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46泥まみれの帰還
しおりを挟む現実世界に戻された時。
普通は目が覚めてなんてことは所詮物語の中だけか。
何故私は生き埋め状態に。
「ワォォォン!」
息ができず窒息死すると思った矢先光が見えた。
そう、一条の光と思いきや。
「ワンワン!」
「へ?」
小さな光からアルフとハチが見えた。
「バウ!」
「どわぁ!」
夢かと思った刹那、ハチがすごい速さでこちらに向かってくる。
あれ?
なんかおかしくない?
背中にカキスケを乗せけて、その頭にはポッポ。
何をする気だ。
「ピィィィ!」
すごい騒音だ。
鼓膜が破れてどうにかなってしまう程だった。
周りが揺れて何が聞こえる。
「何?」
周りが揺れて、土が濡れているような。
「アンリ!無事か!」
アレクの声が聞こえる中。
「お前達、これ以上は止めろ!穴が崩れる」
崩れる?
そういえばさっきすごい音がしたのは…と思いきやまた音がして。
「わぁぁぁ!!」
「アンリ!」
水があふれ出しそのまま空高く飛ばされる。
「ワォォォン!」
「ふぎゃ!」
「アンリ!」
私はそのまま飛ばされると思いきや、アルフに乗ったアレクが私の手を掴みそのまま抱き留めてくれた。
「良かった…無事で」
「どーも」
初めてのお姫様抱っこだ。
女の子の憧れのシチュエーションだろう。
ただし泥まみれで。
「本当に無事でよかった」
「うん、泥まみれになったけど」
「あの後、大変だったんだ。君が地底に引き込まれた後に結界が敷かれてしまって。俺の魔力では水魔法には弱いからな」
凍っている王宮は水魔法が強く働いているのか。
「基本、水の精霊を使役できるのは稀だ。風や火では太刀打ちできないんだ」
水魔法ってそんなにすごいんだ。
「なんせ水の女神は女神の中でも高位女神に入るからな」
「へー…そうなんだ」
小さな女神様はそんなにすごい神様だったんだ。
なのになんて罰当たりな真似をしたんだろうか。
ある意味慈悲深い。
海よりも懐が深いと思った。
「そういえば神殿は」
「それがいきなり氷が砕かれたんだ」
「砕かれた?」
「ああ」
アルフの背に乗りながら周りを見渡すと、氷が消えている。
枯れていた川や泉から美しい水が湧き出ているだけじゃない、王宮の周りにシャボン玉が。
「水の女神の加護が戻った…いや、以前よりも加護が強くなっている」
「そうなんだ」
「王宮の中に入ってみないと解らないが…きっと」
アレクが嬉しそうに笑っている。
きっと水の女神様が助けてくれたんだろうと思った。
ただ、一つここで問題がある。
この泥まみれで王宮に入るのか私…
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