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1.買われた結婚
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「愛されるなんて思うな。お前の欲しいものは手に入ったんだ、満足だろうよっ。金と引き換えに自分を売るとはなんて浅ましい女なんだ!」
初夜の前に夫ルイアンから掛けられた最初の言葉は、嘘偽りのない彼の思いだった。
…そうよね……。
彼に気づかれないようにそっと息を吐く。
好かれているとは思ってはいなかった。でもここまで嫌悪されているとも思っていなかった。
彼と私の結婚は契約だった。
私の家は由緒正しき伯爵家だけれども、それは表向きの話であって実際は没落寸前だった。
数年前に流行病で父が亡くなったあと、財産の大半は親切面した縁戚に騙し取られてしまった。でも病気がちな母にはそれを取り返す術も気力もなかった。そして子供だった私と妹達はそんな母を慰めることだけで精一杯だった。
残った僅かな蓄えでなんとか暮らしていたが、それがそこを尽きるのも時間の問題。
そんな時にナンバル子爵家から結婚の申し出を受けたのだ。
ナンバル子爵家は裕福だが、金で爵位を買ったと陰では言われている家だった。
現当主であるナンバル子爵は元は商人で借金の肩代わりを条件に娘婿となり、前当主亡き後にその座に収まったのである。
法律上はなんの問題もない。でも貴族はこういう話を面白おかしく話したがる。
だから禄に社交界にも出ていない私の耳にも噂は入ってきていたのだ。
母も二人の妹達も結婚には反対だった。
『シンシア、そんな結婚では幸せになれないわ』
『シンシアお姉さま、受けてはだめよ。ただ爵位が欲しいだけだわ』
『シンシアねえさま、結婚しないで!』
…分かっているわ、この結婚が幸せなものではないことぐらい。
でも私が求めているのは幸せではない。
母と妹達が死ななくてもいい方法だった。
このままでは財が尽きたらどうなるのか。
頼れる親戚はいない状況に、貴族の生活しか知らない病弱な母とまだ幼い妹達。
私が運良く仕事を見つけたとしても、一人で三人も養うのは到底無理で、早々に生活が立ち行かなくなるのは目に見えている。
そうなれば女である私達が行き着く先は娼館ぐらいだろう。娼婦として生きるのは簡単なことではないのは、私でも知っている。
……生きられないわ、きっと。
先に息絶えていくのは母か、それともまだ幼い妹か。
――そんな未来は見たくない。
だから私シンシア・ブラックリーは、ナンバル子爵家の次男ルイアン・ナンバルと結婚した。
ナンバル子爵の望み通りルイアンは私の夫となったことでブラックリー伯爵家の当主となり、その見返りとして我が家の負債の肩代わりと母と妹達への生活の援助をナンバル子爵は約束した。
絵に描いたような完璧な政略結婚。
そこにルイアンの意思はなかったと聞いている。
それを裏付けるように手紙さえ一度も届くことはなかった。
初めて会ったのは結婚式当日。
新郎の蔑んだ眼差しとナンバル子爵家の財力に見合わない慎ましい式。この結婚に対するルイアンの思いが感じ取れた。
ふぅ、…覚悟はしていたけれどもね。
分かっていたことだけれども、正直ここまでとは思っていなかった。
もう少し大人の対応をしてくれるかと思っていたし、仲睦まじい両親を見て育ったので努力すればと淡い期待をまだ捨てきれずにもいた。
でも現実は厳しいものだった。
初夜に臨もうとする前にわざわざ罵る必要なんてない。
神の前で誓いを立て夫婦になったからといって、胸の内をすべて言葉にする義務なんてないのだから…。
でも言わずにはいられないほど、彼は私のことを嫌っているということなのだろう。
「…分かっています」
「はんっ、可愛げもないなんて最悪だ。見た目は儚げなのに中身は強欲なんて詐欺だなっ!」
