9 / 45
9
しおりを挟む
「…何だよあいつ、かっカッコいいな!俺を無視するなんて…恥ずかしかったのか!?んふふ、そうか俺の気を引きたかったんだな!そうか…そうか!」
光はニヤニヤと、だらしなく顔を緩める。そしてこれからの事を想像し、興奮冷めやらぬ様子だ
光が暫くの間、大きな声で心の声を言い続けていた事は、光のみぞ知る…いや、本人すら知らないことだった
――――ガチャ
竜元は、ノックもせずに室内に入る。どうやら先程から、静かに怒りを蓄えていたらしい
「…たくっ、ノックくらいしろ!ビビるわ!」
「煩いぞ、加賀城」
低い竜元の声に、大きくため息をつき、諦めた様に来客用のソファーに座る
「んで?帰って来て、見せた面が何でそんなんな訳?」
だいたいの予想はついていたものの、いちを聞かないと、目の前のこの男は話さないだろうことも、想像できた
「…いったい何なんだあれは」
「あぁ…はは」
竜元が『あれ』と指すものが何なのか、容易に想像出来る事に、渇いた笑いが出てしまう
「それにだ。俺がいない間に、何故生徒会がこんな事になっているんだ?」
竜元の言葉に反応したのは、結良だった
「…申し訳ありません、」
「お前を責めている訳ではない」
結良の頭に手を乗せ、優しい手つきで撫でる。俯いていた結良は、竜元の顔を見ることはなかった
「あまっ…」
「…チッ」
「?」
小さな舌打ちに気づき、顔を上げた結良だったが、変わらない竜元がいるだけだった。何もなかったように、話は進んだ
「…所で、生徒会の仕事は、役員どもがやっているんだな?」
「まぁ、何とかだ。正常にではないがな」
「滞りがあると言う事か?」
「…そう言うこった。おかげで行事は延期。期限過ぎて持ってくる書類を、こっちが修正してるよ」
「…ならば、役員どもがやっている、書類の半分をこっちに回せ」
「…えっ!そんなことしたら会長がっ!」
書類の半分と言っても、かなりの量になる。しかも、行事が延期になっている位だから、通常よりも、書類の量は多い筈だ。そんな量を一人でするなんて、と結良は苦しかった3か月間を思い出し、自分の選択が、リコールを受け入れる選択をした事が、間違いだったのではないかと、後悔していた
「誰が俺一人だと言った?」
そんな結良に、竜元は言った
「え?」
「お前と俺と、でだ」
「…ええぇぇぇ!!?」
思ってもいなかった答えに、あいた口が塞がらなかった
会長は、竜元は今でも、自分を信じてくれるのか。そう思った時、驚きもあったが、喜びの方が勝っていた
光はニヤニヤと、だらしなく顔を緩める。そしてこれからの事を想像し、興奮冷めやらぬ様子だ
光が暫くの間、大きな声で心の声を言い続けていた事は、光のみぞ知る…いや、本人すら知らないことだった
――――ガチャ
竜元は、ノックもせずに室内に入る。どうやら先程から、静かに怒りを蓄えていたらしい
「…たくっ、ノックくらいしろ!ビビるわ!」
「煩いぞ、加賀城」
低い竜元の声に、大きくため息をつき、諦めた様に来客用のソファーに座る
「んで?帰って来て、見せた面が何でそんなんな訳?」
だいたいの予想はついていたものの、いちを聞かないと、目の前のこの男は話さないだろうことも、想像できた
「…いったい何なんだあれは」
「あぁ…はは」
竜元が『あれ』と指すものが何なのか、容易に想像出来る事に、渇いた笑いが出てしまう
「それにだ。俺がいない間に、何故生徒会がこんな事になっているんだ?」
竜元の言葉に反応したのは、結良だった
「…申し訳ありません、」
「お前を責めている訳ではない」
結良の頭に手を乗せ、優しい手つきで撫でる。俯いていた結良は、竜元の顔を見ることはなかった
「あまっ…」
「…チッ」
「?」
小さな舌打ちに気づき、顔を上げた結良だったが、変わらない竜元がいるだけだった。何もなかったように、話は進んだ
「…所で、生徒会の仕事は、役員どもがやっているんだな?」
「まぁ、何とかだ。正常にではないがな」
「滞りがあると言う事か?」
「…そう言うこった。おかげで行事は延期。期限過ぎて持ってくる書類を、こっちが修正してるよ」
「…ならば、役員どもがやっている、書類の半分をこっちに回せ」
「…えっ!そんなことしたら会長がっ!」
書類の半分と言っても、かなりの量になる。しかも、行事が延期になっている位だから、通常よりも、書類の量は多い筈だ。そんな量を一人でするなんて、と結良は苦しかった3か月間を思い出し、自分の選択が、リコールを受け入れる選択をした事が、間違いだったのではないかと、後悔していた
「誰が俺一人だと言った?」
そんな結良に、竜元は言った
「え?」
「お前と俺と、でだ」
「…ええぇぇぇ!!?」
思ってもいなかった答えに、あいた口が塞がらなかった
会長は、竜元は今でも、自分を信じてくれるのか。そう思った時、驚きもあったが、喜びの方が勝っていた
457
あなたにおすすめの小説
春を拒む【完結】
璃々丸
BL
日本有数の財閥三男でΩの北條院環(ほうじょういん たまき)の目の前には見るからに可憐で儚げなΩの女子大生、桜雛子(さくら ひなこ)が座っていた。
「ケイト君を解放してあげてください!」
大きなおめめをうるうるさせながらそう訴えかけてきた。
ケイト君────諏訪恵都(すわ けいと)は環の婚約者であるαだった。
環とはひとまわり歳の差がある。この女はそんな環の負い目を突いてきたつもりだろうが、『こちとらお前等より人生経験それなりに積んどんねん────!』
そう簡単に譲って堪るか、と大人げない反撃を開始するのであった。
オメガバな設定ですが設定は緩めで独自設定があります、ご注意。
不定期更新になります。
末っ子王子は婚約者の愛を信じられない。
めちゅう
BL
末っ子王子のフランは兄であるカイゼンとその伴侶であるトーマの結婚式で涙を流すトーマ付きの騎士アズランを目にする。密かに慕っていたアズランがトーマに失恋したと思いー。
お読みくださりありがとうございます。
君の恋人
risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。
伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。
もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。
不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。
目線の先には。僕の好きな人は誰を見ている?
綾波絢斗
BL
東雲桜花大学附属第一高等学園の三年生の高瀬陸(たかせりく)と一ノ瀬湊(いちのせみなと)は幼稚舎の頃からの幼馴染。
湊は陸にひそかに想いを寄せているけれど、陸はいつも違う人を見ている。
そして、陸は相手が自分に好意を寄せると途端に興味を失う。
その性格を知っている僕は自分の想いを秘めたまま陸の傍にいようとするが、陸が恋している姿を見ていることに耐えられなく陸から離れる決意をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる