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47春の訪れ
「眩しい」
太陽の光が当たり、少し暑い。
曇りだったのにようやく太陽が顔を出したような感じだ。
「久しぶりだな」
そっか。
この国は太陽が長い間隠れていたんだ。
「王宮、すごく綺麗だね」
「俺も久しぶりだ。こんなに花が咲いている庭園は。この先には離宮があるんだ…離宮の周りの薔薇園は本当に見事なんだ」
アレクに手を引かれながら歩く中、ふと思った。
本当に何者なんだろうか。
平民ではないのは解るけど、それ以上は解らない。
でももしかしたらこの国の貴族だったりして。
国の為にここまで胸を痛めてているぐらいだし。
「アレク、今から何所に行くの?お兄さんの…」
その時だった。
慌ただしい足音が聞こえたのだ。
「アレク様!」
綺麗な女の人だった。
「ナディア!」
「アレク様!ご無事だったのですね」
「目覚めたのか」
ローブを被り杖を思っていることから魔術師かな?
それにしてもすごい美人だな。
「先ほど目覚めました。他の者達も既に目覚めています」
「では…お二人は」
「はい。国王陛下も王妃陛下も」
国王陛下?王妃陛下?
何のことだ。
「では兄上は…」
「はい。王太子殿下も目覚められました。呪いも消えておりまして」
はい?
王太子殿下が誰の兄上だって?
「水の女神アリアンナ様が目覚められました。先ほど信託が下りました…我が国に聖女様ら君臨なされたと」
「聖女?」
「信託では本日をもって聖女を選んだと」
「なんと適当な」
本当に適当だな。
聖女ってそんなポンポン選ばれるものなのか?
「そちらの方は…」
「ああ、彼女は」
「その腕輪…オリハルコンではありませんか」
「へ?」
神域で勝手につけられた腕輪に魔術師さんは驚く。
「失礼…」
「うわぁ!」
足元に魔法陣が浮かんだ。
「聖女様にお間違いございませんわ。二人の女神の加護をお持ちだなんて」
知らないと言いたいけど勝手に加護をつけられたんだ。
「結界魔法、治癒魔法。双方において最高レベルです」
「そんなに…」
水の女神の加護ってそんなにすごかったんだ。
「信託では水の女神様は、聖女様の説得によりこの地に留まることを決められたそうです。故に聖女様をこの国にて不自由なく暮らせるようにするようにと…でなければ沈めると」
「それ…脅迫じゃない」
私は頼んでない。
第一、聖女って何?
私、そんなたいそうな存在じゃない。
なのに…
魔術師さんは私を見ながらお祈りを始めた。
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