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第91話 悪役令息、我が目を疑う
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あの後、僕とエディットはそのまま店に残ってランチを食べることにした。
僕はアツアツのグラタンセット、エディットはクリームパスタだった。
エディットがフォークで一生懸命くるくるとパスタを巻いて、口に運ぶ姿がとても可愛らしくて見ているだけで幸せな気持ちが込み上げてきた。
そして、ふと思った。
この世界にもクリスマスがあれば、エディットの為に何かプレゼントを送ってあげられるのにな……と。
「アドルフ様?どうかしましたか?」
エディットが僕の視線を感じたのか、顔を上げて見つめてきた。
「うん?そのパスタ……美味しいのかなって思ってね」
見られていたことに気付かれたことが恥ずかしく、思っていたこととは全く関係ない言葉を口にした。
「はい、そうです。とても美味しいですよ」
エディットは嬉しそうに返事をする。
「そっか。それじゃ、今度この店に来たときは僕もそれを頼んでみようかな?」
「え?」
キョトンとした顔でエディットが僕を見る。
「うん、つまり……デートの誘い…なんだけどね……」
「デート……ですか?」
途端に真っ赤な顔になるエディット。
「そうだよ。また一緒に来ようよ」
「はい!是非…お願いします…!」
そしてエディットは顔を赤らめながら笑顔を見せてくれた――。
****
2人でランチを食べた後、僕とエディットは繁華街を歩いていた。
自然に繋がれている手に少しだけ力を込めると僕はエディットに話しかけた。
「あの……さ。これは本で読んだ話なんだけど……」
「本で…ですか?どんなお話なのですか?」
興味深気にエディトが首を傾げる。
「うん、ある世界のお話なんだけど……12月には『クリスマス』って呼ばれる行事があるんだ」
「『クリスマス』…ですか?」
「そうだよ。この日…25日は偉大な神様が生まれた日で、世界中の人たちが盛大にお祝いするんだ。子どもたちにはプレゼントをあげて、ケーキやご馳走を食べたり…。大人達だって楽しむんだよ。大切な人とプレゼント交換したり、一緒に過ごしたり……。クリスマスの前日の夜はクリスマス・イブと呼ばれているんだ。実際盛り上がるのはイブなんだけどね?」
クリスマスの説明がかなり適当かもしれないけれど、エディットは興味深げに聞いている。
「クリスマス・イブですか。素敵な響きですね」
「だから、僕も……エディットに何かプレゼントをあげたいなって思ってるんだけど…何か欲しい物とかあるかな?」
情けないことに、僕はエディトがどんな物が好きなのか分からなかった。
だから思い切って直接尋ねることにしたのだ。
「え……?わ、私にプレゼント…ですか?そ、それって……?」
大きな目を見開いてエディットが僕を見つめてくる。
「うん、その……エディットは、僕にとって…大切な人…だから?」
赤面する顔を誤魔化すために照れ笑いする。
これではまるでエディットが好きだと告白しているようなものだ。だけど、僕はまだ告白はしない。
何故ならエディットに思いを告げる日は学院の記念式典パーティーでと、心に決めているからだ。
「あ、ありがとう…ございます。私は…プレゼントなんて…いいんです。アドルフ様と一緒にいられるだけで…十分幸せなので」
「え?」
まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかった。
これは…かなり嬉しいかもしれない。
「そ、そうなのかい?あ、ありがとう」
「いえ……」
僕達は互いに気恥ずかしくなり、それから少しの間…2人で手を繋いだまま何処へ行くともなしに無言で街中を歩いていた。
そして、本当にこれは偶然なのだけれども、何気なく建ち並ぶ店のショーウィンドウに目を向けた時……思わず僕は足を止めてしまった。
「どうしたのですか?アドルフ様?」
エディットが不思議そうに僕を見つめてくる。
「そ、そんな……」
驚きで目を大きく見開いた。
嘘だろう?
この世界には存在しないはずなのに……?
