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第三章真実の聖女
7大戦の英雄
しおりを挟む公の場で期待を持たされたアークは。
「おいアーク。聞いたぞ」
「すごいじゃないか。ティエルド様に期待されるなんて…しかも何度の高い森に推薦なんて羨ましいな」
「あの方に言葉をかけてもらうなんて。この騎士団団長様と同期であらした方に声をかけてもらうなんて」
「は?」
近衛騎士とは騎士の中でも誉れで一番の出世頭だった。
団長クラスとなれば王族と婚姻する事も許される程地位が高いのだ。
「本来ならティエルド様とマキシマム様は騎士団の中では同期だったらしいが、ダントツにティエルド様の方が優れていたそうだ」
「だが、ティエルド様は騎士としての名誉よりも国を、民を守る騎士になるとおおせになったぞうだ」
「今でも近衛騎士に戻って欲しいと言われているそうだ」
(なんだって!)
アークは騎士団にあまんじて、出世もしないティエルドを無能だと見下していた。
功績もあまり残さず、身分の低い妻が亡くなって以来再婚もしないなんて馬鹿だとも思っていたのだが。
「奥方が国一番の治癒師でかつては国王陛下に求婚されたと言われるしな」
「陛下とティエルド様で奪い合ったらしいぞ。まぁティエルド様の圧勝だったらしいな!」
(聞いてないぞ…そんな!)
何一つ知らなかった。
アークとメアリが婚約した時には既にメアリーの母は亡くなっていた。
特に興味もなかった。
戦場の治癒師と呼ばれるも、治癒師を重用していなかった。
後方支援しかできない治癒師を尊敬していなかった事もあるが、聖騎士のスキルを手にしてからは守って貰って安全な場所にいるだけの卑怯者とも思う様になり始めたのだ。
いかに治癒師として優れていても治癒よりも攻撃魔法が使える魔術師の方が優れている思っていたのだ。
「俺もティエルド様が舅ならどんなに幸せか」
「だよな?大戦の英雄だぞ?奥方も多くの騎士を救うために命がけで治癒を行ったらしいからな。彼女がいらっしゃらなかったら王家は滅んでいてもおかしくない」
「ああ、それだけ功績がある。騎士団、近衛騎士の癒しの姫君だ。まず彼女を軽んじたら袋叩きだよな!ははは」
(何がはははだ!)
愛想笑いをしながらもアークは冷や汗が止まらなかった。
そんな中騎士科の先輩達の呑気な表情にイラっとするすのだが、更に追い打ちをかける言葉をかけられることになるのだった。
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