心からの愛してる

マツユキ

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懐かしい声に振り向くと、そこには竜元が立っていた

「えっ…会長?留学はまだ…」

「あぁ、加賀城から連絡を受けてな。色々と処理に手間取って、戻るのが遅くなってしまった」

「加賀城先輩が?…そんな事、一言も」

「お前!今は俺が話してたんだぞ!邪魔するなんていけないん…!お、お前カッコイイな!友達になってやってもいいぞ!」

結良を遮り、大きな声は変わらずに、竜元の元へ、ズイズイと進んだ光は、間近で顔を見た途端に頬を染め、モジモジとしながら、訳のわからない事を言い出した

竜元は急に現れた光に、無表情で答えると、まるでそこに居ないかのように、話を再開する

「加賀城から、結良が限界だと聞かされてな。あとは、役員たちの事もだ。全く、俺が居ないからと、羽目を外しすぎていた様だな」

そう言う竜元の目は、まったく笑っていなかった。こう言う時の竜元は、容赦がないのを知っている結良は、背中に嫌な汗が流れるのを感じた

「それから結良、役員を辞めさせられたらしいな?」

「はい」

「俺を無視するなんていけないんだぞ!」

「その事で話がある。先に顧問と、加賀城に話をして決めるが、」

「おい!聞いてるのか!?」

「あの、会長…?」

光の事を、綺麗に無視し続ける竜元に、戸惑う結良

「面倒だな。結良も一緒にこい」

「お前!会長なのか!?俺は役員なんだぞ!そいつは役員じゃないんだぞ!」

竜元のブレザーの袖を、グイグイ引っ張り、竜元の意識を自分に向けさせようと必死な光

光の行動は、ある意味成功する事になる

「おい。誰が役員で、誰が役員じゃないだって?」

「俺が役員で、…!」

光は、竜元の冷たい視線に、言葉に詰まり先が言えなかった

「一体、誰が決めたことだ?俺は認めた覚えはないが?」

「っ!」

もう一つ冷たい視線を送ると、竜元は結良の手を引き、歩き始める

「えっ!会長!?」

結良は初めて見る竜元の一面に、驚きを隠せないでいた。厳格で、一見冷たく見える竜元だが、その本質は優しさから来るものだと、結良も生徒たちも知っていた。だから生徒たちの信頼は厚いのだ

そんな竜元が生徒に、ましてや初めて会ったであろう光に対して、あんなに冷たい態度をとるなんて、信じられなかった

手を引かれながら、竜元の背中を見つめる

頼もしい背中に、安堵しつつ、同時に恐怖さえ感じてしまう。もし、結良と光の立場が逆だったらと、考えるだけで、恐ろしい

変わらない様に見えた竜元が、確かに怒っているのを、結良は肌で感じた
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