その店には……大きなクリスマスツリーが飾られていた――。
僕はアツアツのグラタンセット、エディットはクリームパスタだった。
エディットがフォークで一生懸命くるくるとパスタを巻いて、口に運ぶ姿がとても可愛らしくて見ているだけで幸せな気持ちが込み上げてきた。
そして、ふと思った。
この世界にもクリスマスがあれば、エディットの為に何かプレゼントを送ってあげられるのにな……と。
「アドルフ様?どうかしましたか?」
エディットが僕の視線を感じたのか、顔を上げて見つめてきた。
「うん?そのパスタ……美味しいのかなって思ってね」
見られていたことに気付かれたことが恥ずかしく、思っていたこととは全く関係ない言葉を口にした。
「はい、そうです。とても美味しいですよ」
エディットは嬉しそうに返事をする。
「そっか。それじゃ、今度この店に来たときは僕もそれを頼んでみようかな?」
「え?」
キョトンとした顔でエディットが僕を見る。
「うん、つまり……デートの誘い…なんだけどね……」
「デート……ですか?」
途端に真っ赤な顔になるエディット。
「そうだよ。また一緒に来ようよ」
「はい!是非…お願いします…!」
そしてエディットは顔を赤らめながら笑顔を見せてくれた――。
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2人でランチを食べた後、僕とエディットは繁華街を歩いていた。
自然に繋がれている手に少しだけ力を込めると僕はエディットに話しかけた。
「あの……さ。これは本で読んだ話なんだけど……」
「本で…ですか?どんなお話なのですか?」
興味深気にエディトが首を傾げる。
「うん、ある世界のお話なんだけど……12月には『クリスマス』って呼ばれる行事があるんだ」
「『クリスマス』…ですか?」
「そうだよ。この日…25日は偉大な神様が生まれた日で、世界中の人たちが盛大にお祝いするんだ。子どもたちにはプレゼントをあげて、ケーキやご馳走を食べたり…。大人達だって楽しむんだよ。大切な人とプレゼント交換したり、一緒に過ごしたり……。クリスマスの前日の夜はクリスマス・イブと呼ばれているんだ。実際盛り上がるのはイブなんだけどね?」
クリスマスの説明がかなり適当かもしれないけれど、エディットは興味深げに聞いている。
「クリスマス・イブですか。素敵な響きですね」
「だから、僕も……エディットに何かプレゼントをあげたいなって思ってるんだけど…何か欲しい物とかあるかな?」
情けないことに、僕はエディトがどんな物が好きなのか分からなかった。
だから思い切って直接尋ねることにしたのだ。
「え……?わ、私にプレゼント…ですか?そ、それって……?」
大きな目を見開いてエディットが僕を見つめてくる。
「うん、その……エディットは、僕にとって…大切な人…だから?」
赤面する顔を誤魔化すために照れ笑いする。
これではまるでエディットが好きだと告白しているようなものだ。だけど、僕はまだ告白はしない。
何故ならエディットに思いを告げる日は学院の記念式典パーティーでと、心に決めているからだ。
「あ、ありがとう…ございます。私は…プレゼントなんて…いいんです。アドルフ様と一緒にいられるだけで…十分幸せなので」
「え?」
まさかそんな答えが返ってくるとは思わなかった。
これは…かなり嬉しいかもしれない。
「そ、そうなのかい?あ、ありがとう」
「いえ……」
僕達は互いに気恥ずかしくなり、それから少しの間…2人で手を繋いだまま何処へ行くともなしに無言で街中を歩いていた。
そして、本当にこれは偶然なのだけれども、何気なく建ち並ぶ店のショーウィンドウに目を向けた時……思わず僕は足を止めてしまった。
「どうしたのですか?アドルフ様?」
エディットが不思議そうに僕を見つめてくる。
「そ、そんな……」
驚きで目を大きく見開いた。
嘘だろう?
この世界には存在しないはずなのに……?
その店には……大きなクリスマスツリーが飾られていた――。
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