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第1章
第77話 紙製造魔道具
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パタンと魔道具の^蓋を閉めてから、ルドおじさんはニヤリと笑って僕と兄上の顔を見た。
「よし、実験開始!」
ゴリゴリゴリと魔道具から木を砕く音がした後、ギューンと回転しながら何かを切り刻んでいるみたいな音がした。しばらくしてから音がガタガタと魔道具が振動をした。それからフワッと魔道具全体が光り魔法陣が浮かび上がって宙に霧散した。魔法陣は室内が薄暗くてもよく見える。
魔法陣も前のとちょっと変えたんだなぁ。
キュルキュルと小さい音が魔道具の下の方からした後、音が静かになった。
ルドおじさんが魔道具の下部にある引き出しのようになっている部分を引っ張って出すと、引き出し部分の中に紙が一枚出来上がっていた。
出来上がるまで数分だ。結構早い。
ルドおじさんが出来上がった紙を指先で摘んで引っ張り出し、ランプの光に透かしてみたり表面を手で撫でてみたりした。
「お、なかなか良い感じだよ。……ちょっと何か書いてみよう。」
作業台の上に紙を置いて、羽ペンにインクをつけて紙の端の方にぐるぐると線を描く。
「うん。羽ペンの先が引っかかったりしないで書き味は良いね。ちょっとインクが滲むけど悪くないよ。」
タグの番号を確認して同じ数字を書き込む。ノートに評価内容を記載して試し書きした紙を挟み込んだ。
「さて、もう一本も試してみよう。」
木の枝は二種類あったので、もう一本の枝でも同じように紙を製造する。出来上がると試し書きをして、またタグの番号を書き込んでいた。
紙の出来は、魔道具の力だけじゃなくて原材料に使う木や草の種類によっても違うということで、僕は森で目についた木の枝を採ってきて、ルドおじさんに渡しているんだ。
今日持ってきた素材だと、最初に渡した枝からできた紙が良い出来だったみたいだ。
王都とかから商人が売りにくる紙はインクや絵の具が滲むし、羽ペンの先は引っかかって破れやすい。その上、値段が高いんだ。
リーズナブルで質の良い紙を作ろうという事で、父上がルドおじさんに依頼をして魔道具を開発しているんだ。
魔道具で一枚ずつ作るから、今はコストは高めみたいだけど、絵を描くのに良い紙ができるといいな。
「素材を持ってきてくれたお礼にクリス君にはこれをあげよう。分厚くできた紙だ。」
「わあ!」
ルドおじさんが分厚い紙を数枚くれた。
カチッと硬くて分厚めの紙だ。木の板よりは薄いけどね。表面は少しゴツゴツしているけれど、色ノリが良さそうな気がする。嬉しい!
「嬉しい。ありがとう!ちょっと描いてみて良い?」
「ここで?いいよ。」
ルドおじさんの了承を得たので、ちょっとだけ試し描き。何枚かあるので試し描きをしても良いと思うけれど、何を描こうかな。
せっかくの分厚い良い感じの紙だから、筆で線を引っ張るだけじゃなくて、ちょこっとした絵を描きたい。
リュックに常備しているお道具セットから、筆と絵の具を取り出した後、チラリとルドおじさんの顔を見た。ランプの近くに移動してささっと髪を後ろに束ねたおじさんを描く。
試し描きだから簡単な線画だけでササっと描くだけだ。あまり長い時間だと、ルドおじさんの仕事のお邪魔になっちゃうしね。
「おお!このイケメンはもしや……!」
ルドおじさんは僕の描いた絵を覗き込んで声を震わせている。
「イケメン…?ルドおじさんを描いてみました。」
「凄い!クリス君は凄いよぉ!……これ、母さんに見せてきても良いか?」
「あ、良かったら差し上げます。元々ルドおじさんにもらった紙なので。」
「くれるのか?そうか!ありがとう!………そうだ!」
