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第二章北方四島の絆
閑話4第二王子の失態①
しおりを挟むフィルベルトとその側近が王宮を出て後日。
王宮内では波紋が広がっていた。
これまで回っていた仕事が滞りがちになった。
人手不足に、これまで問題なくできていた事ができなくなった。
フィルベルトによって引き上げられていた官僚は理不尽な解雇命令を下され、官僚の入れ替えとなった。
新しい官僚補佐は不慣れな事もあり書類に関してもミスが多かった。
何より職場がギスギスしており、居心地は最悪だった。
王宮内に飾られていた花は薔薇や百合のような豪華な花に変えられるも、宮廷庭師のトムがいないので花が枯れることが多かった。
長期間薔薇を美しく保つだけではなく王宮内の温度管理は難しい。
トムが長年行っていた管理はアルセウスは廃止にした。
フィルベルトの行った改革や、側近の影を全て消したかった。
その結果が、最悪な形で表れていた。
「アルセウス様、こちらの書類ですが不備があるようで」
「そんなはずは…」
「予算が合わないと…」
「何故そんな事まで僕が!」
机に置かれる書類の山。
予算の見直しだけでなく、同盟国から渡された手紙は共通語ではなかった。
「おい通訳は…」
「先日、殿下が解雇なさいました」
「何だと!あの使えない男が…」
役職も確認せずに早々に辞めさせた。
お情けで職を得ている者は必要ないと、アルセウスは通訳係を辞めさせた。
「後任がいただろう」
「彼は通訳はできますが、他国の言語…古語までは解りません。王宮勤めで古語が解る者はあの者が最後でした」
千年以上の歴史を持つ国の王家は字に癖がある。
代筆する場合は癖を出さないけど、年配の人は時々あるのだが。
「何で古語なんて使うんだ。何とかしろ」
「そう申されましても私は管轄外ですので…殿下の直筆でお書きになったらいかがでしょうか」
「もういい!無能が!」
手紙を奪い取り、アルセウスは内容を読むもまったく読めなかった。
(どうせこの手の手紙は同じだ)
内容を読まずに、適当に返答をした。
その結果。
先方を怒らせ尚且つ手紙と一緒に添えた贈り物にした品を怒り外交問題となった。
「アルセウス。お前は先代から付き合いのあるルーティン帝国に無礼を働いたそうだな」
「は?」
「ルーティン側は皇女病である中、百合の花を贈られたと…闘病中に百合を贈る行為は何を意味しているか解っているのか!病気が助からない…死を意味しているのだぞ!」
薔薇や百合は女性が好む花だが、その場で使い分けなくてはならない。
ルーティン帝国では百合の花は好まれるも、色によって不吉を意味していた。
特に闘病期間中に真っ白な百合を贈る行為は天国に召される意味を持つのだったが、そんなこともアルセウスは知らなかった。
「何故皇女殿下の病にて医師の派遣を頼まれて百合を贈った」
「それは…」
手紙をちゃんと見ていなかったなんて言えるはずもない。
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