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第一章廃嫡と婚約解消
8側近大集合
しおりを挟むその後俺は表向き謹慎処分となった。
王宮内の離宮にて監視される状態だったが、自由に過ごしている。
謹慎の割には良い部屋を与えられている。
日当たりも良く、窓から見える景色は美しく、王都が一望できる。
豪華絢爛な王宮とは異なり正方形の四階建ての離宮。
カントリーハウスの小さいバージョンで俺の好きな構造だった。
「フィルベルト様!」
「じいや」
庭師のトム・ソール。
俺の世話係をしてくれてじいやと呼んで慕っていた。
「来てくれたの?」
「当然でございます。じいだけではございません」
「フィルベルト様、お待ちしておりました」
ずらりと並ぶ使用人は俺が幼少期の頃に世話をしてくれた侍女や料理人が待ち構えていた。
「どういうことだ。何で料理長がいるんだ」
「ハハッ、ご冗談を」
何がだよ。
俺は一応謹慎中で、使用人がこんなにつく必要はない。
「フィルベルト様お一人で食事の準備ができないじゃないですか」
「出来なければ出来ないなりにどうにかんるだろう。服だって質素な…」
「なりません!」
「ひぃ!」
じいやがハンカチを片手に泣き出す。
「おい」
「じいは悲しゅうございますぞ」
「仕方ないだろ、既に俺は王太子でもないんだ」
今までは王太子という立場故に優秀な家庭教師に使用人が傍に置かれていた。
特に俺の専属の料理人はかつては宮廷料理長を務めていたのだから、今後はアルセウスの傍にいるべきなのだが。
「既に辞表を提出してまりましたからな」
「何やってんのジェフ!」
「私は既に現役を退いた身なのを貴方様が無理矢理引き止めたのですぞ。パン屋でも開こうと思ってましたのに」
「いや…」
それは俺が悪いが、ジェフ程の料理人はいない。
鍋を振るわせればどんな気難しい貴族も骨抜きにする程の料理人。
「私も今さら他の方に仕えるなんて冗談ではありません」
「エヴァ!」
侍女のエヴァも引手数多なのに。
「いや、お前は結婚が決まっている身で」
「はい、婚約破棄をされました」
「何普通に笑って言ってるんだ!今すぐ取り消せ」
「嫌です」
俺の傍にいてくれた側近達は、基本俺に甘いが。
ここぞと言う時は言う事を聞いてくれないのを思い出し頭を抱える。
「お前達!もう少し冷静になってくれ」
「「「十分冷静です」」」
彼等は平民や下級貴族であるが、十分な功績に実力がある。
国王陛下から爵位と領地を与えられてもおかしくない程の働きをしているのに。
万一俺と一緒に来るなんて言ったら…
「王宮を崩壊させる気か!」
じいやは王宮庭園の最高責任者だ。
王都の花屋を握っていると言っても過言ではなく王族主催のお茶会や、舞踏会で展示される花はすべてじいやが任されている。
ジェフは元宮廷料理人最高責任者だった。
今では別の人間が料理長をするも、大事な晩餐会ではジェフがレシピを提供している。
ソムリエとしても優秀だ。
そしてエヴァ若手の侍女の中では一番優秀で女官長からも太鼓判を押されており、語学が堪能だ。
他国の王族や貴族を招く際には通訳も任せる程だ。
給仕係も申し分ない。
これだけの人材を辺境地に同行させたらどうなる。
考えたくないな。
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