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20.壊れた番②
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一人になった私は考える。
獣人の特徴が増したことによって本能に囚われ番を追い求めてやまない。それが今の私だ。
けれども竜王様はどうだろうか…。
同じ気持ちでいるのだろうか、それとも違うのだろうか…。
……分からない。
彼はただの獣人ではない、その血は純血なうえ至高の存在といわれている竜人だ。
一般の獣人とはきっと違うのだろう。
だから本能を強靭な心で押さえることも可能なのかもしれない。
もしや番は彼にとって枷なのだろうか?
本当は番を望んでいない…?
本能に導かれ私をここに連れて来た後に後悔したのだろうか…。
だからここに来ない…一度も…来ない。
獣人は番と巡り合ったら『本能=心』のはずだが、何事にも絶対などない。
もし本能に理性が打ち勝ったとしたら…どうなるの?
ガクガクッ……。
恐ろしい考えに身体が震えてしまう。
私が辿り着いた答えは『番の拒絶』だった。
そう考えればすべてが納得がいった。
・会いに来ない竜王。
・何不自由ない生活だが、手紙の一枚も送られてこない現実。
・他人行儀な家族。きっと私が竜王様から嫌われているのを知って疎ましく思った結果だろう。
・後宮の継続。
すべての事象が導き出した答えにぴったりと繋がっていく。
もしかしたら間違っているかもと、縋る思いで何度も何度も考え直すが、辿り着く答えは変わらなかった。
『竜王様には番はいらない。
彼の幸せの為には私は必要ない』
自分で出した正解に打ちのめされる。
どんなに厭われていても、番である竜王様を想う気持ちは変わらない。それどころか増している。
それは抗えない獣人の本能なのかもしれないが、この想いは私にとって真実だ。
でも竜王様の気持ちを知った今は『番を幸せにすること』に全力を注がなければと心が教えてくれる。
番の幸せこそが私の幸せ。
真剣に番の幸せを考えていると、ふいに鏡に映ったあの子が話し掛けて来た。
『アン、ミツケタミタイダネ。シアワセダト、オモウコト』
『ええ…、見つけたけど、具体的にどうすればいいかは分からなくて…』
『クスクス。アン、ウソハヨクナイヨ。
モウワカッテイルジャナイ。リュウオウガノゾムコトハ、アレシカ、ナイデショウ』
勿体ぶった言い方をされイラッとする。
苛立ちを隠さずに鏡を睨むと、鏡の中にいるはずのあの子の声と私の声がなぜか重なって聞こえてくる。
スキデモナイ番が永遠にソバにいたら竜王様はシアワセニナレナイワ。
フフフ、ワカッテイるでしょう~♪
分からナイフリはモウ止めましょう、アン。
彼はきっと貴女のシをヨロコぶわ。
分かるでしょウ?
考えるまでもないカンタンなことだわ。
クスクス、ククッ……。
ねぇ、番を幸せにできるのはアナタだけよ。
解放してあげましょうよ~。
ふふ、言ってやったわ。
あーすっきりした、あっはっは…はっは……。
耳をいくら塞いでも頭の中に笑い声が響いてくる。
鏡のなかにいるあの子のほうを見るとそこにあの子はいなかった。
狂ったように笑っている私自身の姿が映っているだけ。
えっ…、わ、わた…し…。
あれ…は、わた…。
戸惑っているはずなのに、鏡に映る私は醜く笑っている。
あっは…っはっは…。
うふふ、あはは…、…うっうう…ぅくっ…。
狂気に満ちた笑いと嗚咽が止まらない。
なぜか涙まで流れている。
…絶対にしてみせるわ、絶対に。
だってそれが『私が幸せだと思うこと』だから。
あっはっは…、あっはっは。
これでみんな幸せよ。
彼はきっと笑ってくれるわ…。
私とあの子が一つに重なる、番を幸せにできる完璧な私になれたのだ。
もう朧気となっている番の笑った顔を思い出しながら、自分が番を幸せ出来る幸福感に酔いしれていた。
獣人の特徴が増したことによって本能に囚われ番を追い求めてやまない。それが今の私だ。
けれども竜王様はどうだろうか…。
同じ気持ちでいるのだろうか、それとも違うのだろうか…。
……分からない。
彼はただの獣人ではない、その血は純血なうえ至高の存在といわれている竜人だ。
一般の獣人とはきっと違うのだろう。
だから本能を強靭な心で押さえることも可能なのかもしれない。
もしや番は彼にとって枷なのだろうか?
