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第三章真実の聖女
8お忍びで帰還
しおりを挟む何も知らないメアリは手厚く招かれた後にサリアンに世話を焼かれ汚れた服を着替えさせられる。
「どうかお許しくださいませ。本来ならばこのような服を」
「いいえ、着替えをお貸しくださりありがとうございます」
サリアンは視察団の装いをしながらも申し訳なさそうにするもメアリが笑顔のままでお礼を言う。
「ありがとうございます」
「私、こういう服装してみたかったんです」
嬉しそうにするメアリにサリアンは笑顔を浮かべながらも。
「いいですか、猊下の身の安全を守る為に魔女に近づかせてはなりません」
「はい」
「一足先に自称聖女の調査をさせてあります」
噂だけ鵜呑みにするつもりはないが、既に良くない噂は流れてる。
学園内で聖女を自称しているならば正教公国の代表としては見逃せないのだ。
例え未成年であってもだ。
これが平民ならば注意だけで済まされるが貴族令嬢だったのならば注意だけでは済まされないのだ。
「猊下の存在が非公開であっても聖女を名乗るなど言語道断。悪気がなく善良な方なら厳重な注意と親御さんに注意をして後は陛下に任せることも可能…ですが」
「万一猊下に危害を加えるならな」
「我れらも出る所まで出ますわ。猊下を傷つける事は許されぬのです…例え一国の王でも」
サリアンの表情は厳しい物だった。
「健やかなにお育ちの猊下はとても素晴らしい女性にお育ちです。少々元気良すぎですが」
「うむ…メアリ様は本当にお優しい方でのぉ?腰のマッサージをしてくださってのぉ」
既にペドロは孫を慈しむような目だった。
何も知らないメアリは視察団として学園に戻ることになっていた
そして学園に戻るメアリだった。
(あ、殿下達に連絡するのを忘れてた)
いなくなって心配していると思い、メアリは視察団の後を追いかけながら探す事にした。
(そう言えばこれを持って来たままだったな)
ソーマらか預かった水晶玉を鞄に入れたまま、後で返そうと思ったが。
「あ、まずい…」
水晶を鞄に入れるもチャックが開いていた事に気づかなかった。
「ガァ!」
「ガァァァ!」
傍を通りかかった魔鳥が水晶玉を咥えて去っていた事に気づかなかった。
それがとんでもない状況を引き起こすことになるとも知らずにいた。
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