私にはそれしか言えなかった。どんな理由があれど援助と引き換えに結婚したのは事実だから…。
泣きもせずに彼の言葉に頷く私は、彼の目には生意気な女としか映らなかった。
強がっているとは思わなかったらしい。
そんなふうに考え、気遣う価値もない相手ということなのだろう。
そのあと義務だとばかりに私を抱いたルイアン。
顔をみたら萎えてしまうと言い放ち、私をうつ伏せにして淡々と済ませていく。
――だから彼は知らない。
私が枕を噛みしめて嗚咽をこらえていたことを。
胸の下に置かれた手がシーツを握りしめていたのは、震えを誤魔化すためだったことを。
彼は素早くことを終えると、優しい言葉を掛けることなく私を一人部屋に残して出ていった。
笑ってしまうほど悲惨な初夜。
政略結婚だけれども歩み寄って頑張ろうという淡い思いも打ち砕かれた。
でもある意味彼は優しい人でもあるのだろう。
期待を抱かせないということは、この先私が傷つくこともないのだから。
だって期待するから傷つくのであって、最初から相手になんの思いもなければこれ以上傷つきはしない。
貧乏伯爵家の長女としてそれなりに苦労をして育った私の思考は、かなり現実的で逞しい。
最悪の始まりだからこそ、これからどんなことがあろうとも動じずにいられる。
良い意味でそう割り切れることが出来た。
◇ ◇ ◇
それから私とルイアンは表向きは順調とも言える結婚生活を送っていた。
社交界ではなんの問題もない夫婦を演じ、家では必要最低限の会話のみで喧嘩もしない。
ナンバル子爵家の両親からは『子供はまだか』と会うたびに責められていたが、最近では諦めたのか言われることもない。どうやら子供が出来なかったら、ナンバル子爵家から養子を取らせようと考えを変えたらしい。
結婚して七年が経つけれど、お互いに離縁は考えていない。
私の母は五年前に亡くなっていたが、妹達はナンバル子爵家という後ろ盾を得て二人とも良縁に恵まれ幸せな結婚生活を送っている。
――それを壊すつもりはない。
それにナンバル子爵家は大金をはたいて手に入れた由緒正しき伯爵家を手放すつもりはないようだ。いろいろと利用価値があるからだろう。
お互いの利害が一致しているから続く結婚生活。
そんな生活が変わり始めたのは、ルイアンに愛人が出来た数ヶ月前からだった。
今までの浮気と違うことにはすぐに気づいた。
今までは私への興味など一切なかったから、その態度は無視に近いものがあった。
それなのに妻という地位にいる私を許せないというかのように『なんでお前が妻なんだ…』と目で訴えてくる。
ただ言葉にはしてこないから、私は気づかないふりをしていた。
この結婚をやめるのは私の意思では出来ない。
否、妹達の生活に影響を及ぼすことを考えたら私からは離縁を言い出すことは出来ない。
夫から言われた場合は、条件をつけて受け入れるつもりだけれども‥。
でもナンバル子爵家は夫の離縁を決して許さないだろう。なぜなら私と離縁したらルイアンはブラックリー伯爵でなくなってしまうからだ。
――この結婚は当人同士の問題ではない。
それが彼も分かっているからこそ、何も言ってこないでいる。
賢いのか、それとも逆らえないだけなのか。
たぶん両方なんだろう。
ルイアンはいたって普通の人で、…私も同じ。
……たぶん、このまま何も変わらないわ。
そう思っていたけれども、彼は突然変わった。
「シンシア、大丈夫か?ほらこれを飲むといい。咳に効くと評判の薬を取り寄せたんだ、君のために」
「…ゴッホ、ゴ、……。…あり…と‥ゴッ…ぅ」
一ヶ月ほど前から体調を崩した私に、夫は優しい言葉とともに薬を差し出してくる。
最初は善意からだと信じていた。結婚してから風邪一つ引いたことがない私を心配してくれていると…。
意外だと思ったけれど、人としてそれは普通のことだから疑ったりはしなかった。
