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第2章
第266話 次の魔道具
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森から帰る道の途中に、今度作る魔道具について考えていた。
「お話」の魔道具や「手紙」の魔道具で、何かあった時に連絡を取り合うことができるけど。どの場所から連絡しているのかわかれば、緊急時とかに助けに向かったりできると思う。
連絡したときに必ず居場所が分かるっていうのもあまり良くないのかな。とりあえず、緊急な時に使う魔道具を考えよう。
緊急時に魔力を通したら、「緊急」の連絡が相手に届いて、更に居場所がわかるようにしたい。緊急な時は連絡する相手を選ぶ余裕がないかもしれないから、先に連絡する相手のことをあらかじめ設定して置くようにする。
問題は場所だ。居場所を表すには地図があって、その地図の中のどの辺に居るとかがわかると良いんだけど、それを魔道具でどうやって実現するか、なんだよね。
気配を察知する時に周囲に意識を広げるから、その動きを魔法陣にしたら今居る位置と周囲の物の形をイメージとして取り出すことができるんじゃないかな。
遠くの山や建物が目印になるから、遠い場所は風魔法を使おう。
馬に乗りながら試しに、風魔法を使いながら気配察知をしてみた。特に大きい木や山の位置、強そうな魔獣の位置とかが
わかる。頭の中にはイメージできるけど、連絡を受けた側に地図が見えるようにするにはどうしようか。
イメージを絵にする……?
「手紙」の魔道具で文字を表示しているところに絵まで出せるかな。
「手紙」の魔道具で文字を表すときは、火魔法で小さい光を文字の形に光らせている。絵の時も絵の形に光らせれば良いか。
「クリス、ボーッとするなよ。危ないぞ」
「あ!」
兄上に声をかけられて、ハッとして前を見ると、牙リスが木の上に三匹いて、こちらの様子を伺っている。
さっと弓を構えて中央の牙リスに矢を放った。
「キュェ!」
矢が命中して中央の牙リスがすっ飛んでいくと、両脇の牙リスが騒ぎ立てた。
「キィ!」
バチバチ!
甲高い声を上げた牙リスの前足に火花が散った。勢いよく枝から飛び降りてくる。
ザシュ!
兄上の剣が牙リスを斬る。牙リスの頭が飛ぶ。もう一匹の牙リスはボブがナイフで仕留めたみたいだ。
戦闘は一瞬だった。念の為周囲の気配を探ったけど、近くには魔獣はもういないようだ。
安全を確認してから、地面に落ちた牙リスに近づいた。
「解体」の短剣で牙リスの胸元を突くと、バラバラ。魔石だけ拾い上げてから残りを「収納」した。
「やった。雷魔石だ!」
「希少なやつだな。牙リスが持ってるのか」
「全部じゃないかも。ほら、こっちは違う」
仕留めた三匹のうち二匹が雷魔石を持った牙リスだった。
「希少だと言っても、かなり小さいよな。使えるのか?」
「大丈夫」
牙リス自体が大きい魔獣じゃないから、当然魔石も小さい。
それでも、魔法陣を一つは刻むことができる。雷魔石は魔法陣を他の魔石に転写できるから便利なものだ。魔道具作りも捗る。手に入って嬉しい。
「お話」の魔道具や「手紙」の魔道具で、何かあった時に連絡を取り合うことができるけど。どの場所から連絡しているのかわかれば、緊急時とかに助けに向かったりできると思う。
連絡したときに必ず居場所が分かるっていうのもあまり良くないのかな。とりあえず、緊急な時に使う魔道具を考えよう。
緊急時に魔力を通したら、「緊急」の連絡が相手に届いて、更に居場所がわかるようにしたい。緊急な時は連絡する相手を選ぶ余裕がないかもしれないから、先に連絡する相手のことをあらかじめ設定して置くようにする。
問題は場所だ。居場所を表すには地図があって、その地図の中のどの辺に居るとかがわかると良いんだけど、それを魔道具でどうやって実現するか、なんだよね。
気配を察知する時に周囲に意識を広げるから、その動きを魔法陣にしたら今居る位置と周囲の物の形をイメージとして取り出すことができるんじゃないかな。
遠くの山や建物が目印になるから、遠い場所は風魔法を使おう。
馬に乗りながら試しに、風魔法を使いながら気配察知をしてみた。特に大きい木や山の位置、強そうな魔獣の位置とかが
わかる。頭の中にはイメージできるけど、連絡を受けた側に地図が見えるようにするにはどうしようか。
イメージを絵にする……?
「手紙」の魔道具で文字を表示しているところに絵まで出せるかな。
「手紙」の魔道具で文字を表すときは、火魔法で小さい光を文字の形に光らせている。絵の時も絵の形に光らせれば良いか。
「クリス、ボーッとするなよ。危ないぞ」
「あ!」
兄上に声をかけられて、ハッとして前を見ると、牙リスが木の上に三匹いて、こちらの様子を伺っている。
さっと弓を構えて中央の牙リスに矢を放った。
「キュェ!」
矢が命中して中央の牙リスがすっ飛んでいくと、両脇の牙リスが騒ぎ立てた。
「キィ!」
バチバチ!
甲高い声を上げた牙リスの前足に火花が散った。勢いよく枝から飛び降りてくる。
ザシュ!
兄上の剣が牙リスを斬る。牙リスの頭が飛ぶ。もう一匹の牙リスはボブがナイフで仕留めたみたいだ。
戦闘は一瞬だった。念の為周囲の気配を探ったけど、近くには魔獣はもういないようだ。
安全を確認してから、地面に落ちた牙リスに近づいた。
「解体」の短剣で牙リスの胸元を突くと、バラバラ。魔石だけ拾い上げてから残りを「収納」した。
「やった。雷魔石だ!」
「希少なやつだな。牙リスが持ってるのか」
「全部じゃないかも。ほら、こっちは違う」
仕留めた三匹のうち二匹が雷魔石を持った牙リスだった。
「希少だと言っても、かなり小さいよな。使えるのか?」
「大丈夫」
牙リス自体が大きい魔獣じゃないから、当然魔石も小さい。
それでも、魔法陣を一つは刻むことができる。雷魔石は魔法陣を他の魔石に転写できるから便利なものだ。魔道具作りも捗る。手に入って嬉しい。
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