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2.住まいは豪華ですけど…
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結婚式と顔見世が無事に終了し、ホッとしているシルビア。
今は王宮の来賓用客室で休んでいる。
婚姻前は外国の来賓をもてなす客室で過ごし、婚姻後に王妃の部屋に案内される予定だったから。
(どうせショボい部屋なんだろうな~。
もちろん王宮にある国王の隣室ではないだろうし、
後宮の片隅にある日が当たらない部屋なんでしょね…)
シルビアは部屋に期待などしていない、とりあえず雨風防げればいいなと思っている。
コンコン、とノックの音がしてから女性一人と男性二人が入室してきた。
「正妃様、大変お待たせいたしました。
私は正妃様付きの侍女のサーサでございます。
よろしくお願いいたします」
「サーサ、これからよろしくね。
私のことはシルビアと呼んでちょうだい」
侍女のサーサは頭の上の長い白い耳からウサギの獣人であることがわかる。侍女服のスカートから丸い尻尾がちょこんと出ている、それがピコピコと動くさまが何とも言えず愛らしい。少し若いが、明るくハキハキとした様子にシルビアは好感を持った。あからさまな敵意を向けられることがないので、ホッとする。
サーサの後ろにいる獣人二人はよく似ていて、どちらも猫の獣人のようだ。ぴんとした三角耳とすらりとした尻尾はどちらも茶色で違いといえば髪の色だけである。 背は高いがすらりとしていて、(これは腐女子のネタになるイケメンだわ~)とシルビアは失礼なことを考えてる…。
「シルビア様、後ろの二人は専属護衛騎士のダイとサカトです。
二人は猫の獣人で双子なんです。そっくりですが茶髪がダイ、白髪がサカトと見分けられます」
「「よろしくお願いいたします」」
二人はそろって落ち着いた声で挨拶をした、余計なお喋りをしないタイプのようだ。
(うんうん、いいわ。侍女も護衛騎士も若いけど、仲良くやっていけそう)
「これからシルビア様を正妃様のお部屋にご案内します。お荷物はすでにそちらに運んでありますのでご安心ください」
「ええ、有り難う。どんな部屋か楽しみだわ」
(どんな部屋でも、笑顔で喜ぶ準備万端よ)
来賓用客室を後にして、四人で正妃の部屋へと向かった。
*****************************
そしてなぜか今、シルビアはサーサと一緒に二人で豪華な馬車に乗っている。
舗装されていない道を進んでいるが、振動が座席に伝わらないので乗り心地は快適である。
ダイとサカトはそれぞれ騎乗して馬車の前後を護衛している。
問題は乗り心地ではない、部屋に行くはずがなぜ馬車に乗っているのかということだ。
(うん????。私、部屋に案内されるのよね?
後宮は王宮の北側に隣接していると聞いたけど、聞き間違えたかしら…)
「サーサ、後宮は隣接しているはずよね?
なぜ馬車に乗るのかしら、これも後宮に入るしきたりなの?」
シルビアが素朴な疑問を口にすると
「シルビア様のお住まいは歩くと少々時間が掛かりますので馬車で向かっております」
なぜかサーサは申し訳なさそうに小さな声で告げた。
シルビアとは目も合わせない…。
これ以上聞かないでオーラが滲み出ている。
サーサをじっと見つめるが、すぐに『まぁ、いいか~』と目を閉じた。
どうにもならない事に労力を割かない、それがシルビアなのである。
馬車を走らせること15分ほどで目的の場所に到着したようだ。
馬車が停まり扉が開けられ、シルビアはダイの手を借り外に出てみた。
周りは見渡す限り緑、緑、緑…。
いわゆる森の中である。
(どうみても後宮ではないわよね?)
