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第2章
第303話 遠隔写し絵
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「動く写し絵」を大きく表示するようにしよう!と思いついたんだけど、やってみたら魔法陣をあまり書き換えなくてもすんなり上手くいってしまった。
表示先を表示ボードから壁に変えるだけだったんだ。
色々作り直したりするだろうと思って多めに用意していた魔石が余ったから、予定とは違うことに使ってみることにする。
無駄遣いするわけじゃないよ?
他の魔道具を作るだけだから。
なんとなくだけど、遠くの状態の「動く写し絵」は作れないのかな、と考えたんだ。
魔法陣で状態を取得する対象を目の前のものじゃなくて、指定した場所にする。
「位置表示」の魔道具で使っている「位置」の情報を魔法陣に入力するようにしてみる。
手元のボードで位置の指定とかの操作をして、結果の表示は壁に映し出すようにした。
気になっていた「毒探査」の魔道具で「毒」って表示されていた場所の位置情報を指定して見てみる。
ジランでもノドナスでもない場所の川だ。ジランやノドナスに比べれば狭い範囲だけど、毒が広がっているみたいに見えた場所だ。
川の位置を魔法陣魔石に入力したら、壁に表示されたのは川の水が勢いよく流れている光景だった。
川淵の大きな石に水が当たり、水飛沫を散らしている。
ザーッ……
微かに川の水が流れる音が聞こえてくる。でも、音はもっとはっきり聞こえた方が良いかな。
壁に大きく表示していると、その場にいるみたいな雰囲気になるけど
音が壁の一箇所から聞こえてくるだけだとちょっと物足りない気がしてきてしまう。
音の収集の仕方をちょっと変えて、前後左右から音を集めて、音を出力する場所も前後左右にして更に風魔法で音を広げるようにしてみよう。
最初に映し出したのは、川の上流あたりで、川と木々だけが見えて、人や魔獣の姿などは見当たらない場所だった。
徐々に川を下っていくように川に沿って移動していく。川の近くに小さい獣みたいなのが転がっているのが見えた。頭に捻れた角があるから、魔獣だ。
黒っぽく見えるけど元々黒いのか毒で爛れているのかはよく見えない。
元々「写し絵」全体が白黒だからなぁ。
そのうち色も表現できるようになると良いな。魔法紙に写し出す場合、魔法紙が
魔力に反応しているだけだから一色にしかならないけど、壁に表示するなら、色の情報を取得して、表示できる方法が分かれば表現できそうだ。分身魔法の魔法陣に何かヒントがないかな。今度見てみよう。
森のような薄暗い場所だと、色を表現したとしても結局黒っぽい表示になっちゃうのかな。
転がっていた魔獣は、イタチの仲間みたいに胴が長い体型をしていて、動く気配はなかった。毒でやられているなら、魔石に毒耐性はついているかな。いや。毒耐性がつかないまま倒れちゃったのかもしれない。
魔石がどうなっているのかちょっと気になる。遠く離れた場所だと、見ているだけになっちゃうかな。いや、遠く離れた場所でも「毒鑑定」は出来たんだよね。
それなら「解体」も出来るかも。
急遽急ぎで、「魔石取り」の魔法陣魔石を準備。既に作ってあったものを、魔道ワイヤーで接合させて、発動できるようにしてみた。
試すのはドキドキ
コロン
地面に魔石が転がり出てきた。薄暗いしぱっと見じゃよくわからないけど、毒耐性魔石特有のキラキラした内包物みたいなのがある感じがしない。
《二ツノイタチの魔石》
《土属性》
《毒なし》
じっと見ていたら「毒鑑定」が発動した。魔法陣魔石の「毒鑑定」じゃなくて、僕自身の「毒鑑定」のスキルの方みたい。
《二ツノイタチの遺骸》
《呪いの毒(微毒)》
「あ!」
魔獣の遺骸の方にも「毒鑑定」が発動した。「呪いの毒(微毒)」って出た。
微毒だけど「呪いの毒」の反応が出てしまった。
。
表示先を表示ボードから壁に変えるだけだったんだ。
色々作り直したりするだろうと思って多めに用意していた魔石が余ったから、予定とは違うことに使ってみることにする。
無駄遣いするわけじゃないよ?