本当は番を望んでいない…?
本能に導かれ私をここに連れて来た後に後悔したのだろうか…。
だからここに来ない…一度も…来ない。
獣人は番と巡り合ったら『本能=心』のはずだが、何事にも絶対などない。
もし本能に理性が打ち勝ったとしたら…どうなるの?
ガクガクッ……。
恐ろしい考えに身体が震えてしまう。
私が辿り着いた答えは『番の拒絶』だった。
そう考えればすべてが納得がいった。
・会いに来ない竜王。
・何不自由ない生活だが、手紙の一枚も送られてこない現実。
・他人行儀な家族。きっと私が竜王様から嫌われているのを知って疎ましく思った結果だろう。
・後宮の継続。
すべての事象が導き出した答えにぴったりと繋がっていく。
もしかしたら間違っているかもと、縋る思いで何度も何度も考え直すが、辿り着く答えは変わらなかった。
『竜王様には番はいらない。
彼の幸せの為には私は必要ない』
自分で出した正解に打ちのめされる。
どんなに厭われていても、番である竜王様を想う気持ちは変わらない。それどころか増している。
それは抗えない獣人の本能なのかもしれないが、この想いは私にとって真実だ。
でも竜王様の気持ちを知った今は『番を幸せにすること』に全力を注がなければと心が教えてくれる。
番の幸せこそが私の幸せ。
真剣に番の幸せを考えていると、ふいに鏡に映ったあの子が話し掛けて来た。
『アン、ミツケタミタイダネ。シアワセダト、オモウコト』
『ええ…、見つけたけど、具体的にどうすればいいかは分からなくて…』
『クスクス。アン、ウソハヨクナイヨ。
モウワカッテイルジャナイ。リュウオウガノゾムコトハ、アレシカ、ナイデショウ』
勿体ぶった言い方をされイラッとする。
苛立ちを隠さずに鏡を睨むと、鏡の中にいるはずのあの子の声と私の声がなぜか重なって聞こえてくる。
スキデモナイ番が永遠にソバにいたら竜王様はシアワセニナレナイワ。
フフフ、ワカッテイるでしょう~♪
分からナイフリはモウ止めましょう、アン。
彼はきっと貴女のシをヨロコぶわ。
分かるでしょウ?
考えるまでもないカンタンなことだわ。
クスクス、ククッ……。
ねぇ、番を幸せにできるのはアナタだけよ。
解放してあげましょうよ~。
ふふ、言ってやったわ。
あーすっきりした、あっはっは…はっは……。
耳をいくら塞いでも頭の中に笑い声が響いてくる。
鏡のなかにいるあの子のほうを見るとそこにあの子はいなかった。
狂ったように笑っている私自身の姿が映っているだけ。
えっ…、わ、わた…し…。
あれ…は、わた…。
戸惑っているはずなのに、鏡に映る私は醜く笑っている。
あっは…っはっは…。
うふふ、あはは…、…うっうう…ぅくっ…。
狂気に満ちた笑いと嗚咽が止まらない。
なぜか涙まで流れている。
…絶対にしてみせるわ、絶対に。
だってそれが『私が幸せだと思うこと』だから。
あっはっは…、あっはっは。
これでみんな幸せよ。
彼はきっと笑ってくれるわ…。
私とあの子が一つに重なる、番を幸せにできる完璧な私になれたのだ。
もう朧気となっている番の笑った顔を思い出しながら、自分が番を幸せ出来る幸福感に酔いしれていた。
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