかく真摯に向き合ってやれ。私からはそれだけだ」

 それだけを僕に伝えると、パタンと扉を閉められる。うーん、何とかリーネの機嫌を取らないといけないな……。真っ先に思い浮かぶのはプレゼントか……。まだ時間はあるし指輪とかどうだろう?



 そんなわけでやって来たのが宝石店だ。リーネの指輪のサイズはわかるので大丈夫。それよりも問題なのは予算が金貨50枚しかないことだ。アレサとサルヴァンの武器はサルヴァンから許可を貰ってパーティの資金から出しているけど、これは個人的な買い物だ。パーティの資金は使えない。

 待てよ?
 宝石の中には魔法を封じ込められる種類も少なくない。僕には詠唱文言を付与する技術があるから、それを使ってお店の人と交渉できるかもしれない。

 意を決して店の中へ入る。宝石は高級な嗜好品だ。当然その警備は厳重で店内に宝石が並べれることはない。ではどうするか。これは貴族様であるかないかで対応が分かれる。

 貴族様や商人は絶対に盗みは働かない。そのため専門のスタッフが付いて貴族用の展覧室へと通されるそうだ。では平民は?

「いらっしゃいませ」

 店の中には待合用のソファがあり、入口の正面にはカウンターがあってその横2箇所に扉が存在する。片方は貴族様や商人用でもう片方はそれ以外てとこか。つまりは金のあるなしだね。
 僕はカウンターに行き要件を伝える。

「あの、指輪が欲しいんですけど」
「はい、予算と用途をお願いします」
「贈答用で予算は金貨50枚です」

 そこまで伝えると、店員は僕の上から下までを眺め、品定めしている。どう見ても冒険者で平民で子供だよね。装備はそこそこいいものを使っているんだけど、店の人からはどう映るのかな?

「わかりました。ただいま準備を致しますのでそこのソファでお待ちください」
「はい」

 店員に言われ、ソファに腰掛ける。交渉は中へ入ってからだ。実際に見せる必要があるけど、秘匿技術なのでね。店員に見せるのも賢いとは言い難いけど、やって見せないことには交渉にならない。

 しばらく待つと店員が僕の所に来た。なんとも美しいドレス姿で、その礼1つとっても品位がある。大人の女性の妖艶さと品格って同居するんだね。
 まぁ、とにかく準備ができたようだ。

「お待たせ致しました。私、当店の支配人を務めておりますイザベルと申します。お初にお目にかかります。克肖者ルウ様」
「僕のこと知ってるなんて驚きです」
「私も商人の端くれでございます。商人は情報が命。ルウ様は新たに聖人に名を連ね、国宝となる神器をお作りになられた方。知らないなど商人失格でございます」

 まさか支配人自らの接客とは。克肖者呼びはちょっと照れくさいけど、おかげで責任者と直接話ができるのは運がいい。

「さぁ、こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」

 イザベルさんの案内で通されたのは一般の人が使うという個室だ。他にも待機しているスタッフがいる。まぁ、予算が予算だからこれは当然だろう。貴族様に混じって展覧室なんて恥をかくだけだ。

 イザベルさんの案内でソファに座ると、彼女はひとつの宝石のケースを置いた。

「贈答用と聞きおよんでおります。まずはこの指輪をご覧下さい」

 そしてケースが開かれる。凝ったデザインの中に小さい宝石が付いている。信じられないほどの輝きを放つピンク色。その中にも吸い込まれそうなほど美しい赤やオレンジの色が混ざり合い、幻想的な美しさを醸し出している。それに小さいけど何か凄い力を感じるね。こっそり鑑定してみるか。

 パパラチアサファイア
 蓮の花を思わせるような美しい宝石。様々な色が混じり合い、その希少性は高い。また、魔力の蓄積性も高い。石言葉は『一途な愛』『信頼関係』

「ぱ、パパラチアサファイア?」

 名前からして凄ない?
 しかも魔力の蓄積性が高いのか。これ金貨50枚の価値じゃないよね、どう考えても。

「ご存知でしたか。普通に買えば金貨2000枚はするでしょう」
「予算の40倍!?」

 家買うより高いじゃんか!
 これを見せた、ということはして欲しいことがあると受け取った方がいいよね。

「ええ、私のお願いを聞いていただけるのであればこれを金貨50枚でお譲りします」

 そら来た!
 しかしたった金貨50枚で金貨2000枚相当だからね、聞くの少し怖いな。でもこっちも後には引きにくい。こんなもの見せられたら多少の無茶な条件は覚悟できそうだ。

「条件は?」
「乗り気なようですね。あれをお持ちして」

 イザベルさんがスタッフに合図を送ると、そのスタッフが宝石をいくつか持ってきた。

「実はとある貴族様から、付けているだけで災厄から身を守れる宝石が欲しい、と頼まれておりまして。神器を作れるほどのルウ様でしたらできるのではないか、と」

 ふむ、災厄と1口に言っても色々ある。もっと具体的に何から身を守りたいのかわからないと希望に添えないな……。

「災厄とは具体的になんですか?」
「他人の悪意でございます」

 他人の悪意……。つまり身につけているだけで常に防護魔法がかかっている、ということか。スタッフが並べた宝石を鑑定してみると、いずれも魔力の蓄積率が高い宝石だ。

 それでも通常はひとつの宝石にひとつの魔法が原則だった気がする。組み合わせて出来ないだろうか?

「ちょっと待っててくださいね。今作り方を考えます」

 まず、ひとつの宝石に光膜ライトフィルムか。これは物理的干渉と魔力的な干渉から身を守れる。もうひとつは厄災からの保護アンチカラミティだ。これなら毒などを無効化してくれる。これを常に発動状態にしないといけない。そのためには魔力供給に強化ブーストをかけるしかない。この魔力供給の宝石を増やすことで出来ればいいんだけど……。

 用意された宝石は5つか。ふたつに魔法を込め、3つが供給ようかな?
 5つをひとつにするならペンダントにするのが良さげだ。

「これ全部を使ってペンダントにできますか?」
「ええ、簡単にできますよ」
「わかりました。やってみます」

 僕は早速作業に取り掛かることにした。最高のペンダント、作って見せましょう!
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます

空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。 勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。 事態は段々怪しい雲行きとなっていく。 実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。 異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。 【重要なお知らせ】 ※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。 ※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

処理中です...