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第十四章 悪役令嬢
全てが呪いのせいだと言うならば……、俺の気持ちも?【アレン視点】
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目を覚ませばどうしようもなく哀愁を感じてしまう。
とっても長い夢を見ていたみたいだ。心の中にいた何が失ってとても哀しくなる。
これでハッキリしたことがある。何回も同じルートを繰り返し悪夢として見ていたことによって、ソフィア嬢に偏見な目で見ていたんだ。
……ソフィア嬢に婚約申し込んだのも『興味があるから』ではなく、『そうしないといけない』と思ったからだ。
興味があるのは間違いではないが、婚約をしてまでという程ではなかった。
それが当初の婚約の申立てだったなんて、笑えてしまう。
その事に疑問はあったが、た・だ・の・気・の・迷・い・なのだと思い、深く考えることはなかった。
これが全て呪いのせいだと言うならば、俺のソフィア嬢を想う気持ちも呪い……なのか。
いや、そう思いたくは無い。この気持ちに嘘はないはずだ。
上半身を起こし、ソフィア嬢を見れば彼女も悲しそうな表情をしていた。
ーー呪いは終わった。
そう思うのに、とても虚しい。俺は常に感情を表に出さないようにしてきた。
……してきたのに、ソフィア嬢の顔を見るとホッとして素が出そうになる。
そうじゃなくても、ソフィア嬢の前だとどうしても素が出てきてしまうのが困るところ。
この虚しさはなんだ? っと、考えると悪夢で見ているソフィア嬢が消えたからなのかも知れない。
何回も見ているので、情が残ってしまったのかも。
呪いはもう解けた。……解けたんだ。それは喜ばしいことだ。
人肌が恋しくてとかでは無い。喜びをソフィア嬢と一緒に分かち合いたいが為の抱擁だ。
戸惑うソフィア嬢を隣にこさせて、抱き締める。
艶のある髪からはほのかに薔薇の匂いがした。動かせないように頭と腰を固定するように手を回す。
ーー落ち着く。
心が癒される。気持ちが和らげる。
本来ならば婚約者でもないのに抱擁はタブーだろう。
でも今は、誰も居ない空中庭園の中にいる。誰にも見られない。
そう思うのは俺だけかも知れないけど。本気で拒むことの出来ないソフィア嬢に「しばらく、こうさせてくれないか」とお願いしてしまった。
ソフィア嬢が困ってるのをわかってるが、抱き締めたかった。誰でもいい訳ではなく、ソフィア嬢だから抱き締めて温もりを感じたかった。
不思議だな。感情を抑えることが出来ないなんて。普段なら、常に作り笑顔を浮かべて愛想良く出来るというのに。
ソフィア嬢絡みだとそれがなかなか出来ない。
ーー恋は盲目と言うが……。
まさか俺がそうなってしまうとは。
「……ありがとう。ごめんね」
ずっと抱き締めたかったけど流石にそれは出来ないので渋々ソフィア嬢を放した。
ソフィア嬢は耳まで真っ赤になった顔の頬に両手で添える。
隣に座る。
「あっ、い……いえ」
そんなソフィア嬢が可愛らしくて微笑んだ。
「……不思議だね。夢に出てきたソフィア嬢がもう見れなくなるのは悲しいな」
「アレン様は、夢の中の私にどうしてほしかったんですか?」
「そうだな。我儘と自分本位な考え方が無ければ彼女は淑女の鑑になってたかもしれないな。上辺だけ取り繕ってもいつかは足元を救われる。破滅へ向かうことだって考えられる。俺が望んだのは、上辺だけじゃなく内側もちゃんと見つめてほしかった……ただそれだけだ」
それだけなんだ。何かを成し遂げることを願っていたわけじゃない。夢の中では俺とソフィア嬢は婚約者だ。だからこそ、民衆が納得出来るように、認められるような女性で出なくてはならない。その他にも超えなくてはいけない壁が多々あるが。
残念ながら、それは叶わなかった。
「私、思うんです。外見を磨いてるのは自分に自信がないからで、我儘になってるのだって自信がなく、その上ひとりだと思い込んでいたから。感情の制御が出来ず、苛立ちと悲しさやほかの感情が混ざりあったんじゃないんですかね。本来の意思とは関係なく、その感情が暴走してしまう。だからといって、やってはいけないことなんですけどね」
ソフィア嬢は苦笑した。
それも一理ある。
俺は婚約者としてではなく、王族としてでしか見てなかった……。
王族としては正しい振る舞いだと思う。夢の中だとはいえ、あそこまで追い込んだのは紛れもなく俺が原因だと思っている。
ちゃんとソフィア嬢の(夢の中の)ことを考えて、見てあげていればもしかしたら違う結末になっていたのかもしれない。
だけど、やっぱり俺は何度同じことを繰り返しても、あの決断をすると思う。
そのことはソフィア嬢には黙っておこう。
「……ちゃんと見れてなかったのかもしれないな。夢の中とはいえ、婚約者ならちゃんと寄り添ってあげなくちゃいけなかった。でも、夢の中で良かったよ。これが現実での婚約者同士ならすれ違いどころかもっと大変なことになってたかもな」
「……そうですね」
ソフィア嬢は少し悲しそうに笑う。
「ソフィア嬢は……」
俺は言葉を呑み込んだ。
その後の言葉は『誰かと人生を寄り添い合う未来を見たことはあるかい?』そんな質問だった。
その回答次第では、誰かに恋をしている証拠になる。
「いや、やっぱりなんでもない」
