初恋のその先へ〜手を差し伸べたのは大人になったあなたでした〜

※この作品は『贖罪〜あなたが選んだのは私ではありませんでした〜』に出てくる登場人物ミン団長のお話です。そちらを読まなくても大丈夫ですが、読んでいただいたほうがより楽しめるかと思います。


『愛されるなんて思うな。金と引き換えに自分を売るなんてなんて浅ましい女なんだ!』

初夜の前に夫が伝えてきたのは嘘偽りのない気持ちだった。それから結婚して七年経つけれども、夫婦仲は変わっていない。

――私に興味を示さない夫。

それでも結婚生活は悲惨というほどでもなかった。それは私も早々に彼への期待を捨てたからだろう。

そんな私と夫との関係が変わり始めたのは数ヶ月前からだった。

――体調を崩しがちになった私に薬を差し出してくる優しい夫。

でもその優しさが本物ではなかったことを私は知った。
 たぶん、これが体調を崩している原因…。

そんな私の前に現れたのは、少年の頃の面影を残した年下の幼馴染みだった。
『うぁー!シン姉、久しぶり』
『大きくなったわね、ジェイ』
昔と同じで真っすぐな彼はとても眩しかった。

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