【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

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第104話 会談

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 今日はエリオット王子殿下、ライミスさんとベルナール商会会頭マルタンさん、そして僕とサルヴァン、ヘタイロスの6人による非公式の会談が行われる日だ。

 場所はベルナール商会の応接室。非公式の会談なので国の設備は使わないそうだ。

「この度は俺たちのクラン、セフィロトの家のためにお時間を割いていただいたこと、感謝いたします」

 サルヴァンが頭を下げ、僕とヘタイロスも続いて頭を下げる。

「私ならかまわんよ。エリオット王子殿下と引き合わせていただいたのですからな。それに私としても新しい技術には興味がある」
「なに、ルウの提供してくれた技術に対する対価ならば安いものだ。王立魔導研究所の研究は更なる高みに立ったと伝えておこう」
「可愛い後輩のためだからね。それに君たちは面白い。僕としても興味が尽きないよ」

 皆それぞれの思惑があって参加してくれている。なら十分なリターンを返さないとね。そのために色々研究したのだ。

 まずは僕たちにも商材を開発する力があることを示す必要がある。

「僕が最近開発に成功したものをお見せします。これは黒鉛で作ったペン、黒鉛ペンと名付けました。このペンの特長はこの別途開発した字消しで書いた文字が消せることです」

 僕は黒鉛ペンを取り出すと、用意した紙に波線を書き、字消しで消して見せた。字消しは縫った巾着袋にゴブリンの魔晶石を入れたものだ。当然魔法は破壊ディストラクションで、書いた文字だけを消すもの。

「なんと、書いた文字が消せるのか」
「ふむ、インクを付けずとも書けるのは画期的だ。しかし消せるとなると公文書には使えんな」

 書いた文字が消せることにマルタンさんが驚く。エリオット殿下も画期的であると認めてくれたようだ。確かに公文書には使えないのが欠点ではあるけどね。

「ええ、これの目的は読み書きの勉強が第一です。ちょっとした記録を取るのにも有効だと思います」
「なるほど。ちょっとした用途であれば確かに需要はありますな。で、まさかこれで終わりではありますまい?」

 僕は開発した目的を説明する。活用法は何も勉強だけではない。いちいちインクを付けなくてもいいという利便性。これがある事で筆記は格段に手間がなくなるはずだ。
 しかし、マルタンさんはこれだけでは不服のようだった。これ以上何が必要になるのか僕にはまだ理解できていなかったのだ。

「え……!?」
「その様子では見抜けていなかったようですな。そこのヘタイロスと言ったかね?     君は商人を目指しているのだろう?    こんな簡単なことに気づけないようではな。もちろん私が色々教えてやるから心配はいらん。しかしこれは商売にとってとても重要なことだからな。できれば君自身が気づくべきだ」

 マルタンさんの指摘に僕は言葉を失う。何か大事なことを見落としていた……?

 ヘタイロスも必死に考えているようで、黒鉛ペンと紙に視線を落とす。そしてなにかに気づいたようにはっ、と目を見開くと僕にそれを伝えてくれた。

「そうか!   黒鉛ペンが売れれば紙にも需要が生まれる!    今の紙の相場は1枚銅貨1枚もする。そんのもの庶民は簡単に買えないし、今の生産力では紙が全く足りなくなる!」
「そうか……!   そんな簡単なことに気づかないなんて!」

 ヘタイロスの話に僕はしまった、と頭を抱える。そこまでは考えていなかった。紙を繰り返して使うから、と紙の需要が増えることに考えが行っていなかったか。

「ほっほっほっ。どうやら気づいたようで何よりですな。今の紙の作り方は色々問題がありましてな。古着などの布を集め、それをドロドロに溶かして繊維というものを取り出して作るのです。そのため、工場を作ると臭いのために苦情がくるのですよ。だから流通量が少ないのです」

 うんまぁ、それは確かに。いちいち洗って作る所なんてないからね。

「そうなんですね……。となると今はまだこの黒鉛ペンは商材にはならないか……。何か別のものを考えてみます」
「いや、私としてはできれば紙の大量生産を可能にしてもらいたいですな。これができればまさに革命と言えましょう。とはいえ、これは恐らく歴史に残る偉業となるかもしれませんからな。急かす気はありませんとも」

 そうは言うが、マルタンさんが僕を見てニコニコしている。あれは期待している目だ。でも確かにそれができれば革命かも。本はずっと安く買えるようになるし、紙が庶民でも買えれば読み書きを覚えよう、という人も出てくるかもしれない。それに勉強の役にも立つからね。

「それなら同時に羽根ペンに代わる、インクを付けなくても公式文章に使えるペンも開発してもらえると助かる。羊皮紙は大量生産には向かないし、市販の紙も少し臭うときがあるからな」
「……わかりました、考えてみます」

 結構な無茶振りをされた気がするけど、急ぐ訳では無いらしいしゆっくり考えてみるとしよう。そうなると代わりの商材を提供しないといけないなぁ。そういう約束だったし。
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