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第1章
第76話 魔道具師のルドおじさん
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薬師のおばあちゃんは、とりあえずは光水の効果が持続だとか色々試してくれると約束してくれた。良かったぁ。
依頼料とかは父上に請求してくれるらしいのだけど、僕が魔法陣を刻んだ治癒玉もお礼に渡しておいた。大きい水魔石で作ったから、見た目も綺麗なんだ。
「ほう。……良い出来だね。」
薬師のおばあちゃんは、治癒玉を陽の光に透けさせて見て褒めてくれた。口の橋が少し上がっている。僕の口元もちょっと緩んでニマニマしてしまったらジロリと睨まれた。
「ふん」と目を逸らして薬師のおばあちゃんは光水やら瓶やらを作業台の方に片付けて壁に設置していたベルを鳴らした。
十数秒ほどして、奥の扉が開いて灰色の髪を後ろに束ねた中年のおじさんが姿を現した。薬師のおばあちゃんの息子さんのルドさんだ。
ルドさんは魔道具師で、ルドさんが作った魔道具も店の一角で売られている。。
「おはよう。……朝食にはまだ早いと思ったら……。来てたんだねぇ。」
「「ルドさん、おはようございます!」」
「おはよう。ローレン君、クリス君。ああ、例の魔道具はまだ実験中なんだ。見るかい?」
「是非!」
のんびりした口調で朗らかに挨拶をするルドおじさんが僕達を奥の部屋に導こうとしたら、薬師のおばあちゃんが止めに入った。
「朝食を食べてからにしな。チーズのパンを持って来てくれたんだ。温かいうちに食べてしまいな。」
「ああ……!うん!チーズパンは美味しいよね。ありがとう。」
ルドおじさんは奥の部屋とチーズパンを交互に見てから僕達にお礼を言うと、椅子に腰を下ろした。薬師が既にテーブルの上に用意していたチーズパンを少し温くなっていそうなお茶と一緒に急いで食べ始めた。
食べるのが凄く早い。一瞬で食べ終わる。ルドおじさんは実験に夢中になると、食べる手間を惜しんで実験を続けてしまうって以前聞いたことがある。。
ロドさんには奥さんとお子さんがいるらしいけれど、ご家族は王都に住んでいるのだそうだ。
詳しいことは知らないけど、ご家族が田舎に行くのを嫌がったらしい。
チーズパンの最後の一口を食べ終わった後、ルドおじさんはお茶を飲み干して立ち上がった。
「美味かった、ご馳走さん。……じゃあ行こうか。」
そそくさと奥の扉を大きく開いて、魔道具の作業場所に案内をしてくれる。
ルドおじさんの作業部屋に入って見ると室内は薄暗くて物が見えにくい。木窓が閉まっていてランプの明かりだけがぼうっと室内を照らしていて、まるで夜みたいだ。
薄暗いけど壁に沿って設置された棚にぎっしりと魔道具が並べられているのはわかる。ちょっと圧迫感がある室内。中央の作業台の上に、ちょっと大きめの魔道具が置かれていた。
大人が両手で抱えて運べるかどうかくらいの大きさだ。
「あれ?これは紙製造の魔道具なの?」
以前、見せて貰ったのとちょっと違う気がしたので訊いてみるとルドおじさんは腕組みをして頷いた。
「うん。作り直したんだ。素材を入れてから、出来上がりまでが早くなったよ。」
「そうなんだ。」
僕はリュックから木の枝を取り出した。オオトカゲの沼地の近くで採ってきたものだ。
「おお、また違うの持ってきてくれたんだね。」
ルドおじさんは僕から木の枝を受け取ると、番号のついたタグを枝の端に結びつけた。そしてナイフで枝を削り、魔道具の蓋を開けて削った破片を入れた。
依頼料とかは父上に請求してくれるらしいのだけど、僕が魔法陣を刻んだ治癒玉もお礼に渡しておいた。大きい水魔石で作ったから、見た目も綺麗なんだ。
「ほう。……良い出来だね。」
薬師のおばあちゃんは、治癒玉を陽の光に透けさせて見て褒めてくれた。口の橋が少し上がっている。僕の口元もちょっと緩んでニマニマしてしまったらジロリと睨まれた。
「ふん」と目を逸らして薬師のおばあちゃんは光水やら瓶やらを作業台の方に片付けて壁に設置していたベルを鳴らした。
十数秒ほどして、奥の扉が開いて灰色の髪を後ろに束ねた中年のおじさんが姿を現した。薬師のおばあちゃんの息子さんのルドさんだ。
ルドさんは魔道具師で、ルドさんが作った魔道具も店の一角で売られている。。
「おはよう。……朝食にはまだ早いと思ったら……。来てたんだねぇ。」
「「ルドさん、おはようございます!」」
「おはよう。ローレン君、クリス君。ああ、例の魔道具はまだ実験中なんだ。見るかい?」
「是非!」
のんびりした口調で朗らかに挨拶をするルドおじさんが僕達を奥の部屋に導こうとしたら、薬師のおばあちゃんが止めに入った。
「朝食を食べてからにしな。チーズのパンを持って来てくれたんだ。温かいうちに食べてしまいな。」
「ああ……!うん!チーズパンは美味しいよね。ありがとう。」
ルドおじさんは奥の部屋とチーズパンを交互に見てから僕達にお礼を言うと、椅子に腰を下ろした。薬師が既にテーブルの上に用意していたチーズパンを少し温くなっていそうなお茶と一緒に急いで食べ始めた。
食べるのが凄く早い。一瞬で食べ終わる。ルドおじさんは実験に夢中になると、食べる手間を惜しんで実験を続けてしまうって以前聞いたことがある。。
ロドさんには奥さんとお子さんがいるらしいけれど、ご家族は王都に住んでいるのだそうだ。
詳しいことは知らないけど、ご家族が田舎に行くのを嫌がったらしい。
チーズパンの最後の一口を食べ終わった後、ルドおじさんはお茶を飲み干して立ち上がった。
「美味かった、ご馳走さん。……じゃあ行こうか。」
そそくさと奥の扉を大きく開いて、魔道具の作業場所に案内をしてくれる。
ルドおじさんの作業部屋に入って見ると室内は薄暗くて物が見えにくい。木窓が閉まっていてランプの明かりだけがぼうっと室内を照らしていて、まるで夜みたいだ。
薄暗いけど壁に沿って設置された棚にぎっしりと魔道具が並べられているのはわかる。ちょっと圧迫感がある室内。中央の作業台の上に、ちょっと大きめの魔道具が置かれていた。
大人が両手で抱えて運べるかどうかくらいの大きさだ。
「あれ?これは紙製造の魔道具なの?」
以前、見せて貰ったのとちょっと違う気がしたので訊いてみるとルドおじさんは腕組みをして頷いた。
「うん。作り直したんだ。素材を入れてから、出来上がりまでが早くなったよ。」
「そうなんだ。」
僕はリュックから木の枝を取り出した。オオトカゲの沼地の近くで採ってきたものだ。
「おお、また違うの持ってきてくれたんだね。」
ルドおじさんは僕から木の枝を受け取ると、番号のついたタグを枝の端に結びつけた。そしてナイフで枝を削り、魔道具の蓋を開けて削った破片を入れた。
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