貴族らしく愛人がいても、家族としてのささやかな情はあったのね。
生涯をともにする者同士としてその気遣いを嬉しく感じていた。
でもそれが違うのだと知ったのは、それからすぐのことだった。
初夜の前に夫ルイアンから掛けられた最初の言葉は、嘘偽りのない彼の思いだった。
…そうよね……。
彼に気づかれないようにそっと息を吐く。
好かれているとは思ってはいなかった。でもここまで嫌悪されているとも思っていなかった。
彼と私の結婚は契約だった。
私の家は由緒正しき伯爵家だけれども、それは表向きの話であって実際は没落寸前だった。
数年前に流行病で父が亡くなったあと、財産の大半は親切面した縁戚に騙し取られてしまった。でも病気がちな母にはそれを取り返す術も気力もなかった。そして子供だった私と妹達はそんな母を慰めることだけで精一杯だった。
残った僅かな蓄えでなんとか暮らしていたが、それがそこを尽きるのも時間の問題。
そんな時にナンバル子爵家から結婚の申し出を受けたのだ。
ナンバル子爵家は裕福だが、金で爵位を買ったと陰では言われている家だった。
現当主であるナンバル子爵は元は商人で借金の肩代わりを条件に娘婿となり、前当主亡き後にその座に収まったのである。
法律上はなんの問題もない。でも貴族はこういう話を面白おかしく話したがる。
だから禄に社交界にも出ていない私の耳にも噂は入ってきていたのだ。
母も二人の妹達も結婚には反対だった。
『シンシア、そんな結婚では幸せになれないわ』
『シンシアお姉さま、受けてはだめよ。ただ爵位が欲しいだけだわ』
『シンシアねえさま、結婚しないで!』
…分かっているわ、この結婚が幸せなものではないことぐらい。
でも私が求めているのは幸せではない。
母と妹達が死ななくてもいい方法だった。
このままでは財が尽きたらどうなるのか。
頼れる親戚はいない状況に、貴族の生活しか知らない病弱な母とまだ幼い妹達。
私が運良く仕事を見つけたとしても、一人で三人も養うのは到底無理で、早々に生活が立ち行かなくなるのは目に見えている。
そうなれば女である私達が行き着く先は娼館ぐらいだろう。娼婦として生きるのは簡単なことではないのは、私でも知っている。
……生きられないわ、きっと。
先に息絶えていくのは母か、それともまだ幼い妹か。
――そんな未来は見たくない。
だから私シンシア・ブラックリーは、ナンバル子爵家の次男ルイアン・ナンバルと結婚した。
ナンバル子爵の望み通りルイアンは私の夫となったことでブラックリー伯爵家の当主となり、その見返りとして我が家の負債の肩代わりと母と妹達への生活の援助をナンバル子爵は約束した。
絵に描いたような完璧な政略結婚。
そこにルイアンの意思はなかったと聞いている。
それを裏付けるように手紙さえ一度も届くことはなかった。
初めて会ったのは結婚式当日。
新郎の蔑んだ眼差しとナンバル子爵家の財力に見合わない慎ましい式。この結婚に対するルイアンの思いが感じ取れた。
ふぅ、…覚悟はしていたけれどもね。
分かっていたことだけれども、正直ここまでとは思っていなかった。
もう少し大人の対応をしてくれるかと思っていたし、仲睦まじい両親を見て育ったので努力すればと淡い期待をまだ捨てきれずにもいた。
でも現実は厳しいものだった。
初夜に臨もうとする前にわざわざ罵る必要なんてない。
神の前で誓いを立て夫婦になったからといって、胸の内をすべて言葉にする義務なんてないのだから…。
でも言わずにはいられないほど、彼は私のことを嫌っているということなのだろう。
「…分かっています」
「はんっ、可愛げもないなんて最悪だ。見た目は儚げなのに中身は強欲なんて詐欺だなっ!」
私にはそれしか言えなかった。どんな理由があれど援助と引き換えに結婚したのは事実だから…。
泣きもせずに彼の言葉に頷く私は、彼の目には生意気な女としか映らなかった。