後宮に行くと思ていったシルビアは、おもわず呟いていた。
「ここはどこかしら…」
煌びやかな王宮から馬車で15分の場所。
【森のくまさんで歌ってみよう】
『いきなり~ 森のなか
クマさんに~ 出会わな~い
花咲く 森のなか~
クマさんに 出会わな~い』
心の中でおもわず歌っているシルビア…。
そんな森の中に豪華な建物がぽつんと建っている、違和感が半端ない。
サーサが平身低頭のままシルビアに話し始めた。
「ここは、王宮の東側にある広大な森の中です。そして目の前の建物がシルビア様がお暮しになる離宮でございます。王宮に比べ小振りになり大変申し訳ありません。王宮とは少し離れていますが、その分静かで暮らしやすい場所でございます。生活には不便がないように離宮の使用人一同誠心誠意お仕えいたしますのでどうかご容赦ください」
(なるほどね~。お飾りの正妃には後宮すらも勿体ないってことね。
王宮から離れた場所で大人しくしてろってか…。
私が文句を付けないように建物を豪華にして体裁は整えているのね~。
まぁ、気楽に生活出来ると思えばいいかな♪)
「こんな素敵な離宮を用意してくれて嬉しいわ。小振りだなんてとんでもない、私だけが暮らすのだから大きすぎるくらいだわ。
オーサン国の心遣いには感謝します」
「へっ… 」
おもわずサーサは呟く、こんな場所に案内されて𠮟責されると思っていたから。
どんな部屋でも笑顔で喜ぶ準備万端なシルビア。
驚いた表情をしている侍女サーサに対し、にっこりと微笑んで見せた。
こんな離宮に追いやられた正妃がどんなに怒りを爆発させるかと、内心ビクビクしていた侍女と護衛騎士達。
このシルビアの態度に三人は肩の力が抜けていくのを感じた。
政略結婚で嫁いでくるシルビアに獣人達は良い印象を持っていなかった。きっとプライドが高い人族の王女だろうと噂されていたのである。お飾り正妃付きとなり貧乏くじを引いたと考えていた三人だが、これは当たりくじではないのかと思い始めた。
シルビアは三人の態度の意味も自分の立ち位置もしっかり認識している。
獣人国に嫁ぐ前から覚悟は出来ていたし、決して俯かないと決めていた。
(国王がはっきりと態度で示してくれる人で良かった。中途半端な立ち位置よりも、よっぽど良いわ!
一応国王に感謝、感謝)
国王に『クズ』認定が追加された…。
シルビアは前向きな性格で、どうにもならない事を嘆きはしない。
なので王宮から離れた場所ということを嘆くよりも、『豪華な建物、ラッキー』と思っていた。
今は王宮の来賓用客室で休んでいる。
婚姻前は外国の来賓をもてなす客室で過ごし、婚姻後に王妃の部屋に案内される予定だったから。
(どうせショボい部屋なんだろうな~。
もちろん王宮にある国王の隣室ではないだろうし、
後宮の片隅にある日が当たらない部屋なんでしょね…)
シルビアは部屋に期待などしていない、とりあえず雨風防げればいいなと思っている。
コンコン、とノックの音がしてから女性一人と男性二人が入室してきた。
「正妃様、大変お待たせいたしました。
私は正妃様付きの侍女のサーサでございます。
よろしくお願いいたします」
「サーサ、これからよろしくね。
私のことはシルビアと呼んでちょうだい」
侍女のサーサは頭の上の長い白い耳からウサギの獣人であることがわかる。侍女服のスカートから丸い尻尾がちょこんと出ている、それがピコピコと動くさまが何とも言えず愛らしい。少し若いが、明るくハキハキとした様子にシルビアは好感を持った。あからさまな敵意を向けられることがないので、ホッとする。
サーサの後ろにいる獣人二人はよく似ていて、どちらも猫の獣人のようだ。ぴんとした三角耳とすらりとした尻尾はどちらも茶色で違いといえば髪の色だけである。 背は高いがすらりとしていて、(これは腐女子のネタになるイケメンだわ~)とシルビアは失礼なことを考えてる…。
「シルビア様、後ろの二人は専属護衛騎士のダイとサカトです。
二人は猫の獣人で双子なんです。そっくりですが茶髪がダイ、白髪がサカトと見分けられます」
「「よろしくお願いいたします」」
二人はそろって落ち着いた声で挨拶をした、余計なお喋りをしないタイプのようだ。
(うんうん、いいわ。侍女も護衛騎士も若いけど、仲良くやっていけそう)
「これからシルビア様を正妃様のお部屋にご案内します。お荷物はすでにそちらに運んでありますのでご安心ください」
「ええ、有り難う。どんな部屋か楽しみだわ」
(どんな部屋でも、笑顔で喜ぶ準備万端よ)
来賓用客室を後にして、四人で正妃の部屋へと向かった。
*****************************
そしてなぜか今、シルビアはサーサと一緒に二人で豪華な馬車に乗っている。
舗装されていない道を進んでいるが、振動が座席に伝わらないので乗り心地は快適である。
ダイとサカトはそれぞれ騎乗して馬車の前後を護衛している。
問題は乗り心地ではない、部屋に行くはずがなぜ馬車に乗っているのかということだ。
(うん????。私、部屋に案内されるのよね?
