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第二章北方四島の絆
10乱入者
しおりを挟む伝令晶とは、王家でも貴重な魔道具の一種だ。
俺の前世でいいうテレビのような物で、電波を使って発信する。
ただ問題なのは王都のように至る場所に魔石が設置されていれば映像は送れる。
いうなれば電波発信して受信する物が必要だが、辺境地にはない。
だが海底にはまだ発見されていない魔石が沈んでいる。
キーアの話曰く、海に映像を送れば魔石が反応して空に立体的な映像を送れる。
そして海から海へ繋ぐことにより小さな映像を複数発信できることだ。
しかし問題は、辺境地に発信する上で俺の一存でできる事ではない。
伝令晶を使うならば許可を得なくてはならない。
「母上に許可を取らなくてはならないが、そうなると廃嫡になった俺が表立つのは問題だ」
「フィルベルト様」
「俺が目立てばアルセウスの今後にも問題が生じるだろう」
何より俺の後見人になるとまで言ってくれたムートンにも迷惑がかかる。
王家や強硬派の貴族達は未だに彼等を敵と考えている。
彼等は国を思えばこそ、独立を望むのは嘘だったのだと解る。
「俺は和解を望む。北方三領地を守る彼等の誇りを汚したくないんだ」
彼等の誇りを守りながら国を守る方法を考えたいがすべてを欲しがるのは我がままだろうか。
「彼等は国を愛している。王家だって国を思う者は多い」
一部の馬鹿な連中が悪だくみを考えているのは確かだが。
「ならば存分にするがよい!」
「何ですか貴方は!」
いきなり堂々と邸に入って来た男にステラは敵意をぶつける。
「ステラ、こちらは…」
「会いたかったぞ我が愛しのフィル!」
「きゃああ!変態ですわ!」
俺にいきなり抱き着き、ステラは悲鳴を上げる。
「フィルベルト様が男に襲われてますわ!レック様!早くなんとかして…いいえ、こうなったら私がします!」
「落ち着いてくださいステラ。大丈夫です」
「愛しのフィルよ!お前を求めてここまで来たぞ」
だから誤解を招く事を言わないでくれ。
「ストーカーですね!」
完全にステラが誤解しているじゃないか。
「ベル叔父上!」
何だってこの人は行動一つ、一つが突拍子がないんだ!
「叔父様ですか」
「ええ、王弟殿下です」
げんなりした表情で説明する。
本人を目の前にしていうことじゃないだろ?
「ベルナール様、いい加減にしてくださいませんか」
「何だ?相変わらず冷めているな」
無理矢理引きはがしてくれたレックに感謝するけど。
よく堂々と領地にこれたものだな。
「叔父上、どうして…」
「この私に不可能はない!愛しの甥が冤罪で廃嫡になり王都から追放され流罪になったと聞いて急いで駆けつけたんだ」
いや、何それ?
俺は世間でそんな風に思われてんの!
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