転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中

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2章3〜4歳

魔物食をたくさん食べる!

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-side アクシア-


「おいひいっ」
「ふふっ!そうでしょう。うちの領地では魔物が沢山とれます。なので、魔物食の研究が盛んに行われているのです。魔物食のおいしさでは国内随一世界トップクラスですよ」


 今俺は青龍様、白虎さんとエリックと一緒にミノタウロスの串焼きを頬張っている。
 その場で炭火で焼いてくれて、あっつあつの状態で提供される。お肉はとろけるように柔らかい牛肉。あっという間になくなっちゃう。
 領主代行が財務諸表を提出してくれる間に視察という名のグルメツアーである。
 


「もっと食べたい~」
「ふふっ!分かりました」
「わーい!」

 

 ほほう。しかし、この魔物食あんまり保存はきかなさそうだ。あんまり売られていない。強いていうなら干し肉くらいだろう。ふむふむ。これは早急に保存方法を確立する必要がありそうだな。
 缶詰にしてもよし、急速冷凍からの真空パックにしてもよし、干物にしてもよし、レトルトにしてもよし。
 保存食のやり方なんていくらでもある。
 これは、俺だけではなくみんなで研究したい。父上に報告して、しばらくの課題にしよう。
 問題は、その研究資金があるかどうかなんだけれど……。うちの領地はこれを研究できるほどのお金はなさそうだよねえ。プラスチックの事業の私財があるからそれを使おうか。


『これは中々美味しいのう~』
『長い事生きてきましたがこのような食事は食べたことがありません』


 青龍様と白虎さんもこう言っているし、この世界でも珍しい食べ物なのだろう。しかも、美味しい。
 どうやら、うちの領地には相当良い料理人がいるらしい。
 ふむ。是非とも引き抜きたい。
 ただ、料理人は癖の強い人もいるからどうなのかなー。
 あと、意外と領主の屋敷での仕事ってプレッシャーとかもあるからあんまり人気ないんだよね。
 上手いこと紹介してくれて、説得できれば良いけれど。


「エリック。ここの領地で良さげな料理人引き抜いてうちのコックにしたいんだけれど、どうかな?」
「いいと思います!うちの屋敷にもここの町出身の料理人は沢山いますよ!言い方がいればアクシア様の専属料理人に是非!」
 

 何とまあ、すでに屋敷の中には沢山この町出身の料理人がいるらしい。そりゃこれだけ美味しい料理が提供される町だったら有名にもなるか。
 でもじゃあ、何でうちでは魔物食とか出ないんだろ?そう思ってエリックに聞いてみる。


「それはですね。多分うちの屋敷の組織構造上の問題ですね」
「ふむ?」
「うちで働く料理人が基本的に世襲制が多いんですよ。ほら?貴族当主に料理を出すとなると実績が必要でしょう?信頼性も必要です。そう言った料理人は、外から探すとなると非常に大変です。
一流の料理人は既に他の貴族に囲い込まれています。野良で良い料理人を探すとなると、それこそこう言ったお忍びで奇跡的な出会いをして、かつその料理人にうちで働くことを承諾していただくしかないですね。そして、やっと見つけた料理人でもやはり世襲の方よりは出世は遅いですね。特に貴族家料理長ともなると、先祖代々貴族家の専属料理人を担ってきた一族で1番優秀な方が担う場合がほとんどです」
「なるほど~それは中々メニューとか変わらなさそうだね」
「そうですね、しかし、皆様屋敷ばかりで食べるわけでもないですし、こう言ったお忍びや屋敷でお気に入りの料理人を見つけて料理を出して頂いているケースも沢山ありますよ」


 なんと……!その手があったか。
 つまり、屋敷の中にいる中堅から下っ端でこの町や地方出身の料理人を探せばこういう料理が食えるかもしれないと。


「そういう事です」


 ふむふむ。帰ったら探してみよう。
 それはそれとして、うちの領地、料理は中々魅力あるね。これは観光資源にできそう。この調子で色々民の生活をエンジョイしていくぞー!


『あれ?趣旨変わってないかのう?』
『確か、民の生活が苦しくないかの調査でしたよね?』
「……」


 --ぷるぷるぷるぷる


「それもやる!!」


 この町を案内している人からは、アハハハと苦笑いされちゃったよ。

 
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