【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

文字の大きさ
108 / 188

第105話 紙作りのヒント

しおりを挟む
 会談から5日ほど経ち、フィンとミラも魔法を覚えられるくらいの読み書きが出来るようになっていた。今後のことも考え、2人が魔法を覚える際に資質の強化を1段階行っている。そしたらそしたら2人ともA判定が3つもあった。結構優秀だったらしい。

「これで俺達も魔導士の仲間入りか。早速魔法を使ってみたいがいいか?」
「じゃあちょっと狩りにでも行く?」
「ルウ話せるじゃない。よし、行きましょ行きましょ!」

 魔導士協会を出た後、2人は魔法を覚えられたことに感激していた。魔法なんて使ってなんぼだし、オーク程度なら大丈夫だろう。そう思って提案するとミラが嬉しそうに僕を急かす。

「いいけど、私もルウも前衛じゃないよ?」
「オーク程度なら僕でも前衛できるよ。いざとなったら倒すだけだし」

 リーネも入れて4人いるけど、実は前衛専門の人がいなかったりする。フィンは弓が得意だから後衛だし、ミラは一応槍で戦っていたけど、ルードとベオグラードの陰に隠れて一撃加える役目だったため、直接敵と相対してどうこう、というのはあまりないそうだ。

 対して僕は今やレベル51。フィンがレベル12だし、経験から言って僕が前衛をやった方がまだマシだろう。油断さえしなければオークの力任せな攻撃に当たることは無い。

「無茶はダメだよ?   それでもオークの一撃で私もルウも大怪我しちゃうんだから」
「そうだな。レベルが上がって多少体力がついても頑丈になるわけじゃないからな」

 確かに間違ってもらったら終わる。これはどれだけ高いレベルにいる人でも一緒だ。

「そうなのよね。レベルって一体何なのかしらね?    確かに身体能力は上がるし反応も良くなるし魔力も上がるけど、サルヴァンみたいに頑丈になるわけじゃないもんね」
「いや、十分だろ。というかサルヴァンの頑丈さは異常だ。ルードがミスリルの剣で腕を叩き切ったらなんで剣が折れるんだよ」

 あれは比べる対象が悪いと思うな。アレサがやったらサルヴァンの腕も無事じゃ済まないけど、並の腕前ではそんなものだ。使い込むほど硬くなれるため、オーガに殴られても無傷で済むと思う。体重差で吹っ飛ぶとは思うけど。

「あれはびびったわね……」
「サルヴァンのはスキルだからね……?」

 あれを基準にするのはやめた方がいいと思うな。普通はどれだけレベルが上がろうと硬くなることはないからね?

 そうやってだべっているうちに街の門に到着した。門を出て街の外に出れば、10分程で森に着く。

「先ずはオークよね。スキルを手に入れてからはオークで結構稼げたわよね」
「ああ、そうだな。それについては凄く感謝している。しかし凄いものだな、スキルというものは」

 そうか、スキルを覚えた事で稼ぎが増えたなら良かった。

「そういえば2人はどんなスキルを手に入れたの?」
「ふふん、私は遠隔魔法ってスキルよ。通常の射程を大きく超えて魔法を発動できるんだって。だから魔法を覚えないと役に立たないのよねぇ」

 確かにそれは魔法を早く覚えたくて仕方がなかっただろう。しかし遠隔魔法か。使いようによっては恐ろしいスキルに化ける可能性がありそうだ。

「俺のは魔力矢ってやつだ。魔力や魔法で矢を作ることができるそうだ。魔力で矢を作れたおかげで矢が節約できてるよ。魔法で矢を作れるってのも変わってるよな。せっかくだし今回はそれも試したい」

 弓矢は意外とお金のかかる装備だ。矢は基本消耗品だし、使えるようになるには修練が必要だしで結構敷居が高い。それでも遠距離から攻撃できるため、魔導士のいないパーティなら1人は欲しいだろう。

 そして森の中に入り、奥へと進んでいく。まだ日も高く、浅いところではまだ小動物を見かけることもできた。

「ちょっと待て。あれワスプじゃないか?」
「木に群がってるね。木をかじって巣を作っているのかも」

 見上げると木にワスプ達が群がっていた。木をかじったせいで木の表皮が剥げている。ワスプとは大きな蜂のことで、気性が荒いため近づくと集団で人や動物を襲う。しかもこいつらは魔物ではないため、使える素材もないのだ。

「へぇー、あいつら木なんてかじるんだ」
「うん、そうだよ。木をかじって砕いて唾液と混ぜて巣を……」

 そこではたと気がつく。そうだ、ワスプの巣を触ったことがあるけど、あの質感は紙に近いものがなかっただろうか?

 そうだ、紙を作る際に使う布の材料は麻じゃないか。あれだって植物だ。だったら木を材料に紙を作れるんじゃないだろうか……?

「?    どうしたのルウ?」
「これだ!」

 リーネが声をかける。多分心配してくれたのだろう。しかし僕は天啓のごとく閃いた考えに嬉しさのあまり叫んでしまっていた。

「ど、どうしたんだルウ?」
「うん、高品質の紙を大量生産する方法を思いついたんだ!」

 僕はこぼれる笑みを抑えきれず、喜んでそのことを話す。木であればぼろ布を集めるより手間がかからないはずだ。きっと生産量も増やせると思う。

「え!?    それって確かマルタンさんに期待されていたやつだよね?     もう解決の糸口が掴めたの?」
「うん、これから実験してみるよ」

 リーネも驚きより嬉しさが勝ったようで、僕の手を取って目を輝かせる。もしこの考えが正しければ製紙業の革命だ。

「それはいいけど狩りが終わってからにしてくれよ……?」
「あ、うん。そうだね。ごめんごめん」

 喜ぶ僕とリーネに少し申し訳なさそうにフィンが頼む。もちろん無下にはしないとも。狩りには付き合いよ。

「とりあえずあのワスプたちは駆除するからね?    こんなとこにワスプがいたら困るし」

 うん、天啓をくれたのに悪いけど、放っておくと冒険者が襲われるからね。ワスプってもろに害虫認定されてるからなぁ……。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます

空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。 勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。 事態は段々怪しい雲行きとなっていく。 実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。 異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。 【重要なお知らせ】 ※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。 ※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

処理中です...