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第1章
第51話 釣りのような狩り
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「まあ、早く攻撃ができれば魔法にこだわることもないでさぁ。」
ボブはゲンティアナ家に仕えるようになってから無詠唱魔法を習得したそうだ。
しかし、魔力量に限りがあるし、ボブの魔法だお殺傷能力は投げナイフの方が上だから、物理攻撃をすることの方が多いんだって。
シュッ!サクッとナイフを投げるのって格好良い!
途中で目についた鳥などをいくつか狩ったけど、目的地は黎明の泉だったので、ほぼ寄り道はせずに泉のほとりまでまっすぐに向かった。
黎明の泉まで来たのは、魔石水を作る水の採取が目的だった。大量注文が入ったから念の為、水の採取をしておくことにしたのだ。
大きい瓶で魔石水の小ボトル約20本分。一人当たり大瓶二本分の水を汲む。馬の背に括りつても良いのだけど、
「運搬」スキルを育てるためにリュックの中に入れて運ぶ。
ふと、泉の反対岸に鳥の魔獣が見えた。頭に渦を巻いた角がニョキっと生えていて、蛇みたいな尻尾が生えている。
こちらには気がついていないのか、泉の水を少し飲むとノソノソと移動を始めた。
「鳥系なら美味しい?」
「どうかな。ちょっと凶悪な顔してるし。」
大きさ的には小さめだし、強さはどうなんだろう。鳥の魔獣でも強い魔獣は泉を飛び越えてこちら側には来ないのが不思議だ。
僕は肩に担いでいた弓を取り出した。
「倒しても取りに行けないだろう?」
「釣りみたいにしたらどうかと思って。」
リュックのポケットから、細めのロープを引っ張り出して、矢に結びつけた。返しがついている矢だから、矢が刺さったら引っ張り寄せられないだろうかと思ったんだ。
ロープで結んだ矢を弓につがえようとしたら、兄上が僕を止めた。
「ちょっと待て。そのロープの持ち方は危ないぞ。ロープの端は木か何かに結びつけておけよ。」
「ああ、そうか……。」
矢に結びつけたロープの反対側は僕の手にぐるぐる巻きにして持っていたけど、万一、蛇が引っ張る力に負けたら、僕が逆に引っ張られてしまう。
危ない。僕が釣られるところだったかも。
「魔獣は見た目より力が強いからな。油断するなよ。」
「はあい。」
兄上は、ロープの端を受け取って近くの木の幹に縛りつけてくれた。
矢の方の結び目の強度も確認してからいよいよ蛇に狙いを定める。
スゥッと静かに息を吸って止め、鳥の魔獣の頭を狙う。それから手から魔力を矢に注いで矢を放った。
パシュッ。小さく鈍い音と共に、鳥の魔獣が後ろにがっ飛び、矢に結びつけたロープがピーンと張る。
「お。後ろの蛇も仕留めたか?」
兄上が言うように、矢は鳥の魔獣の頭を突き抜けて、ちょうど鳥の魔獣を狙っていたらしい、蛇の魔獣が大きな口を開けたところに突き刺さった。
後ろの木にぶつかっているけど、鏃が木に突き刺さっちゃったかな・
木に刺さっちゃうとこっちからは抜きにくいなと考えていたら、ブルンとロープが弛んだ。木にぶつかった蛇の魔獣がずるりと地面に倒れていく。
「良かった。木に刺さったんじゃなかったんだ。引っ張れば良いかな。」
「魔獣二頭を引き寄せるにはロープ一本じゃ頼りなくないか?」
「えー?」
僕が、ロープを引っ張ると、少しだけ鳥の魔獣の身体が動いた。重たい!
「えーと……。手伝ってくれる?」
3人でロープを引っ張れば何とかなるかもしれないと、兄上とボブの顔を見上げた。ボブは何やら、鋭いフックみたいなものを鞄から取り出して見せた。兄上が頷く。
ボブはゲンティアナ家に仕えるようになってから無詠唱魔法を習得したそうだ。
しかし、魔力量に限りがあるし、ボブの魔法だお殺傷能力は投げナイフの方が上だから、物理攻撃をすることの方が多いんだって。
シュッ!サクッとナイフを投げるのって格好良い!
途中で目についた鳥などをいくつか狩ったけど、目的地は黎明の泉だったので、ほぼ寄り道はせずに泉のほとりまでまっすぐに向かった。
黎明の泉まで来たのは、魔石水を作る水の採取が目的だった。大量注文が入ったから念の為、水の採取をしておくことにしたのだ。
大きい瓶で魔石水の小ボトル約20本分。一人当たり大瓶二本分の水を汲む。馬の背に括りつても良いのだけど、
「運搬」スキルを育てるためにリュックの中に入れて運ぶ。
ふと、泉の反対岸に鳥の魔獣が見えた。頭に渦を巻いた角がニョキっと生えていて、蛇みたいな尻尾が生えている。
こちらには気がついていないのか、泉の水を少し飲むとノソノソと移動を始めた。
「鳥系なら美味しい?」
「どうかな。ちょっと凶悪な顔してるし。」
大きさ的には小さめだし、強さはどうなんだろう。鳥の魔獣でも強い魔獣は泉を飛び越えてこちら側には来ないのが不思議だ。
僕は肩に担いでいた弓を取り出した。
「倒しても取りに行けないだろう?」
「釣りみたいにしたらどうかと思って。」
リュックのポケットから、細めのロープを引っ張り出して、矢に結びつけた。返しがついている矢だから、矢が刺さったら引っ張り寄せられないだろうかと思ったんだ。
ロープで結んだ矢を弓につがえようとしたら、兄上が僕を止めた。
「ちょっと待て。そのロープの持ち方は危ないぞ。ロープの端は木か何かに結びつけておけよ。」
「ああ、そうか……。」
矢に結びつけたロープの反対側は僕の手にぐるぐる巻きにして持っていたけど、万一、蛇が引っ張る力に負けたら、僕が逆に引っ張られてしまう。
危ない。僕が釣られるところだったかも。
「魔獣は見た目より力が強いからな。油断するなよ。」
「はあい。」
兄上は、ロープの端を受け取って近くの木の幹に縛りつけてくれた。
矢の方の結び目の強度も確認してからいよいよ蛇に狙いを定める。
スゥッと静かに息を吸って止め、鳥の魔獣の頭を狙う。それから手から魔力を矢に注いで矢を放った。
パシュッ。小さく鈍い音と共に、鳥の魔獣が後ろにがっ飛び、矢に結びつけたロープがピーンと張る。
「お。後ろの蛇も仕留めたか?」
兄上が言うように、矢は鳥の魔獣の頭を突き抜けて、ちょうど鳥の魔獣を狙っていたらしい、蛇の魔獣が大きな口を開けたところに突き刺さった。
後ろの木にぶつかっているけど、鏃が木に突き刺さっちゃったかな・
木に刺さっちゃうとこっちからは抜きにくいなと考えていたら、ブルンとロープが弛んだ。木にぶつかった蛇の魔獣がずるりと地面に倒れていく。
「良かった。木に刺さったんじゃなかったんだ。引っ張れば良いかな。」
「魔獣二頭を引き寄せるにはロープ一本じゃ頼りなくないか?」
「えー?」
僕が、ロープを引っ張ると、少しだけ鳥の魔獣の身体が動いた。重たい!
「えーと……。手伝ってくれる?」
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