強がっているとは思わなかったらしい。
そんなふうに考え、気遣う価値もない相手ということなのだろう。
そのあと義務だとばかりに私を抱いたルイアン。
顔をみたら萎えてしまうと言い放ち、私をうつ伏せにして淡々と済ませていく。
――だから彼は知らない。
私が枕を噛みしめて嗚咽をこらえていたことを。
胸の下に置かれた手がシーツを握りしめていたのは、震えを誤魔化すためだったことを。
彼は素早くことを終えると、優しい言葉を掛けることなく私を一人部屋に残して出ていった。
笑ってしまうほど悲惨な初夜。
政略結婚だけれども歩み寄って頑張ろうという淡い思いも打ち砕かれた。
でもある意味彼は優しい人でもあるのだろう。
期待を抱かせないということは、この先私が傷つくこともないのだから。
だって期待するから傷つくのであって、最初から相手になんの思いもなければこれ以上傷つきはしない。
貧乏伯爵家の長女としてそれなりに苦労をして育った私の思考は、かなり現実的で逞しい。
最悪の始まりだからこそ、これからどんなことがあろうとも動じずにいられる。
良い意味でそう割り切れることが出来た。
◇ ◇ ◇
それから私とルイアンは表向きは順調とも言える結婚生活を送っていた。
社交界ではなんの問題もない夫婦を演じ、家では必要最低限の会話のみで喧嘩もしない。
ナンバル子爵家の両親からは『子供はまだか』と会うたびに責められていたが、最近では諦めたのか言われることもない。どうやら子供が出来なかったら、ナンバル子爵家から養子を取らせようと考えを変えたらしい。
結婚して七年が経つけれど、お互いに離縁は考えていない。
私の母は五年前に亡くなっていたが、妹達はナンバル子爵家という後ろ盾を得て二人とも良縁に恵まれ幸せな結婚生活を送っている。
――それを壊すつもりはない。
それにナンバル子爵家は大金をはたいて手に入れた由緒正しき伯爵家を手放すつもりはないようだ。いろいろと利用価値があるからだろう。
お互いの利害が一致しているから続く結婚生活。
そんな生活が変わり始めたのは、ルイアンに愛人が出来た数ヶ月前からだった。
今までの浮気と違うことにはすぐに気づいた。
今までは私への興味など一切なかったから、その態度は無視に近いものがあった。
それなのに妻という地位にいる私を許せないというかのように『なんでお前が妻なんだ…』と目で訴えてくる。
ただ言葉にはしてこないから、私は気づかないふりをしていた。
この結婚をやめるのは私の意思では出来ない。
否、妹達の生活に影響を及ぼすことを考えたら私からは離縁を言い出すことは出来ない。
夫から言われた場合は、条件をつけて受け入れるつもりだけれども‥。
でもナンバル子爵家は夫の離縁を決して許さないだろう。なぜなら私と離縁したらルイアンはブラックリー伯爵でなくなってしまうからだ。
――この結婚は当人同士の問題ではない。
それが彼も分かっているからこそ、何も言ってこないでいる。
賢いのか、それとも逆らえないだけなのか。
たぶん両方なんだろう。
ルイアンはいたって普通の人で、…私も同じ。
……たぶん、このまま何も変わらないわ。
そう思っていたけれども、彼は突然変わった。
「シンシア、大丈夫か?ほらこれを飲むといい。咳に効くと評判の薬を取り寄せたんだ、君のために」
「…ゴッホ、ゴ、……。…あり…と‥ゴッ…ぅ」
一ヶ月ほど前から体調を崩した私に、夫は優しい言葉とともに薬を差し出してくる。
最初は善意からだと信じていた。結婚してから風邪一つ引いたことがない私を心配してくれていると…。
意外だと思ったけれど、人としてそれは普通のことだから疑ったりはしなかった。
貴族らしく愛人がいても、家族としてのささやかな情はあったのね。
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