後宮は王宮の北側に隣接していると聞いたけど、聞き間違えたかしら…)
「サーサ、後宮は隣接しているはずよね?
なぜ馬車に乗るのかしら、これも後宮に入るしきたりなの?」
シルビアが素朴な疑問を口にすると
「シルビア様のお住まいは歩くと少々時間が掛かりますので馬車で向かっております」
なぜかサーサは申し訳なさそうに小さな声で告げた。
シルビアとは目も合わせない…。
これ以上聞かないでオーラが滲み出ている。
サーサをじっと見つめるが、すぐに『まぁ、いいか~』と目を閉じた。
どうにもならない事に労力を割かない、それがシルビアなのである。
馬車を走らせること15分ほどで目的の場所に到着したようだ。
馬車が停まり扉が開けられ、シルビアはダイの手を借り外に出てみた。
周りは見渡す限り緑、緑、緑…。
いわゆる森の中である。
(どうみても後宮ではないわよね?)
後宮に行くと思ていったシルビアは、おもわず呟いていた。
「ここはどこかしら…」
煌びやかな王宮から馬車で15分の場所。
【森のくまさんで歌ってみよう】
『いきなり~ 森のなか
クマさんに~ 出会わな~い
花咲く 森のなか~
クマさんに 出会わな~い』
心の中でおもわず歌っているシルビア…。
そんな森の中に豪華な建物がぽつんと建っている、違和感が半端ない。
サーサが平身低頭のままシルビアに話し始めた。
「ここは、王宮の東側にある広大な森の中です。そして目の前の建物がシルビア様がお暮しになる離宮でございます。王宮に比べ小振りになり大変申し訳ありません。王宮とは少し離れていますが、その分静かで暮らしやすい場所でございます。生活には不便がないように離宮の使用人一同誠心誠意お仕えいたしますのでどうかご容赦ください」
(なるほどね~。お飾りの正妃には後宮すらも勿体ないってことね。
王宮から離れた場所で大人しくしてろってか…。
私が文句を付けないように建物を豪華にして体裁は整えているのね~。
まぁ、気楽に生活出来ると思えばいいかな♪)
「こんな素敵な離宮を用意してくれて嬉しいわ。小振りだなんてとんでもない、私だけが暮らすのだから大きすぎるくらいだわ。
オーサン国の心遣いには感謝します」
「へっ… 」
おもわずサーサは呟く、こんな場所に案内されて𠮟責されると思っていたから。
どんな部屋でも笑顔で喜ぶ準備万端なシルビア。
驚いた表情をしている侍女サーサに対し、にっこりと微笑んで見せた。
こんな離宮に追いやられた正妃がどんなに怒りを爆発させるかと、内心ビクビクしていた侍女と護衛騎士達。
このシルビアの態度に三人は肩の力が抜けていくのを感じた。
政略結婚で嫁いでくるシルビアに獣人達は良い印象を持っていなかった。きっとプライドが高い人族の王女だろうと噂されていたのである。お飾り正妃付きとなり貧乏くじを引いたと考えていた三人だが、これは当たりくじではないのかと思い始めた。
シルビアは三人の態度の意味も自分の立ち位置もしっかり認識している。
獣人国に嫁ぐ前から覚悟は出来ていたし、決して俯かないと決めていた。
(国王がはっきりと態度で示してくれる人で良かった。中途半端な立ち位置よりも、よっぽど良いわ!
一応国王に感謝、感謝)
国王に『クズ』認定が追加された…。
シルビアは前向きな性格で、どうにもならない事を嘆きはしない。
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