【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

文字の大きさ
109 / 188

第106話 製紙革命?

しおりを挟む
 それからというもの、僕の紙作りの研究が始まった。基本的には布から作るやり方と一緒なので教わったやり方を忠実に再現するだけでいい。

 まず木材を細かく削り、粉々にしたものを漂白剤というもので数日漬け込む。で、一旦こして漂白剤を捨て、水に溶かす。ドロドロになったらこれを紙すきに広げ、重しをかけて平らにして水分を抜き、熱で乾かしてしまえばいいのだ。

「重しが足りないから少し厚いかな。あとはこれを大量生産できるようにすればいいか」

 しかし実際に紙が作れることがわかったのは大きな収穫だ。そこでマルタンさんにこのことを話し、紙の大量生産計画が発動したのだった。




 そんなわけで仕組みを考え、マルタンさんの協力のもと開発したのが「紙を作るための装置」だ。開発に一月かかったけど木版印刷を上回る魔法による印刷技術も同時に確立できたので十分だろう。

「しかしこれは凄いですな。木の皮は予め切り落とす手間はありますが、これなら少ない人手でも作れますぞ」

 マルタンさんが装置の出来栄えに満足したのかうんうん頷く。元々魔力で一定の動きをする装置、というものは存在していたんだけどね。だからといって木をそんな簡単にバラバラにはできなかった。

 しかし、新しく開発したこの装置は木が硬いという欠点を補ってくれた。まず木を切断するのは刃が回転する魔導ノコギリだ。刃はミスリル製で頑丈なのがいい。手で持てるので枝を切り落としたり皮を剥いだりするのにも大活躍だ。武器としてもかなり強力なので扱いに注意が必要だけどね。

 この装置を使い皮や枝を落としたら適度な大きさに切り、細かくするための装置にぶち込むのだ。この装置も回転する刃が使われており、人が入るとミンチになってしまう。なので木を入れてからカセイソーダという薬品を入れ、蓋をしてから魔力を通す仕組みになっている。

 ちなみにこの副産物として果物をジュースにする装置も開発された。これをジューサーと名付け販売することも決まっている。これもきっと売れるに違いない。

 そして巨大ジューサーでドロドロにしたらジューサーが傾き、水槽に入る。そこで漂白剤に数日漬け込んだ後は排水され、水洗いして紙すきに移される。そのあとはローラーで挟んで薄くしつつ熱を加えて乾燥させれば紙が出来上がるのだ。

「ふむ、このワンセットで木1本から10万枚程は作れますな。水も水創アクアクリエイトの魔晶石を使った魔道具で大量に作れますしな。しかしこの水を生む魔道具も是非普及させたいですなぁ」

 儲かりそうな商品が次々と開発され、マルタンさんは実に上機嫌だ。今後は売れ行きに応じて僕らセフィロトの家にも特許使用料というものが手に入るそうだ。

「そうですね。ですがこの魔道具の作り方は現状秘匿技術扱いですからね。この魔道具の量産となると陛下の許可が必要になるかもしれません」

 紙の生産に関しては根回しが出来ていたので水の魔道具提供に問題は無い。今後増産される場合においてもそれは同じだ。ただ量産となると技術を持つ魔導士か、それを作る魔道具の量産が必要になる。そうなると技術流出の危険が生まれるんだよね。

「ふむ、そうなりますか。そうなるとセフィロトの家で商会を作り、卸してもらうしかなさそうですな」
「ええそうですね。今の所王立魔導研究所以外で作っていいのはセフィロトの家だけ、ということになっていますから」

 もちろん流出させないことが条件になっているけどね。なので僕らのクランでは全て契約魔法による使用を考えている。そのためには契約文言が必要なんだけど、拡大解釈で契約文言を解読すればいけそうだし。

「まぁ、他国に流れれば戦争の道具にされるのは目に見えていますからな。この魔導円刃のように魔力でものを動かす装置は今までもありましたが、これ程力強いものはありませんでした。この技術も秘匿されるべきでしょうな」

 この魔導円刃が画期的なのは魔力を通す配線にある。今までは魔力伝導率0.3のミスリルを使用した配線だったが、新しく発見した新素材があるのだ。それがケイブスパイダーの糸だったりする。このケイブスパイダーの糸が実に魔力伝導率0.9という3倍もの数字であり、しかも頑丈なのだ。

 このケイブスパイダー、実はCランクレベルの魔物で結構手強いのだが、洞窟内に複数箇所に巣を張って暮らしており、別に戦わなくても糸だけ持ち帰ることが可能なのだ。今まで見向きもされず素材扱いされていなかったんだけどね。もちろん加工技術も秘匿技術扱いだ。

「まぁ、素材の情報は流出を防ぐために王立魔導研究所の協力を得ましたから、それをどう扱うかは向こう次第でしょ。ただここの装置を盗まれたら簡単に流出しちゃいますね」
「まぁ、そのときはそのときでしょう。技術なんてものはそのうち広まるものです」

 マルタンさんは気にしても仕方ないと豪快に笑う。まぁ、確かに広まった方がいい技術というものはあるものだ。これがそうなのかは知らないけど。

 でも今回は王立魔導研究所と研究したおかげで僕の方も色々技術を身につけることができたからね。オマケにセフィロトの家に定期収入も入るようになるし。とりあえずは成果が出たことを喜ぼう。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~

海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。 地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。 俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。 だけど悔しくはない。 何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。 そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。 ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。 アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。 フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。 ※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

異世界で世界樹の精霊と呼ばれてます

空色蜻蛉
ファンタジー
普通の高校生の樹(いつき)は、勇者召喚された友人達に巻き込まれ、異世界へ。 勇者ではない一般人の樹は元の世界に返してくれと訴えるが。 事態は段々怪しい雲行きとなっていく。 実は、樹には自分自身も知らない秘密があった。 異世界の中心である世界樹、その世界樹を守護する、最高位の八枚の翅を持つ精霊だという秘密が。 【重要なお知らせ】 ※書籍2018/6/25発売。書籍化記念に第三部<過去編>を掲載しました。 ※本編第一部・第二部、2017年10月8日に完結済み。 ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...