回答を聞きたくないからその後の質問は言わない。
ソフィア嬢が誰かを想っているだなんて思いたくもないし、嫌だと思った。
とっても長い夢を見ていたみたいだ。心の中にいた何が失ってとても哀しくなる。
これでハッキリしたことがある。何回も同じルートを繰り返し悪夢として見ていたことによって、ソフィア嬢に偏見な目で見ていたんだ。
……ソフィア嬢に婚約申し込んだのも『興味があるから』ではなく、『そうしないといけない』と思ったからだ。
興味があるのは間違いではないが、婚約をしてまでという程ではなかった。
それが当初の婚約の申立てだったなんて、笑えてしまう。
その事に疑問はあったが、た・だ・の・気・の・迷・い・なのだと思い、深く考えることはなかった。
これが全て呪いのせいだと言うならば、俺のソフィア嬢を想う気持ちも呪い……なのか。
いや、そう思いたくは無い。この気持ちに嘘はないはずだ。
上半身を起こし、ソフィア嬢を見れば彼女も悲しそうな表情をしていた。
ーー呪いは終わった。
そう思うのに、とても虚しい。俺は常に感情を表に出さないようにしてきた。
……してきたのに、ソフィア嬢の顔を見るとホッとして素が出そうになる。
そうじゃなくても、ソフィア嬢の前だとどうしても素が出てきてしまうのが困るところ。
この虚しさはなんだ? っと、考えると悪夢で見ているソフィア嬢が消えたからなのかも知れない。
何回も見ているので、情が残ってしまったのかも。
呪いはもう解けた。……解けたんだ。それは喜ばしいことだ。
人肌が恋しくてとかでは無い。喜びをソフィア嬢と一緒に分かち合いたいが為の抱擁だ。
戸惑うソフィア嬢を隣にこさせて、抱き締める。
艶のある髪からはほのかに薔薇の匂いがした。動かせないように頭と腰を固定するように手を回す。
ーー落ち着く。
心が癒される。気持ちが和らげる。
本来ならば婚約者でもないのに抱擁はタブーだろう。
でも今は、誰も居ない空中庭園の中にいる。誰にも見られない。
そう思うのは俺だけかも知れないけど。本気で拒むことの出来ないソフィア嬢に「しばらく、こうさせてくれないか」とお願いしてしまった。
ソフィア嬢が困ってるのをわかってるが、抱き締めたかった。誰でもいい訳ではなく、ソフィア嬢だから抱き締めて温もりを感じたかった。
不思議だな。感情を抑えることが出来ないなんて。普段なら、常に作り笑顔を浮かべて愛想良く出来るというのに。
ソフィア嬢絡みだとそれがなかなか出来ない。
ーー恋は盲目と言うが……。
まさか俺がそうなってしまうとは。
「……ありがとう。ごめんね」
ずっと抱き締めたかったけど流石にそれは出来ないので渋々ソフィア嬢を放した。
ソフィア嬢は耳まで真っ赤になった顔の頬に両手で添える。
隣に座る。
「あっ、い……いえ」
そんなソフィア嬢が可愛らしくて微笑んだ。
「……不思議だね。夢に出てきたソフィア嬢がもう見れなくなるのは悲しいな」
「アレン様は、夢の中の私にどうしてほしかったんですか?」
「そうだな。我儘と自分本位な考え方が無ければ彼女は淑女の鑑になってたかもしれないな。上辺だけ取り繕ってもいつかは足元を救われる。破滅へ向かうことだって考えられる。俺が望んだのは、上辺だけじゃなく内側もちゃんと見つめてほしかった……ただそれだけだ」
それだけなんだ。何かを成し遂げることを願っていたわけじゃない。夢の中では俺とソフィア嬢は婚約者だ。だからこそ、民衆が納得出来るように、認められるような女性で出なくてはならない。その他にも超えなくてはいけない壁が多々あるが。
残念ながら、それは叶わなかった。
「私、思うんです。外見を磨いてるのは自分に自信がないからで、我儘になってるのだって自信がなく、その上ひとりだと思い込んでいたから。感情の制御が出来ず、苛立ちと悲しさやほかの感情が混ざりあったんじゃないんですかね。本来の意思とは関係なく、その感情が暴走してしまう。だからといって、やってはいけないことなんですけどね」
ソフィア嬢は苦笑した。
それも一理ある。
俺は婚約者としてではなく、王族としてでしか見てなかった……。
王族としては正しい振る舞いだと思う。夢の中だとはいえ、あそこまで追い込んだのは紛れもなく俺が原因だと思っている。
ちゃんとソフィア嬢の(夢の中の)ことを考えて、見てあげていればもしかしたら違う結末になっていたのかもしれない。
だけど、やっぱり俺は何度同じことを繰り返しても、あの決断をすると思う。
そのことはソフィア嬢には黙っておこう。
「……ちゃんと見れてなかったのかもしれないな。夢の中とはいえ、婚約者ならちゃんと寄り添ってあげなくちゃいけなかった。でも、夢の中で良かったよ。これが現実での婚約者同士ならすれ違いどころかもっと大変なことになってたかもな」
「……そうですね」
ソフィア嬢は少し悲しそうに笑う。
「ソフィア嬢は……」
俺は言葉を呑み込んだ。
その後の言葉は『誰かと人生を寄り添い合う未来を見たことはあるかい?』そんな質問だった。
その回答次第では、誰かに恋をしている証拠になる。
「いや、やっぱりなんでもない」
回答を聞きたくないからその後の質問は言わない。
ソフィア嬢が誰かを想っているだなんて思いたくもないし、嫌だと思った。
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