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第2章
第267話 分身魔獣
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森の中でも泉からこちら側にはあまり強い魔獣はいないんだけど
時々遭遇する魔獣の中には面白い魔法を使う魔獣がいたりする。
「シューッ」
「あ、分身?」
白っぽい蛇の姿が二体、三体と増える。その度に魔法陣が浮かび上がってくるので
つい魔法陣を凝視してしまう。
「シューッ」
分身と本体がブワッと広がりながら飛びかかってきた。
魔法陣を浮かび上がらせているのが本体だろうと思って、風刃で本体らしき蛇魔獣の頭を切ると、
分身体も霧散した。
「凄い!今の面白かったよ!どんな魔石持ってるんだろう?」
「クリス、まだいるぞ!」
「あ!」
早速解体用の短剣を使って魔石を見てみようとしたら、兄上から声がかかった。
兄上が指し示した木の上を見ると、白い蛇魔獣が木の高い位置の枝に巻きついていた。
「シューッ」
また魔法陣が浮かび上がる。分身の魔法陣だ。何体もの蛇が現れて飛びかかってくる。本体は木の枝にまだ巻き付いている。
分身って実体があるのかな。
本体を攻撃すれば倒せるのだろうと思いつつ、分身を風刃で斬ってみると斬られた分身は真っ二つになってから
弾けるように消えた。
風刃で斬ることができるってことは、ただの幻影というわけじゃないようだ。
「不思議!」
「解体」の短剣で分身を斬ってみたけど、普通に真っ二つになってバラバラにはならなかった。
分身を何体か斬っていたら、ボブが本体にナイフを投げつけた。
本体の蛇魔獣が枝から落ちて、分身は霧散した。
白い蛇魔獣を八体倒して、もう他に仲間は出てこないのを確認してから
一番近くの蛇魔獣の遺骸に「解体」の短剣を突き立てた。
ゴロッと乳白色の魔石が地面に転がった。
「変な色の魔石が出てきたよ」
「使ってた魔法からすると、光かな。水魔法っぽさもあったけど」
兄上が白い蛇型魔獣の遺骸を拾いに行って、広げた敷き布の上に置く。
「光!そう言えば、この乳白色の色の感じって、ドームの果実の色に似てるかも」
「確かに……。でも光魔石とは限らないぞ。なんとなくの印象で言ってるんだから」
「うん。でも僕もそうかなって思う。他の魔石の色と違うし」
魔石を水で洗い流して、光に透かしてみたりしていてハッと気がついた。
「……もし、光魔石だったとしたら、光水を作ることができるかも」
「おお……。その可能性はあるな」
兄上は目を見開いた後、「収納」から瓶を引っ張り出した。
チャプンと中に入れてあった液体が揺れて、少し水飛沫が散る。
瓶の中身は先ほど泉で採取してきた泉の水だ。
僕は毒耐性魔石を「収納」から出して、兄上の方を見て魔石を少し掲げて見せた。
兄上が頷いたので、毒耐性魔石を瓶の中に入れた。
そして、入手したばかりの乳白色の魔石を握り、魔力を通してから瓶の中に加えた。
瓶の水が一瞬だけふわっと淡く輝いた。
《光水》
《解毒・解呪》
「できた!光水!」
僕は思わずちょっと大きめの声を出してしまった。
時々遭遇する魔獣の中には面白い魔法を使う魔獣がいたりする。
「シューッ」
「あ、分身?」
白っぽい蛇の姿が二体、三体と増える。その度に魔法陣が浮かび上がってくるので
つい魔法陣を凝視してしまう。
「シューッ」
分身と本体がブワッと広がりながら飛びかかってきた。
魔法陣を浮かび上がらせているのが本体だろうと思って、風刃で本体らしき蛇魔獣の頭を切ると、
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「あ!」
早速解体用の短剣を使って魔石を見てみようとしたら、兄上から声がかかった。
兄上が指し示した木の上を見ると、白い蛇魔獣が木の高い位置の枝に巻きついていた。
「シューッ」
また魔法陣が浮かび上がる。分身の魔法陣だ。何体もの蛇が現れて飛びかかってくる。本体は木の枝にまだ巻き付いている。
分身って実体があるのかな。
本体を攻撃すれば倒せるのだろうと思いつつ、分身を風刃で斬ってみると斬られた分身は真っ二つになってから
弾けるように消えた。
風刃で斬ることができるってことは、ただの幻影というわけじゃないようだ。
「不思議!」
「解体」の短剣で分身を斬ってみたけど、普通に真っ二つになってバラバラにはならなかった。
分身を何体か斬っていたら、ボブが本体にナイフを投げつけた。
本体の蛇魔獣が枝から落ちて、分身は霧散した。
白い蛇魔獣を八体倒して、もう他に仲間は出てこないのを確認してから
一番近くの蛇魔獣の遺骸に「解体」の短剣を突き立てた。
ゴロッと乳白色の魔石が地面に転がった。
「変な色の魔石が出てきたよ」
「使ってた魔法からすると、光かな。水魔法っぽさもあったけど」
兄上が白い蛇型魔獣の遺骸を拾いに行って、広げた敷き布の上に置く。
「光!そう言えば、この乳白色の色の感じって、ドームの果実の色に似てるかも」
「確かに……。でも光魔石とは限らないぞ。なんとなくの印象で言ってるんだから」
「うん。でも僕もそうかなって思う。他の魔石の色と違うし」
魔石を水で洗い流して、光に透かしてみたりしていてハッと気がついた。
「……もし、光魔石だったとしたら、光水を作ることができるかも」
「おお……。その可能性はあるな」
兄上は目を見開いた後、「収納」から瓶を引っ張り出した。
チャプンと中に入れてあった液体が揺れて、少し水飛沫が散る。
瓶の中身は先ほど泉で採取してきた泉の水だ。
僕は毒耐性魔石を「収納」から出して、兄上の方を見て魔石を少し掲げて見せた。
兄上が頷いたので、毒耐性魔石を瓶の中に入れた。
そして、入手したばかりの乳白色の魔石を握り、魔力を通してから瓶の中に加えた。
瓶の水が一瞬だけふわっと淡く輝いた。
《光水》
《解毒・解呪》
「できた!光水!」
僕は思わずちょっと大きめの声を出してしまった。
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