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第二章北方四島の絆
閑話5心温まる贈り物②
しおりを挟む贈り物の寝具は、羽根布団が入っており。
掛布団は鶴の刺繍が施されており、東帝国では栄光の象徴と同時に鶴は長生きの証だった。
病床に臥して死の恐怖に耐える皇族に鶴の置物や、身につける物を差し出したと言われる。
祈りを込めて鶴の刺繍をすれば天に祈りが届くとも言われているのだ。
「フィルベルト殿…」
手紙にはただ、エセリラへの気遣いの手紙と。
何時か羽ばたく日を心から祈ると書かれていたのだ。
そしてもう一つ。
ジューリアを喜ばせたのはラベンダーの花束だった。
「ラベンダーのは言葉は許し合い、私は待っています」
「なんと…」
「フィルベルト殿下は皇女殿下が回復するのを待ってくださると」
誰もが助からない。
死を待つだけだと口さがなく言ってジューリアを苦しめる中、フィルベルトは再び公に出る事を信じて疑わなかった。
「噂では辺境地に飛ばされたと聞きます」
「これだけの布に、寝具を揃えるのは大変だったでしょう」
侍女達は辺境地の貧しさを理解していた。
王都よりも者が少ないのにこれほどの寝具をそろえるにはお金だけでなく労力もいるのにもかかわらずフィルベルトは惜しまなかった。
「ありがたい…誠に」
「ランタニア王国は馬鹿ではございませんか」
「そうです。このようにお優しい方を」
侍女達だけでなく女官は怒りを覚えた。
君主としては頼りなさはあれど、完璧な君主はいない。
「あの方は優し過ぎたのであろうな」
「確かに弱みになりますが…暴君に民はついていきません」
「解っておらぬのか…それともベニー妃はあえて国から出す気なのか…」
賢妃と呼ばれるヴェロニカがフィルベルトを手放すとは思えない。
今回の不祥事もあえて王都から追放したのではないかと思ったジューリア。
「いかがなさいますか」
「無論、私はフィルベルト殿を支持する」
ジューリアは頼りなさがあれど、フィルベルトの聡明さを知っていた。
王として一番必要な器を持ち、他国と外交をこなす中で一番必要なものを持っていたからだ。
「エセリラの寝具を今すぐ交換し、品を届けよ」
「かしこまりました」
既に自分の力で起き上がれないエセリラは生きる気力も失っている。
なんとしても元気づけたかったジューリアは。
(今は王子ではない、廃嫡されたと言っていたな)
娘の為に妙案を浮かべた。
「エレンフリークに使者を!」
生きる事に絶望した娘に希望を与える方法は一つ。
ジューリアは急ぎ筆を執った。
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