他の魔道具を作るだけだから。
なんとなくだけど、遠くの状態の「動く写し絵」は作れないのかな、と考えたんだ。
魔法陣で状態を取得する対象を目の前のものじゃなくて、指定した場所にする。
「位置表示」の魔道具で使っている「位置」の情報を魔法陣に入力するようにしてみる。
手元のボードで位置の指定とかの操作をして、結果の表示は壁に映し出すようにした。
気になっていた「毒探査」の魔道具で「毒」って表示されていた場所の位置情報を指定して見てみる。
ジランでもノドナスでもない場所の川だ。ジランやノドナスに比べれば狭い範囲だけど、毒が広がっているみたいに見えた場所だ。
川の位置を魔法陣魔石に入力したら、壁に表示されたのは川の水が勢いよく流れている光景だった。
川淵の大きな石に水が当たり、水飛沫を散らしている。
ザーッ……
微かに川の水が流れる音が聞こえてくる。でも、音はもっとはっきり聞こえた方が良いかな。
壁に大きく表示していると、その場にいるみたいな雰囲気になるけど
音が壁の一箇所から聞こえてくるだけだとちょっと物足りない気がしてきてしまう。
音の収集の仕方をちょっと変えて、前後左右から音を集めて、音を出力する場所も前後左右にして更に風魔法で音を広げるようにしてみよう。
最初に映し出したのは、川の上流あたりで、川と木々だけが見えて、人や魔獣の姿などは見当たらない場所だった。
徐々に川を下っていくように川に沿って移動していく。川の近くに小さい獣みたいなのが転がっているのが見えた。頭に捻れた角があるから、魔獣だ。
黒っぽく見えるけど元々黒いのか毒で爛れているのかはよく見えない。
元々「写し絵」全体が白黒だからなぁ。
そのうち色も表現できるようになると良いな。魔法紙に写し出す場合、魔法紙が
魔力に反応しているだけだから一色にしかならないけど、壁に表示するなら、色の情報を取得して、表示できる方法が分かれば表現できそうだ。分身魔法の魔法陣に何かヒントがないかな。今度見てみよう。
森のような薄暗い場所だと、色を表現したとしても結局黒っぽい表示になっちゃうのかな。
転がっていた魔獣は、イタチの仲間みたいに胴が長い体型をしていて、動く気配はなかった。毒でやられているなら、魔石に毒耐性はついているかな。いや。毒耐性がつかないまま倒れちゃったのかもしれない。
魔石がどうなっているのかちょっと気になる。遠く離れた場所だと、見ているだけになっちゃうかな。いや、遠く離れた場所でも「毒鑑定」は出来たんだよね。
それなら「解体」も出来るかも。
急遽急ぎで、「魔石取り」の魔法陣魔石を準備。既に作ってあったものを、魔道ワイヤーで接合させて、発動できるようにしてみた。
試すのはドキドキ
コロン
地面に魔石が転がり出てきた。薄暗いしぱっと見じゃよくわからないけど、毒耐性魔石特有のキラキラした内包物みたいなのがある感じがしない。
《二ツノイタチの魔石》
《土属性》
《毒なし》
じっと見ていたら「毒鑑定」が発動した。魔法陣魔石の「毒鑑定」じゃなくて、僕自身の「毒鑑定」のスキルの方みたい。
《二ツノイタチの遺骸》
《呪いの毒(微毒)》
「あ!」
魔獣の遺骸の方にも「毒鑑定」が発動した。「呪いの毒(微毒)」って出た。
微毒だけど「呪いの毒」の反応が出てしまった。
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