僕から絵を受け取って、ルドおじさんは一度、薬師のおばあちゃんが居る部屋の方に向かいかけたけらど、扉を開けた状態でピタリと立ち止まった。振り向いてキョロキョロと棚を見回した。。
「よし、実験開始!」
ゴリゴリゴリと魔道具から木を砕く音がした後、ギューンと回転しながら何かを切り刻んでいるみたいな音がした。しばらくしてから音がガタガタと魔道具が振動をした。それからフワッと魔道具全体が光り魔法陣が浮かび上がって宙に霧散した。魔法陣は室内が薄暗くてもよく見える。
魔法陣も前のとちょっと変えたんだなぁ。
キュルキュルと小さい音が魔道具の下の方からした後、音が静かになった。
ルドおじさんが魔道具の下部にある引き出しのようになっている部分を引っ張って出すと、引き出し部分の中に紙が一枚出来上がっていた。
出来上がるまで数分だ。結構早い。
ルドおじさんが出来上がった紙を指先で摘んで引っ張り出し、ランプの光に透かしてみたり表面を手で撫でてみたりした。
「お、なかなか良い感じだよ。……ちょっと何か書いてみよう。」
作業台の上に紙を置いて、羽ペンにインクをつけて紙の端の方にぐるぐると線を描く。
「うん。羽ペンの先が引っかかったりしないで書き味は良いね。ちょっとインクが滲むけど悪くないよ。」
タグの番号を確認して同じ数字を書き込む。ノートに評価内容を記載して試し書きした紙を挟み込んだ。
「さて、もう一本も試してみよう。」
木の枝は二種類あったので、もう一本の枝でも同じように紙を製造する。出来上がると試し書きをして、またタグの番号を書き込んでいた。
紙の出来は、魔道具の力だけじゃなくて原材料に使う木や草の種類によっても違うということで、僕は森で目についた木の枝を採ってきて、ルドおじさんに渡しているんだ。
今日持ってきた素材だと、最初に渡した枝からできた紙が良い出来だったみたいだ。
王都とかから商人が売りにくる紙はインクや絵の具が滲むし、羽ペンの先は引っかかって破れやすい。その上、値段が高いんだ。
リーズナブルで質の良い紙を作ろうという事で、父上がルドおじさんに依頼をして魔道具を開発しているんだ。
魔道具で一枚ずつ作るから、今はコストは高めみたいだけど、絵を描くのに良い紙ができるといいな。
「素材を持ってきてくれたお礼にクリス君にはこれをあげよう。分厚くできた紙だ。」
「わあ!」
ルドおじさんが分厚い紙を数枚くれた。
カチッと硬くて分厚めの紙だ。木の板よりは薄いけどね。表面は少しゴツゴツしているけれど、色ノリが良さそうな気がする。嬉しい!
「嬉しい。ありがとう!ちょっと描いてみて良い?」
「ここで?いいよ。」
ルドおじさんの了承を得たので、ちょっとだけ試し描き。何枚かあるので試し描きをしても良いと思うけれど、何を描こうかな。
せっかくの分厚い良い感じの紙だから、筆で線を引っ張るだけじゃなくて、ちょこっとした絵を描きたい。
リュックに常備しているお道具セットから、筆と絵の具を取り出した後、チラリとルドおじさんの顔を見た。ランプの近くに移動してささっと髪を後ろに束ねたおじさんを描く。
試し描きだから簡単な線画だけでササっと描くだけだ。あまり長い時間だと、ルドおじさんの仕事のお邪魔になっちゃうしね。
「おお!このイケメンはもしや……!」
ルドおじさんは僕の描いた絵を覗き込んで声を震わせている。
「イケメン…?ルドおじさんを描いてみました。」
「凄い!クリス君は凄いよぉ!……これ、母さんに見せてきても良いか?」
「あ、良かったら差し上げます。元々ルドおじさんにもらった紙なので。」
「くれるのか?そうか!ありがとう!………そうだ!」
僕から絵を受け取って、ルドおじさんは一度、薬師のおばあちゃんが居る部屋の方に向かいかけたけらど、扉を開けた状態でピタリと立ち止まった。振り向いてキョロキョロと棚を見回した。。
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